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【法規制】

郵政省、不正アクセス対策法の素案を発表
ログの保存義務などで警察庁案と相違

■URL
http://www.mpt.go.jp/pressrelease/japanese/new/981125j601.html

 郵政省は25日、ネットワークを利用した不正アクセスを防止するための「不正アクセス対策法制」の素案を公表した。同省では、これをもとに電気通信事業法などの一部改正による法整備を図る考えだ。ただし、すでに警察庁が不正アクセスの新法制定を目指した素案を発表しており、国会提出に向け、今後、両者間での調整が行なわれる。

 今回の郵政省案では、警察庁案と同様、IDやパスワードなどの認証によってアクセスが制限されているコンピュータに対し、他人のIDやパスワードを利用してアクセスしたり、セキュリティホールを利用してアクセスした場合を不正アクセスと定義。また、他人のIDやパスワードなどの情報を第三者に「みだりに漏らす」行為も禁止し、これらの行為の違反者に罰則を適用するとしている。

 両案を比較すると、警察庁案では対象とする範囲を「企業、官公庁等の事業のために使用されているコンピュータ」に限定、「個人的に使われているパソコンは除く」としているのに対し、郵政省案ではプロバイダーや大学、企業のサーバーのほかに個人のパソコンが含まれる点で異なっている。一方、不正アクセスは公衆回線を経由して行なわれた場合のみ規制の対象となり、企業LAN内での不正アクセスについては対象としない点は両案一致している。

 大きな違いとしては、アクセスログについて、警察庁案が一律3ヶ月の保存を義務づけているのに対し、郵政省案では、課金や不正アクセス対策など「業務の遂行上必要な場合に限り記録するものとし、その期間は各事業者が事業の必要に応じて自主的に定める」としている点。ログの保存が、電気通信事業法で定めた「通信の秘密」に属することと、事業者の負担をともなうというのが理由だ。

 なお、郵政省では、今回の素案をホームページでも公開。12月16日まで、メールやファックスで広く意見を募集する。

('98/11/26)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp / 金丸雄一]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp