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【イベントレポート/Internet Week 98】

「Javaカンファレンス」開催、「Internet Week 98」2日目レポート

■URL
http://www.nic.ad.jp/iw98/

 国立京都国際会館で開催されている「Internet Week 98」。2日目の16日は、同会場で開催された「Javaカンファレンス 第3回京都セミナー」、「DOMAIN-TALK Meeting」の模様などをお伝えしたい。


●「Javaカンファレンス」

http://www.java-conf.gr.jp/

竹内郁雄氏

竹内郁雄氏

 「Javaカンファレンス」は、Javaの利用と普及、発展を目的とした団体。法人から学生、個人まで集まって構成されている。特定の企業を支援することはなく、あくまでも中立の立場を守っている。

 基調講演には、Javaカンファレンス会長竹内郁雄氏が登場し「2010年に向けてのJava文化論」をテーマに講演を行なった。ここでは、老子の教えで「無為自然」などの意味を持つ「Tao(道)」思想を引き合いに出しJavaを語った。「Taoを理解していないものは時間と空間を無駄にする」との言葉を例に、プログラミングを行なう上でのTao思想の有効さを語った。なお、竹内氏はオブジェクト指向をとり込んだLisp系プログラミング言語「TAO」の開発でも知られている。

 Javaについては、「ネットワークの中でコードが動くとうことは“どこでもドア”と同じ。覗くだけの窓(Windows)とは違う」とした。また、2002年のワールドカップのチケット販売/管理システムをJavaで運用して成功すればJavaは成功と語った。この竹内氏の講演はスクリーンに「道可道 非常道」などの文字を大写しにしたり、「Javaの復讐」と漢字の誤変換そのままのプレゼンテーション資料を使うなど、一風変わった講演であった。


道可道 非常道 どこでもドア

「道可道 非常道」の文字

Javaは「どこでもドア」

 次に登場したのは、株式会社ピーデーの川俣晶氏。テーマは「Javaで書くサーバアプリケーションの実践」。ここでは、氏が開発したメーリングリスト配信システム「ML2(コードネーム)」を例にJavaでのサーバーアプリケーションの有用性を語った。信頼性の面から「これからのサーバーアプリケーションはNTだけをターゲットにしていてはダメだ」としている。また、サーバーアプリケーションに「100% Pure Java」は無理として、1%の機種依存コードを含む「99% Pure Java」が現実的であると語った。なお、川俣氏はマイクロソフト社でWindowsの日本語化作業を担当していたこともある。


●JPNIC/BOF「DOMAIN-TALK Meeting」

http://www.nic.ad.jp/

 JPNICのJPドメイン名検討部会によるBOF「DOMAIN-TALK Meeting」では、「JPドメイン名グランドデザイン1999(叩き台)」についての意見交換が行なわれた。これは、JPドメイン名の登録方針やドメイン名の構造などについての方向性をまとめようというもので、学校向けの「ED」ドメインについての話し合いの中から出てきた意見とのこと。'98年度末にも案を取りまとめて公開する予定だ。

 BOFでは、まず「JPドメイン名グランドデザイン1999(叩き台)」の案について説明された。内容は「必要なドメイン名が登録しやすく、将来にわたって安定して使えること」「公平性と健全性」といった登録方針の前提となる考え方やドメイン名の構造、知的財産権に関する問題など。この中で興味深いのは、「汎用SLD」の新設が新たに検討される点。これは、組織種別によらない、商品やサービス名に対応した第2レベルドメインだ。JPNICでは、'96年度にも「ブランドドメイン名(仮称)」の導入を検討したが、問題が深刻化するという指摘から導入を見送った経緯がある。今後も知的財産権に関する問題は避けられず、議論が続きそうだ。JPNICでは、「インターネットコミュニティだけではなく、知的財産権コミュニティとの話し合いが必要だ」としている。


 なお、「Internet Week 98」3日目には、「IP Meeting'98」などが開催される。本誌では、連日会場の模様についてお伝えする予定だ。

('98/12/16)

[Reported by okiyama@impress.co.jp]


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