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【年末企画】

ちょっと気になる、あのニュースのその後 第2回

郵政省のスパムメールコレクションは集まったのか?

 本誌で今年紹介してきた中からいくつかのニュースをピックアップし、記事掲載後の動きを追うこの企画。2回目は、7月13日に掲載した「郵政省がスパムメールなどの被害情報を募集」というニュースのその後をレポートする。

 郵政省では今年6月、スパムメールなどの“迷惑通信”への対策を検討するため、「情報通信の不適正利用と苦情対応の在り方に関する研究会」を設置。その検討材料として一般からの被害情報を募集していた。迷惑通信には、スパムメールのほか、いやがらせ電話やファックス、他人のプライバシーをWebへ勝手に書き込む行為など、電気通信サービスを利用したものが広く含まれる。迷惑通信というと、一般的にはまだまだイタズラ電話などのイメージがあるが、果たしてスパムメールは集まったのだろうか?

 研究会の事務局を担当している郵政省通信政策局政策課によると、募集は10月までの3ヶ月にわたって行なわれ、約150件の情報が寄せられたという。内訳は電子メールが85件と最も多く、次いでWebが33件、電話21件、ファックス1件、その他が10件(一部重複あり)。なんと、インターネット関連が圧倒的に多い結果となった。募集が郵政省のWeb上で行なわれたため、インターネットユーザーからの情報が多くなってしまったようだ。

 インターネット関連のものについて内容を分類すると、メールについて大きな傾向が見られた。具体的な文面等について教えてもらうことはできなかったが、ねずみ講まがいのものと不要な広告の二つが目立ち、とくにねずみ講は半数近くにも達したという。他には、一時期、大手プロバイダーのユーザーに対して一斉に送信されたスパムメールと思われるものがあったそうだ。一方、Webについては、プライバシーの公開、差別的な内容、誹謗中傷、殺人予告などさまざまだったという。

 今回は募集の方法上、寄せられた情報がインターネットに偏ってしまったわけだが、BBSにおけるプライバシー侵害やスパムメールなど、今まであまり知られていなかった被害が、こういった検討の場に寄せられたのはかえってよかったのかもしれない。なお、郵政省では研究会の報告書を1月にもとりまとめるとしており、現在、ホームページで素案を公開している。

('98/12/17)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp