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■URL
http://www.oracle.co.jp/oow98/index.html
東京ビッグサイトで16日と17日の2日間にわたり開催されているオラクル・オープンワールド1998。インターネット関連の目玉と言えばNCTVだ。会場の一角には関連企業を集めた「NCTVワールド」が設置され、デモが行なわれていた。
インターラクティブケーブル通信やクロスビームネットワークスといったCATV業者、NCTV用のICカードを製造・販売する凸版印刷、地上波データ放送「ADAMS」を手掛けるテレビ朝日データなどが出展していた。
デモに用いられていたセットトップボックス（STB）は、全て日本ソルテックによるもの。これまでの展示会で目にしていたSTBはAcer製のものばかりだったので新鮮だ。実はこれ、中身はAcer製。モデムを内蔵しているため郵政省の認可が必要で、そうした手続きをソルテックが行ない、さらに国内でこのSTBを販売するということなのだそうだ。現在、モデム版とEthernet版（10Base-T）があり、価格はそれぞれ5万円程度。同社によると、TAを内蔵したISDN版も4月頃に発表する予定だという。
また、NCTVの管理サーバーを提供するDTIとBIGLOBEも出展していた。両社ともに眼中にあるのは金融機関などの企業相手のビジネスで、パーソナルユーザー向けのサービスを展開するのはなかなか難しいようだ。
これは主にハードウェア的な制限によるところが大きい。ハードディスクを内蔵していないため、メール等のデータを端末側で蓄積しておくことができない。何かと電話代がかさむ日本では、こうした端末を家庭で使わせるのは難しい。もっとも、プロバイダー側としては何度も繋げてもらった方が儲かるという話もあるが、利用者の絶対数が確保できなければ運用していくのは困難だ。
そこでNCTVはLAN環境が整っている企業、あるいはCATVのような通信コストが比較的安い業者に卸していく、というビジネスモデルになったわけだ。
では、電話線を使わないで利用する手はないのか？ADAMSがそうだ。テレビ放送の電波の隙間を利用してデータを送信するという方法で、それを実現している。今回のNCTVワールドの展示では、別の手法が紹介されていた。
それは、NTTドコモのポケベルをNCTVのシリアルポートに繋げ、受信したデータをテレビ画面上にティッカーの形で表示するというものだった。同社はポケベルにニュースや天気などの情報を配信する「インフォネクスト」サービスを提供している。このデータをテレビ上に映し出そうというのが、今回のドコモの試みだ。
一時期流行して消えていった「プッシュ」という概念が、もっと効果的な形となってそこにあった。PointCastのようなサービスはプッシュといっても、クライアントがサーバーからデータを引っ張ってくるという擬似的なプッシュだった。しかし、ポケベルの場合は完全なプッシュ方式。しかも、ブロードキャスト型のADAMSとは違い、パーソナライズも可能だ。
ドコモでは、銀行口座の残高照会や振込・振替などのサービスについても検討しているという。
NCTV以外では、話題の「一太郎Ark for Java」（仮称）も参考出品されていた。Javaプラットフォーム上で動作する日本語ワープロで、1MBという小ささ。データフォーマットとしてHTMLとXMLを採用しており、ジャストシステムでは同ソフトを「インターネットワープロ」と形容している。実際にWindows 98の入ったノートパソコン上で動作していた。
まず、サクサク動くという印象を受けた。CSS1もサポートしているので、フォントの設定なども可能だ。それでも、現在販売されているデスクトップ版の一太郎と比較すると、表現力という面ではかなり劣る。すなわちHTMLの表現力の限界だ。それだけではJava上で動く単なるHTMLエディタだが、同ソフトのワープロたる由縁はその印刷機能に見ることができる。改ページのような設定が可能となっている。
いずれにしろ、ジャストシステムでは同ソフトの個人向け販売についてはあまり積極的ではない。プログラムの性質からしても、NCのような端末で企業内で利用されることを想定しているようだ。
('98/12/16)
[Reported by yuno@impress.co.jp]