アンケート回答

回答者プロフィール

氏名 中島史也
年齢 41歳
性別
所属組織 (株)日立製作所公共システム事業部
肩書き 担当部長
具体的なお仕事の内容 自治体向けアプリケーションパッケージの開発。特に大量の文字を扱う戸籍システムの開発、販売を担当。

 

●質問1 あなたが新JIS文字コードで新しく入った文字を見て、ご自分の仕事で必要な文字はありましたか?

2.No

新JISに新しく入った文字がすぐ従来のJIS文字同様使用できない事の認識があった。さらに特定の文字が新JISに新しく入る事は、仕事上必要とする文字からなる文字群が新JISに含まれる事とは異なるので2.Noを選択した。

(“仕事上で必要となる文字”とは自治体で使用できる文字のことで、具体的には「戸籍で使用できる文字」と「本籍で使用される文字」を指します。これらの文字群から見るとJIS3,4の文字は「一部の文字」にすぎないということです)

●質問2 前項で1と答えた方にお聞きします。その文字の符合位置(“面区点”欄の数字)と、その用途をお答えください。いくつ挙げて下さっても結構です。

(略)

●質問3 この文字があれば、自分の仕事に新JIS文字コードをつかえたのに、という文字はありますか?

1.Yes

●質問4 前項で1と答えた方にお聞きします。その文字は、どんなものですか? 用途とともにお教えください。いくつ挙げて下さっても結構です。なお、文字を挙げる際には、それが使われている具体的な印刷資料かそのコピー、そしてその印刷物名、著者、発行者、発行年月日等の“身元”を第三者が確認できるデータを添えてくださるようお願いいたします。

(ア)一般的に戸籍事務で使用することが認められている文字その対象となる文字は膨大にあり、文献と合わせての提示は致しません。有名な「はしご高」はその一つです。

(イ)全国の地名で扱われる文字。例えば北海道小たる市の「たる」で、旧JISでは「3514」で登録されていたが、新JISでは未登録となった。

●質問5 前項で文字を挙げて下さった方にお聞きします。今回の新しいJIS文字コードでは、審議資料を公開して、それについての意見、漏れている文字を募集する『公開レビュー』を実施しました。あなたはこの公開レビューをご存知でしたか。

1.Yes

●質問6 以上ご回答いただいたことの他に、新しいJIS文字コードについて思ったこと、感じたこと、望むことなどがあればどうぞ。

日本語(漢字)によるコンピュータ処理を活用して、色々な合理化を推進する為には文字の統一が必要である。この視点にたって文字及びコンピュータにおける文字処理方式を見直す時期に来ていると考える。次をもとに本分野に貢献したい。

(ア)住民基本台帳ネットワーク

(イ)住民基本台帳法第9条、第19条

(ウ)法務省民二第7000号民事局通達第7戸籍の改製 2 戸籍を改製する場合の氏または名の記録に用いる文字の扱い

(ア)住民基本台帳ネットワークについてはできれば自治省のホームページからその定義などを確認してください。 平成11年8月に国会を通り、交付された改正住民基本台帳法に記述されるシステムを住民基本台帳ネットワークと言います。 いわゆる4情報(氏名、住所、生年月日、性別)を国で管理するコンピュータに集中して保存し、ICカードなどを利用して(1)転出、転入の事務の軽減、(2)どこでも住民票が取り出せる などを実現するものです。

住民票には氏名、住所などが記載されますので「文字」をネットワーク上どのように扱うのか課題となっています。

(イ)住民基本台帳法9条2項 簡単に言うと戸籍の内容に変更が合った場合、その内容を住民票に対して速やかに変更することを述べています。

氏名、本籍地は戸籍で決められる事項ですがこれらに変更があった場合これらを記載している住民票も変更せよということです。

文字に関して言いたいことは「氏名」「本籍」は戸籍が起源ということです。 住民基本台帳法19条は上記の逆で、住民票に記載される住所に変更があった場合、戸籍と対の附票も速やかに変更することを述べてます。

「住所」は住民票が起源ということです。

(ウ)この通達の説明が一番大変です。 非常に簡単に述べます。

現在「紙」で管理されている戸籍には「出生届出」で記載された「名前」を自治体職員が転記しています。よって「点」の位置、「はね」の有無などは届け出に記入した人、転記した職員などに依存し、いろいろな文字が作られていきます。 戸籍を電算化するとき「使用できる文字」について述べているのがこの通達です。 電算化するときには「正字」「俗字」を使用し「誤字」を使用してはいけないことが記述されています。

「紙」の戸籍で「誤字」を使用している人は「正字化」されます。この「正字化」を拒否することができて、この場合この人の戸籍は電算化されず、「紙」のままとなります。 電算化された戸籍システムを導入している自治体で戸籍を編成する場合は「誤字」は使用できません。

以上から戸籍(氏名)で使用できる文字をすべて規定し、日本の地名で使用される文字をすべて用意することで自治体で使用できる文字が特定できると考えています。 自治省、法務省、通産省などが一体となって電子文字の規格化に取り組むことが一つの案と思いますが、上記電子辞書の整備を当社は推進しており、戸籍システムの拡販を通じて事実上のスタンダードを目指しております。