【連載】
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 ニュースや雑誌に頻繁に登場する国でも、その生活事情やIT事情は案外知られていないものです。あまりなじみのない国だったら、なおさらです。この連載では、世界各地にお住まいの方から、生活者の視点で見たインターネット事情や暮らしについてレポートします。

第2回 “中米のスイス”と呼ばれる国の実態は? ~コスタリカ~

 自然にあふれ、人々の笑顔が飛び交い、子供たちの笑い声がこだまする。小鳥がさえずり、犬がじゃれあい、牛がのんびりと散歩をする。柔らかい穏やかな時間がゆっくりと流れる、中米のスイスと呼ばれるコスタリカは、平和に満ちたやさしい国。
 ……なんて表向きの事は、その辺のガイドブックに書いてありますので、ここでは省略します。

 私のコスタリカのイメージは、「美人と巨乳ちゃんの国」。
 しかし、これについて初回から書いてしまうと、各方面から苦情が殺到しそうですので、また別の機会にしようと思います。何人もの男性が「おい!そこまで引っ張っておいて、そりゃないぜセニョール!」と思っているかもしれませんが、あなたの期待には、いつの日かお答えしましょう!
 というわけで、日本ではほとんど馴染みのないコスタリカについて、まずは別の角度から紹介したいと思います。

●ラテン人はぐうたらで怠け者?

イラスト・Nobuko Ide
 さて、ラテン人の気質というと、我々日本人がイメージするのは「ぐうたらで、怠け者でいいかげん、女好き」、そして「明るく、楽しく、面白い」。これは、必ずしも当たっている面ばかりではありません。

 私は現在、コスタリカ最大のスーパーマーケットで寿司を売るという、日本人なら必ず考えそうな仕事をしているのですが、そこで働く人々を見る限りは、ぐうたらで怠け者という言葉は当てはまりません。少なくとも、某東洋の島国の地方の役所の公務員(わっ!とっても具体的!)より、はるかに働いています。客へのアテンドもマニュアル通りではなく、心から楽しんでいるという感じです。また、どちらかというと年功序列で出世するのではなく、実力主義という様子。
 例えば4年勤務の男性より、1年9ヶ月しか勤務していない20歳の青年が先に出世したり、17歳の時に掃除夫として入社した男が、30歳にして総合チーフになったりしています。逆に働きが悪い人は、容赦なく解雇されていきます。
 つまり、決められた規則と規律のなかに入れば、ラテン人も働き者になり、日本人も怠け者になるということでしょう。なので「ラテン人は怠け者」という日本人からみるラテン人のイメージは、適切ではないというのが私の個人的な意見です。

職場の美人さん。カメラにちょっと緊張気味? 私の職場と仕事仲間。お寿司は太巻きで約4ドルです

 では、「明るく、楽しく、面白い」という面ではどうでしょうか?
 客へのアテンド中に、巨乳の美人さんが通過すると、手が止まる。手が止まるだけでなく、全ての動作が止まり、視線が集中する。その様子を見た上司が、部下を注意する前に、その部下の視線を追う。そして客が振り返り、同じく視線を追う。そして、客と売り子が目を合わせ、上司も間に入り……
 「おい! すげー美人だなぁーーー、美味しそう!」
 うーん、とってもラテン♪

 そういえば、こんな事もありました。年齢50歳くらいのスーツでビシっときめた紳士が、

男:「あの、こちらでソーセージの試食品を配っていた女性はどちらにいかれました?」
私:「ええ、先週で別の場所に移りました」
男:「はぁ~、そうですかぁ……」(ため息をつきながら寂しそうな様子)
私:(ちょっと心配して)「何かあったのですか?」
男:「いや、実はいいケツをしていたもので、もう一度見たいなと思って来たのですが……」
私:「わはははははは! うんうん、いいケツしていましたね!」
男:「そうでしょう? あのケツはたまんねーぜ、アミーゴ!」
 うーん、やっぱりラテン♪
 これもすべての人間に当てはまるとはいいませんが、私が見るところ、「大半の男は、そんな感じ」と言えます。妻に聞いたところでは、同様の会話が女性の間でも交わされているそうです。つまり私の中のコスタリカ人というのは、
「明るく、楽しく、面白く、そしてとっても女(男)好き」。

 素晴らしい国です。私にピッタリ♪
 こういうのが好きな人は、ぜひコスタリカを訪問して下さい。きっと素敵な時間を過ごせることでしょう。
 ……と、コスタリカの魅力の一部を書いたところで、今回は終了です。次回からはコスタリカのインターネット事情や恋愛習慣、治安などを伝えたいと思います。それでは!

我が家の美人さんと、未来の色男(?)たちもご紹介

◎執筆者紹介◎
カセ・カズキ  1973年生まれのO型、牡羊座。初めてのコスタリカ訪問は1995年、某電気会社の海外出張でした。その時からこの国に魅入られ、その後何度も旅行した後、1997年に退職してコスタリカに住みついてしまいました。大学生や某機関の事務員などを経て、現在は寿司を売りながら農場を経営している変わり者。妻と超可愛い男の子2人の4人家族です。
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 ◎次回はタイ在住の方が登場します。お楽しみに!

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(2001/9/28)

[Reported by 加瀬和城]


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