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【業界動向】

MicrosoftがAmazon.comと提携
ショッピングに傾斜するポータルサイト

■URL
http://www.microsoft.com/presspass/press/1998/Nov98/Amazonpr.htm
http://plaza.msn.com/

 Microsoft社は24日、Amazon.comとの提携を発表した。

 Microsoftは、同社のポータルMSN.COM内にショッピングコーナー「MSN Shopping」を設置し、様々なショッピングサイトを紹介している。今回の提携は、同コーナーでのCDやビデオ、DVDの販売について、商品の購入や検索のリンク先を全てAmazon.comにするというもの。また、Amazon.comのバナー広告がMSNのサイト内の至るところに掲載されることになる。

 こうした話自体は最近では珍しくもない。しかし、ポータルビジネスの1つの側面を理解するには役に立つだろう。

 ポータルという言葉が出てきた当時、それらのサイトは様々な情報が集まる場所として注目を集めた。ニュース、コミュニティ、そして各々が得意としている検索サービスなどがそれに相当する。ポータル自体は当然として、コンテンツを提供する企業の多くも広告収入により運営されている時代だ。この時点では、ポータルは広告と強く結びつけられていた。

 各社はこぞってパーソナライズサービスを提供したり、無料のメールサービスを始めてみたり、ユーザー獲得に金と力を注いだ。はたしてそれで儲かるのか。多くの人がそれを疑問に思った。

 ところが、この数ヵ月のうちにポータルは随分様変わりしてしまった。ほとんどのポータルがAmazon.com、Barnes & Noble、CDnow、Music Boulevardといった大手ショッピングサイトと提携している。Yahoo!にいたっては、「Yahoo! Shopping」で複数のサイトを1つのショッピングカートを押して歩けるシステムを作り上げた(本誌11月19日号参照)。ショッピングサイトが幅をきかせてきたのだ。

 ショッピングサイトは、広告収入で運営されている情報サイトとは違い、モノを売ることで直接金を生み出す。ポータル側としても、魅力的な場を提供できれば出店料を徴収できる。ポータルは、広告収入以外の部分でも儲けることができるようになってきたのだ。

 そこには人が集まるところに出店するという商売の鉄則がある。この点でポータルという仕組みは、従来のショッピングモールとは異なっている。従来のショッピングモールは、常に決済システムと結びつけて考えられていた。こうしたモールの多くは失敗に終わったが、その理由は実は単純なのかもしれない。肝心の商品を買ってくれる人が集まらなかったのだ。

 もっとも、ポータルというビジネスモデルが必ずしもうまくいくという保証はない。少なくともIDCの予測では、オンラインショッピング市場は、2002年に利用者1億2,800万人、売上げ4,000億ドルという規模に達する見通しだ(本誌8月20日号参照)。同市場の発展にどれだけ寄与できるかが、ポータルサイト自身の生き残りにも繋がっている。

('98/11/25)

[Reported by yuno@impress.co.jp / Hiroyuki Et-OH]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp