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【業界動向】

NCTVを使ったCATVインターネットサービス
国内で初めて、習志野市で地域コミュニティ向けに商用化実験

NCTV  CATVインターネットサービスを提供するインターラクティブケーブル通信と、千葉県のCATV会社・タウンテレビ習志野は8日、NCTVを利用したCATVインターネットサービスの商用化実験を12月末に開始すると発表した。千葉県習志野市内の一般家庭にNCTVを設置し、インターネット接続サービスのほか、地域情報サービス、コミュニティサービスなどを提供する。実験には日本オラクル、テレビ朝日データなどが参加し、習志野市も後援する。'99年3月末まで実験を行ない、その後、商用サービスとして提供する見込みだ。

 習志野市ではすでに今年7月、両社が共同でパソコン向けのCATVインターネットサービスを開始している。今回の実験は、これに加えて、より簡単にインターネットを利用できる環境を地域コミュニティ向けに提供しようというもの。市内本大久保4丁目ホームタウン自治会の200世帯が参加する。従来は回覧板などを利用していた町内のお知らせなどを、自治会の担当者がNCTV端末を使ってネット上にアップするほか、住民が参加できる電子掲示板なども用意される。市の協力により、広報誌のネット版発行や公共施設のオンライン予約システムの実験なども行なわれる。さらにコンテンツサービスとして、全国保険医団体連合会による医療・健康相談サービス「バーチャルクリニック」や、テレビ朝日データの提供する地上波データ放送「ADAMS」のコンテンツも提供される。ADAMSについては、今のところ全国版と同じ内容だが、通信回線が遮断されるような災害時などに地域の防災情報を配信することも検討しているという。メールの送受信では、ビデオカメラを端末に接続することにより、静止画像を取り込んで添付・表示することも可能だ。

 今回の実験では、台湾Acer社製のNCTV端末が参加世帯に無償貸与される。IDなどを記憶したICカードによりユーザー認証が行なわれるため、端末のスイッチを入れるだけでネットワークに接続可能。起動後は自治会情報や市政情報、番組ガイドなどのメニューが並ぶホームページが表示され、リモコン操作により各情報にアクセスできるようになっている。もちろん、テレビ番組を表示することも可能だ。ケーブルモデムとはEthernetにより接続する。

 発表会に出席した荒木勇・習志野市長は、まだ手つかずのままとなっている一般家庭の情報ネットワーク化に貢献するとして、今回の実験に大きな期待を寄せた。なお、インターラクティブケーブル通信によると、技術的な問題はすでにクリアしており、今回の実験は、地域のネットワークとしてどういう使い方が求められるのかを探るのが目的だとしている。

('98/12/8)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp