■URL
http://www.javaexpo.zdevents.com/ (Java Business Expo)
http://java.sun.com/jdk/press/pr.html (Java 2)
http://java.sun.com/products/jini/ (Jini)
12月8日から10日、Javaテクノロジー関連の展示会「Java Business Expo」がニューヨークで開催された。会場では、IBMやNovellなどの企業から多数のJava開発ツールやビジネスアプリケーションが展示された。
出展企業は約250社、来場者は2万人を超え、誕生から3年半を経たJavaコミュニティの着実な成長ぶりを浮き彫りにした。また、Sun Microsystems社のEd Zander COOやScott McNealy CEOによる基調講演では、「Java 2」や新たなJavaライセンスモデルの発表、また最新テクノロジーの「Jini」のデモなども行なわれた。
●デベロッパーに評判の「Java 2」Ed Zander氏は、「Java 2は、Web中心のコンピューティング環境でのアプリケーションの開発を非常に簡単にするものだ」と語った。また、Java 2を使用して開発された様々なソフトウエアのデモも行なわれたが、その中で金融ソフトウエアを開発したPersonal Concepts社のデベロッパー、David Wilson氏は「このソフトの開発には2カ月かかったが、通常のソフト開発に比べると約5分の1の時間で済んだ。多くのデベロッパーが私と同様の意見を持っている」と語った。
●新ライセンスモデルでJavaコミュニティ作りしかし、Javaをバイナリーコードで製品化する場合には、SunによるJava互換性テストを通過し、その後はソフトウエア1本につきSunにロイヤリティを支払う必要がある。これにはJavaデリバティブ製品も含まれており、企業内でそのソフトウェアを使用する場合、また、フリーウェアの場合にもこのライセンスモデルが適用される。同氏は「以前のライセンスモデルよりも、新たなライセンスモデルの方が多額の収益を上げることができる」と語った。これに関して、「Sunは、Javaを完全にISOなどの機関に手放すべきだ」と主張する企業も多い。
Baratz氏は「新たなライセンスモデルの主旨は、あくまでJavaコミュニティを作ることだ。我々はできるだけ多くの人々に、このコミュニティに参加してもらいたい」と語る。この努力の一環として、Sunでは、Javaと関連APIを定義するグループをJavaライセンシー以上に広げる「Java APIイニシアチブ」、またSun以外のサードパーティにJavaテクニカルグループの責任者になってもらうという計画を発表した。現在のところ、IBMが「ランタイムJava」の責任者になることになっているが、その他の分野では未定だという。
●McNealy CEOが「Jini」をデモまた、かなりの時間を費やして「Jini」のデモを行ない、「Jiniの正式発表は来年1月25日」であると公表した。同氏は「これまでに、20数社のベンダーがJiniをライセンスしている」と語った。
「プラグ&プレイ」ならぬ「プラグ&ワーク」と呼ばれるJiniは、3つのパートから構成される。まず、ネットワーク上の情報を保存してデータベースの役割を果たす「ルックアップサービス」、デバイスに組み込まれる40Kバイトのコード「エージェント」、またエージェントがルックアップサービスとコミュニケートするためのプロトコルインターフェイス。これにより、デスクトップに新たなデバイスドライバをインストールしなくても、Jini対応のデバイスはデスクトップにつながると同時に使用することができるという。
McNealy氏は、Jiniを使用して、テレビのディスプレイに表示したルックアップウィンドウから家電製品を操作するデモを行なった。扇風機や部屋の電気などが「Jini、オン」の音声とともについたり消えたりしたが、そのとき同氏は「いつもこの音声を聞かなきゃいけないのか」とジョークを飛ばし、会場を笑わせた。同氏はまた、ホリデーシーズン間近なこともあり、「クリスマスツリーにかけたくないもの:トップ10リスト」で、MicrosoftのBill Gates著の本『記憶にない電子メール』」というジョークを披露した。
('98/12/11)
[Reported by Hiroko Nagano, NY]