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【業界動向】

JASRACとNMRC、ネット上の音楽著作物使用料で暫定合意を発表

■URL
http://www.jasrac.or.jp/ (JASRAC)
http://www.impress.co.jp/nmrc/ (NMRCホームページ近日開設予定)

 社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)とネットワーク音楽著作権連絡協議会(NMRC)は、インターネット上での音楽利用に関する著作物使用料について'99年3月31日までの暫定的な合意を発表した。

 両団体は、'97年よりネットワーク上の音楽利用に関して協議を続けている。当初JASRACからは、「業務用通信カラオケ」での使用料規定を基にした案を提示していたが、MNRCでは新たな枠組みの使用料規定案を提示、両者の主張は平行線を辿っていた。しかし、当面のネットワーク上での音楽利用可能な環境を整えるのが急務との判断から期間を限定した暫定合意を発表するに至った。

 今回発表された使用料規定は、主に家庭などでの私的使用を目的にリクエストに応じて著作物を配信する「インタラクティブ配信」のうち有料の配信に関するもの。具体的な使用料は、受信装置に著作物を複製する(パソコンに楽曲を取り込む)「ダウンロード配信」の場合は、情報料の7%に月間の総リクエスト回数を乗じた額か、1曲7円に総リクエスト回数を乗じた額のいずれか多い方。著作物を複製しない「ストリーム形式」の場合は、月間の総情報料収入と正味広告料を合算したものに3.5%を乗じた額となっている(音楽著作物の場合)。そのほか、広告料収入がある場合や情報内容が音楽以外(一般娯楽やスポーツ/ニュースなど)である場合の使用料が定められている。

 なお、ダウンロード配信に関しては、使用料の10%の額が月額基本使用料相当額として加算される。また、ストリーム配信に関してはその額に月額基本使用料相当額を含むものとされている。

 この「月額基本使用料」の有無が両者の協議の中で焦点となっていた。当初案では、業務用通信カラオケでの使用料規定同様に、事業者はサーバーに著作物を蓄積しただけで、その作品が売れても売れなくても基本使用料が徴収されるしくみであった。それに対しNMRCでは「売り上げに応じた使用料を支払うべき」との主張を譲らなかった。そこで、今回の暫定案では「基本使用料という枠組みは無くすが、基本使用料相当の額は徴収する」という妥協案となった訳だ。

 JASRACでは、「今回の合意では、JASRACが望むべき使用料になっているとは言えないが、暫定期間が終わる'99年4月以降に本格的な交渉を進めるための舞台ができた。そこは評価すべき点である」としている。

('98/11/26)

[Reported by okiyama@impress.co.jp]


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