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【イベントレポート】

インターネットの最先端技術が京都に集合
「Internet Week 98」開幕

■URL
http://www.nic.ad.jp/iw98/

Internet Week 98

 12月15日、インターネット関係者を対象としたテクノロジー系のイベント「Internet Week 98」が国立京都国際会館にて開幕した。「Internet Week 98実行委員会」による企画と運営で、社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)、日本インターネット技術計画委員会(JEPG/IP)、日本インターネット協会など12団体が参加している。会期は18日まで。

 Internet Week 98は、関連技術の研究/開発、構築、運用、利用など、インターネットに関する各種会合を集中して実施するイベント。各参加団体の主催による「IP Meeting」「インターネットコンファレンス」「Java Conference」などが同会場内で開催される。初日の15日も様々な分野を対象としたコンファレンス、チュートリアルが行なわれた。ここでは、初日のプログラムから「インターネットコンファレンス'98」について紹介したい。



 15、16日と開催される「インターネットコンファレンス'98」は、'96年から日本ソフトウェア科学会インターネットテクノロジー研究会、日本UNIXユーザ会、WIDEプロジェクトにより開催されてきた「インターネットコンファレンス」と、従来から日本インターネット協会が開催していた「Japan WWW Conference」を統合したもの。今年は上記4団体の共催となった。

 初日午後に開催されたセッション「Social Impact of Internet」では、「インターネット授業調査アンケートシステムの設計と実装」「生涯利用可能なネットワーク環境における名前空間と個人用ドメイン」などのテーマで発表が行なわれた。

 「インターネット授業調査アンケートシステムの設計と実装」では、実際に慶應義塾大学らが開発研究を進め、実験を重ねているシステム「Internet Student Course Servey System(ISCS)」を取り上げた。ISCSは、インターネット上に分散する対象者に時間、場所にとらわれずに、アンケート調査を実施できるシステム。認証サーバー、回答サーバー、集計サーバーの3点から構成されている。実験では、広域に分散する学生に無記名アンケート調査を実施し、その調査結果を教員と学生にフィードバックできるシステムを構築した。守秘性を考慮したアンケートシステムとして有効との発表であったが、参加した村井純慶応義塾大学教授からは「先生自身が評価の対象になってしまうのではないか。システムの構築といった話だけではなく“教育哲学”にも関わることだ」との意見も出た。

展示

展示の様子

 「生涯利用可能なネットワーク環境における名前空間と個人用ドメイン」の発表では、年齢や環境などが変わっても一生涯に渡って利用できるインターネット環境「Lifelong Network」の提案が発表された。それを実現する要素の一つとして「一生使えるドメイン名」があげられ、ドメイン名空間として相撲の決まり手を利用した「四十八手方式」なるユニークな案が出された。これは、「名前.**.相撲の決まり手.jp」という形のドメインで、**には2文字の英数字をランダムに付与するというもの。この形式だと、名前部分に同じ希望文字列を入れても62,208件まで対応できるという。このほかには、名前の後に3~6文字のローマ字をランダムに付与する「ローマ字方式」などが提案された。

 なお、インターネットコンファレンス会場では、毎年「インターネット防災訓練」で実験されている「インターネットを用いた安否情報システム」などが展示され、来場者の注目をあびていた。



 初日はほかに、「ドメイン名最新事情」、「IPsecとIPv6」、「インターネットアーキテクチャー概論」といったチュートリアルが実施された。2日目は「セキュリティゼミナール」、「Java Conference」などが予定されている。なお、本誌では、連日Internet Week 98の模様についてお伝えする予定だ。

('98/12/15)

[Reported by okiyama@impress.co.jp]


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