インターネット関連事業の多角化を進めるソフトバンクは25日、個人顧客向けにインターネット上で損害保険会社との契約の仲介をする「保険ブローカー(仲介人)業務」に参入する方針を明らかにした。年内に米国企業と合弁会社を設立、来春からサービスを始める方針。一般消費者を対象とした保険ブローカー業務は国内では初めて。
インターネット上に商品内容を提示することなどで、消費者が商品の優劣を簡単に比較できるようになるのが特徴。損保各社の魅力ある商品開発に向けた競争に一層拍車が掛かることになりそうだ。
新会社の営業の中心は、当面、自動車保険で、損保各社のサービス内容などの情報を提供するだけでなく、利用者が運転歴、年齢、居住地域などを自宅のパソコンなどから入力するだけで保険料の見積もりができるシステムを構築する。
損害保険料率が今年7月に自由化され、外資系や国内の損保各社はさまざまなタイプの保険を新たに登場させている。だが条件が複雑で、一般消費者が正確に支払保険料などを知るためには、いちいち各社に見積もりを請求しなければならないのが実状。
新会社が手掛けるサービスは、手軽に各社の保険を比較した上で、価格やサービス面を検討して最も有利な保険を購入できるというのが売り物だ。将来的には火災や傷害保険など他の損保商品も扱う方針。
利用者の側に立って複数の商品を比べ、契約の仲介をする保険ブローカー業務は'96年4月から認められている。これまで商社、銀行系、独立系など55業者が登録しているが、いずれも企業など大口を対象としたものだけだった。
('98/11/25)
[Reported by masaka@impress.co.jp]