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【年末企画】

ちょっと気になる、あのニュースのその後 第1回

Yahoo! JAPANとgooの連携サービスはいつ実現するのか?


 今年もINTERNET Watchでは、新しいサービスや技術、ソフト、業界動向や事件等々、さまざまなニュースを掲載してきた。しかし、発表時点でとり上げてはみたが、例えばそのサービスが実際にどういう評判を得ているのか、また、新しく設立された会社が実際にどんな事業を手がけているのかなど、“ニュースのその後”を紹介する機会はほとんどなかった。中には、今回とり上げる(そして、この企画を始めるきっかけともなった)Yahoo! JAPANとgooの提携記事のように、アナウンスされたサービスそのものが始まらないという困ったニュースもあった。

 そこでこの企画では、今年本誌で紹介してきた中からいくつかのニュースをピックアップし、気になる“その後”をレポートしてみたい。

 1回目は、3月12日に掲載した「Yahoo! JAPANとgooが連携、5月よりサービスを開始」というニュース。Yahoo! JAPANのキーワード検索で該当するサイトが一つもなかった場合、そのキーワードを自動的にgooに引き継ぎ、検索してくれるサービスを共同で提供するというものだった。

 しかし、5月を過ぎ、もう半年以上も経つというのに、この連携サービスは未だに提供されていない。読者の中にも、サイトを検索する際はまずYahoo! JAPANで調べ、なかったときにgooで検索し直すという方も多いと思う。この連携サービスが始まれば、いちいち手動でアクセスし直さなくてもいいのだから、期待していた方も多いはずだ。両社の提携は、その後、いったいどうなってしまったのだろうか?

 これに関して思い当たるのは、春以降、gooが急速に“ポータル”化していったことだ。それまでは純粋な検索エンジンだったgooにゲームやニュース、ダウンロードコーナーなどのコンテンツが設けられたほか、無料のメールサービスもスタートした。提携発表時、両サイトには“検索ディレクトリ”と“検索エンジン”という明確な性格の違いがあったため、互いの短所を補うという意味で提携は有効だった。しかし“ポータル”として競合する今では、Yahoo! JAPANのユーザーに便利になるサービスをgooがわざわざ提供するだろうか? 実は密かに提携が解消されていたとしても不思議ではない。

 そこで、gooを運営するエヌ・ティ・ティ・アドに、その辺りの事情をうかがってみた。「ポータル化は時代の流れ。競合サイトには違いないかもしれないが、競合サイト同士が提携することは、米国ではよくあること」ということで、提携については変更なく、当初の条件に沿って共同サービスを提供していくという。また、ポータルを謳うようになったとは言っても、やはり検索エンジンの利用がまだまだメインになっているとのことだ。遅れに遅れている理由は、「NTTと行なっているコンテンツ面での情報流通実験(gooのリニューアル)に予想以上に時間がかかり、Yahoo! JAPANとのミーティングが想定したスケジュールで進展できなかった」ため。また、gooの検索システムに採用しているInktomi社の技術は、すでに米国のYahoo!でも導入実績があり、ソフトウェアの違いによる支障はなかったが、「トラッフィック予測や詳細な検索入力条件の受け渡しなど、技術的な詰めに予想以上の時間がかかってしまった」という。

 順調とまではいかなくでも無事に提携が進んでいるとなれば、あとは開始時期ということになるが、「お待たせして申し訳ありません。年内にもスタートできるのではないかと思います」(ヤフー株式会社)。テストはすでに完了しており、あとはサーバーをどこに置くか、回線をどうするかといった物理的な問題だけだという。「国内のアクセス数で上位に入るYahoo! JAPANとgooが手を組むことで、ユーザーの利便性を図っていきたい」(エヌ・ティ・ティ・アド)としており、どうやら、この連携サービス、もうすぐ利用できるようになりそうだ。

('98/12/15)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp