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【連載】

ホームページ安全講座


第4回:自由と責任

 ホームページを持ったり、掲示板に自由に書込みをすることで、個人が大きなメディアに匹敵するだけの力を持つ場合もでてきました。そしてその「力」を得た分、その分だけの責任も個人で背負う必要がでてきたように思います。

 インターネット自体が成熟の途中にあるために、「言論の自由」や「表現の自由」と法律の問題など、まだまだ微妙な状態です。これらの問題は私には重過ぎるので、ここで深くは触れません。ただ、ひとつ気になっているのが「自由」を、自分が好き勝手なことをするためだけに利用している人がいることです。

 頭の中で考えたり、誰も聞こえないところでひとりごとをいう分には、たとえどんな反社会的なことであっても「自由」だと思います。でも、それらが誰かと関わりを持つようになれば、「相手の自由」とぶつかることで、色々な問題が発生しますから、自分の「自由」だけを主張するわけにはいかなくなるのではないでしょうか。

 自分の気に入らないことを悪口書くのは「自由」かもしれません。ただ、それを読んだ人も、それに文句を付ける「自由」があるわけですから、そのあたりは覚悟しておくべきだと思うのです。「文句をいうのは私の自由だから、そんなことをいうな!!」というのは相手の自由を封じ込めていることになるのではないかと思います。

 他にも、相手が持つ権利を侵害すればさまざまなトラブルになりますし、内容によっては相手の名誉を毀損するようなものになっているかもしれません。好きなものを好き、と書くのは問題が起こりにくいですが、「嫌い」などのように否定的なことを書く場合は、反論などもそれなりに覚悟しておいた方がいいと思います。また、単に「悪口」ととられるものではなく、ちゃんとした「批判」になるように文章も推敲しておいた方がいいのではないでしょうか。

 インターネットは、誰が見ているかわからないメディアです。「嫌い」と書いた相手本人や、その関係者が見ている可能性があります。話題になっている本人や家族、友達などの関係者に見られて困るようなものであれば、公の場に出さないことです。パスワードをかけて会員制にしたり、特定のURLを友達など少数の人にだけ公開するなど、なにか対策することをオススメします。

 また、自分の書いた文章だけではなく、掲示板を設置していれば所有者にも「管理責任」がかかってきます。たとえば、ある人のプライベートに関することが本人に無断で書かれてしまったとして、それを管理人が長期放置していたことによって迷惑がかかったとすれば、書込みをした人だけではなく、管理人にも責任が問われることとなります。

 今は誰でもホームページを簡単に設置できます。ただ問題なく運営していくのは、簡単なことではありません。掲示板でトラブルが起こるかもしれないし、些細な事で人を傷つけてしまったり、傷つけられたりするかもしれません。ホームページを持つ事で得られるものは大きいですが、失うものも少なくありません。
 人の目にさらされるというのは、それなりに覚悟の必要なことなのです。

(99年9月1日)

[Reported by 麻弥]


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第5回:引用とリンクのしかた(9月1日)

第6回:IPアドレスとリモートホストについて(9月22日)

第7回:掲示板の安全について(9月29日)

第8回:掲示板の運営方法(10月6日)

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