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1998年2月9日


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ネット運用支援サービス新会社「ネットケア」
○PHS加入者数が4カ月連続減少
第四世代移動体通信システム「SAMBA」
余談4題:TVデータ放送サービス参入相次ぐ/インターコップ・トータル・ウィルスディフェンス/ネット広告の注目度/IEはナビゲータを抜いた!?


 

IIJのネット運用支援サービス新会社「ネットケア」
 日経新聞13面には、IIJが9日、伊藤忠商事住友商事などの大手商社や人材派遣のインテリジェンスらと共同で、インターネットで構築した企業通信網の運用支援サービスを行う新会社「ネットケア」の設立を発表したという記事が掲載された。企業のアウトソーシング需要を取り込み、既存の接続事業などと合わせたインターネット一貫サービス体制は業界初という。

 インターネットに関する技術力の高さを売りにしているIIJだけに、その技術をいかに企業ユーザー等にフィードバックできるかが、この会社の成功の鍵となろう。インターネット接続料金の低価格化が進む中、大手プロバイダーもソリューション・サービスを含めたデータ伝送全般の通信事業への脱却を図っているようだ。


○PHS加入者数が4カ月連続減少
 7日(土)の日刊工業新聞5面と9日の日経産業新聞9面には、PHSの1月の加入者数状況において、6万8千台の減小となったという記事が掲載された。PHSはこれで4カ月連続の減少で、過去最高の下げ幅となった。一方で携帯電話は約73万台の増加。好調に加入者数を伸ばしているようだ。PHSが過去最高の下げ幅を記録した原因としては、PHSの販促費を切り下げた事が影響したとしている。

 PHSが頭打ちになっているのに対して、携帯電話が3千万台を越える勢いなのは、PHSの料金の安さよりも、移動中でも利用できたり広範囲で通話できるといった携帯電話の利便性の高さをユーザーが感じているためだろう。PHS事業者も、データ通信速度が速いなどの携帯電話に勝る部分を、ユーザーにメリットが解るように打ち出していかないことには、このじり貧状態を抜けきれない思われる。


○第四世代移動体通信システム「SAMBA」
 日刊工業新聞9面と日経新聞19面には、三菱電機がポルトガル・テレコムなど欧州の企業・研究機関と協同で、第四世代の移動体通信システム「SAMBA」の中心技術であるベースバンド処理部を開発したという記事が掲載された。「SAMBA」はミリ波(40GHz帯)を使い34Mbps無線データ伝送を実現させる技術。この試作機を5月に開催されるプルトガル・リスボンでの万博「エキスポ98」にて公開するとしている。またSANBAにはダイムラーベンツやBBCなど欧州を中心とした18社が研究に参加しており、ATMセル伝送で高速移動中でも高品質な動画を伝送することを目指している。

 次々世代とも言うべき技術が、着々と21世紀に向けて開発されているようだ。今後もエキスポ98に向かって、欧州の企業・研究機関からのマルチメディア技術開発に関する発表が、相次いで出される事だろう。



余談その1:TVデータ放送サービス参入相次ぐ
 日経新聞15面には、TV電波の隙間を使ったデータ放送サービス参入が相次いでいるという記事が掲載された。すでにサービスを開始しているテレビ東京の「インターテキスト」やテレビ朝日の「ADAMS」、TBSの「ビットキャスト」に加えて、4月からフジテレビもサービスを開始し、98年度中にはNHKも実験サービスを行うとしている。
 フジはTBSと同じ「ビットキャスト」方式を採用してサービスするということで、それに伴ってこれまで手がけていた携帯端末向け電子新聞配信サービス「E-NEWS」を3月末で打ち切る。またNHKは、2000年後半開始予定のデジタル衛星放送のため、98年度にインターネット経由のTV番組連動情報配信実験などを行う。

 放送と通信が融合したサービスが増えてくる中で、TV局もデータ放送へとサービスを展開するのは当然至極といえるのだが、上記実験以降のデータ放送方式の統一化も、視聴者からすれば気になるところだ。

余談その2:インターコップ・トータル・ウィルスディフェンス
 日経産業新聞7面には、ネットワークアソシエイツ(旧マカフィー)が今夏から、ネットワークを介して自動的にウィルス対策ソフトを配信するサービス「インターコップ・トータル・ウィルスディフェンス」を始めるという記事が掲載された。同サービスは同社のワクチンソフト「マカフィー・トータル・ウィルス・ディフェンススィート」に適応したサービスで、同社サーバーから「プッシュ」技術を使ってワクチンを自動配信する仕組みとのことだ。月額サービス料はサーバーが3千円、1クライアント100円程度 。

 ウィルス対策も各PCにワクチンソフトをインストールする時代から、ネット時代に入って防御システムをトータルでサービスするよう変遷してきており、それは同社が3度の社名変更(マカフィージャパン→マカフィージェードマカフィーネットワークアソシエイツ)を繰り返し、ネット時代へと対応してきた経緯そのものとも言える。

余談その3:ネット広告の注目度
 日経新聞15面には、日経産業消費研究所が実施した調査で、自宅でインターネットにアクセスしている人の半数近くがネット上の広告に注目しているという記事が掲載された。調査は97年12月上旬に首都圏30km圏に住む成人男女1,500人を対象に実施(回答率66.5%)したもの。その中で「インターネット上の広告を積極的に見ている」が7.4%、「気が向いたときに意識して見ている」が40.7%と、合わせて半数近くが「意識して見ている」と答えた。しかし、残りの51.9%は「ほとんど意識して見ていない」となっている。

 このところネット広告の効果について、実態評価を求める声が高まってきているようだが、意識して見られている割合が5割近いという事は、TV-CFなどと比べて(視聴者の数は比較にはならないが)視聴効果としては高効率ではないだろうか。

余談その4:IEはナビゲータを抜いた!?
 日経産業新聞2面には、日本ガートナーグループがヤフージャパンなどの国内有力ウェブサイトにアクセスしたブラウザーの使用頻度調査について発表し、エクスプローラがネットスケープを上回っていることが明らかになったという記事が掲載された。昨年12月15日~21日までの間の大規模サイト(他にgooやZdNet Japanなど)のアクセスデータを集計し、その結果ブラウザーの使用件数のシェアは、MSのIEが53%、ネットスケープのナビゲーターが45%、その他2%となったようだ。

 MSのIEの無償バンドルが功を奏したのは間違いない。ネットスケープ社がナビゲーターを無償公開したことでどこまで挽回できるかが、今後の注目点だ。しかし、この流れを押し止めるには、無償公開時期がわずかに遅かった気もする。


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