1997年4月3日版
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●日本TIの56kbpsモデムチップセット販売
●マイクロソフトOEMサービス
○ブラウザーソフト「日立ソフト・ウェブボーイVer.3.0」
[MODEM][56kbps](レベルA)
●日本TIの56kbpsモデムチップセット販売
日経産業新聞10面には、日本テキサス・インスツルメンツがDSP「TMS320x2」を使った56kbpsアナログモデム用のチップセットを販売する記事が掲載されている。USロボティクス社の「x2」技術に準じた物のようだ。
今年の3月7日の米TIのリリースでは、Packard
Bell NECとUSロボティクス、米TIが「x2」技術で提携して、「TMS320x2」を使用したモデムを開発することもアナウンスされており、着々と「x2」技術普及の地固めが進んでいる。
56kbpsモデムでは、もう一方の「K56Plus」技術をモトローラとロックウェルが強力に推進しており、USロボティクスとは特許係争まで行っている(NEWS
Watch2/18記事参照)最中なのだが、押され気味の「x2」陣営に強力な助っ人が現れた感じもする。
今年2月には、「Open
56K Forum」が設立されており、ロックウェルやモトローラ、3Com(USロボティクスを買収した)など28社が参加して、共通規格を話し合う会議などを開催はしている(INTERNET
Watch2/28記事参照)が、TIという半導体の雄を得て、「X2」陣営が巻き返す(場合によってはForumを抜ける?)可能性も出てきており、今後の56kbpsモデム技術のデファクト争いが、ますます目が離せない状況となってきたようだ。(モデムユーザーにとっては、非常に困る状況になってはきているのだが...)
[ソフト][サービス](レベルA')
●マイクロソフトOEMサービス
日経産業新聞1面には、米マイクロソフトがPCメーカーなどにソフト技術情報を提供するサービスを開始する記事が掲載されている。OEMとはいっても、Original
Equipment Manufacture(自社製品を他社ブランドにて販売する事)ではないようで、サポートの最新情報のWeb掲示とEメールによる情報送信を行うようだ。
もう一方のWintel陣営からは、インテルが3月31日付で発表した次世代PC管理システム「LANDesk
Configuration Manager」技術に関して、OSやアプリケーションのインストレーション及び設定変更や更新を行なうためのソフトウェア「LANDesk
Service Agent」を発表しており、MSのサービスをもう一歩押し進めたものも出てくるようだ。
このようなエージェント・ソフトを使った自動サービスにしろ、MSの情報だけのサービスにしろ、こういったPCサポート・サービスは、時間や人手に制約されることの少ない、インターネットの有効的な使い方の一つなので、今後各方面で利用されるであろうシステムのケーススタディとなるものともいえる。
(余談ではあるが、「マイクロソフトOEM」と聞いて、それはIEやWindows95製品そのものがOEMではないかとツッコミたくなったのは、私だけだろうか...(^_^;)
[ブラウザー][NC](レベルB)
○日立ソフトウェアエンジニアリングのブラウザーソフト「日立ソフト・ウェブボーイVer.3.0」
日経産業新聞8面には、日立ソフトウェアエンジニアリングがNC用のブラウザーを開発した記事が掲載された。日本IBMの協力を得て、DOSブラウザー「IBM
WebBoy for DOS Version 3.0」(INTERNET
Watch3/18記事参照)をベースとしており、日立ソフトのNCであるJavaイントラネット端末「ED」にも使われるようだ。
日本IBMでは「IBM WebBoy for DOS Version 3.0」を、DOS製品を再利用できる「リサイクルウェア」と位置づけているが、そのソフトの容量の少なさと使い勝手(マウスを使わないなど)の単純性などから、逆に最新技術であるNCにも応用が効くようだ。別にJavaだけでNCのOSを作る必要はないが、DOS-OS上で動くNCと過去の遺物であるダム端末との区別がこれでますます分らなくなってきたようにも思われる。
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