1997年4月7日版

HEADLINE 3 articles

●JIH計画に「長距離電電」3社とも参入
●富士通のオール・イン・ワンOA機器「PrintPartner WSP-400」
●オムロンのJava対応4ヶ国語表示・入力ソフト

[JIH][通信会社]（レベルA）
●KDDのJIH計画に日本テレコムと日本高速通信が参画

　日刊工業新聞1面には、日本テレコム（JT、市外電話サービス「0088」で有名）とテレウェイ（日本高速通信、市外電話サービス「0070」で有名）が、KDDと電力系新電電（NCC）9社（東京通信ネットワーク：TTNetほか）と共同でサービス開始を予定しているJIH（Japan Information Highway）計画に参加する記事が掲載されている。
　2月7日のNEWS Watchで取り上げたように、KDDのリリースでは、第二電電株式会社（DDI、市外電話サービス「0077」で有名）へも20%の回線容量を売却する予定（20%をJIHに出資しているため）となっており、これで「長距離電電」と呼ばれる3社が全て、このJIH計画に乗ったことになる。
　この流れは全て、NTT法の改正を睨んだ、KDDが目論む国内通信網整備の方向性と、NTT分割を睨んだ、長距離電電各社の（生き残りをかけた）サービスアップへの思惑が結び付いており、通信の巨人（NTT）に対抗するための必要に迫られた選択といえる。このNTTを取り巻くKDD中心の連合体にとっては、インターネットを含めたデータ通信インフラの目玉としてこのJIHを捉えているであろうから、なるべく仲間を増やして、21世紀の日本国内外とのゲートウェイたらんとしているのが伝わってくる。
　1999年3月末のJIHサービス開始予定までに、各電電会社の統合・分割によっては、JIHもまた新たな展開を見せてくれそうで、今後もその動向が注目される。

[複合OA機器][紙/デジタル]（レベルA'）
●富士通のオール・イン・ワンOA機器「PrintPartner WSP-400」、ほか

　日経産業新聞1面には、富士通が一台でコピー機とプリンター、スキャナー、FAXの4機能を持ちインターネットで利用もできる複合機を商品化する記事が掲載された。WindowsNTサーバーと一緒に使うようだ。
　富士通の4月7日付のリリースにもあるように、本体価格は250万円とまだOA機器としては高い部類だが、これから4機能全ての機器を導入してWindowsNT機も含めたSOHOを始めようと考えているところや、事務所が狭くて新規機器導入用のスペースが取れないユーザーなどには、充分メリットがあるだろう。4月8日から11日に幕張メッセで開催される「COMDEX/Japan'97」の富士通ブースでも展示されるようだ。
　また、日経産業新聞9面に掲載された三菱電機のアンケート調査結果でも、たとえEメールが普及したとしてもFAXは必要となるだろうとする企業が7割近くあるということからも、「紙」に頼った電子ネットワーク企業展開が今後もしばらく続きそうなので、こういったインターネットOA複合機はまだまだ各社から出てくるような気配である。

[JAVA][国際化]（レベルA'）
●オムロンのJava対応4ヶ国語表示・入力ソフト

　日経新聞13面には、オムロンのJava対応のマルチ言語ソフト開発と、年内発売の記事が掲載された。日本語、英語、中国語、韓国語の4ヶ国語が使えるようだ。
　これは、Javaのクロスプラットフォーム性を上手く利用したアプリケーション・ソフトの好例と言えるだろう。今までは、OSを統一したり、翻訳ソフトの力を借りて表示したりと、なかなか海外とのメール送受信一つを取ってみても、文字化け等の対策に頭を悩ませるケースが多かったが、このソフト同士ならそういった苦労もする必要が無くなりそうだ。オムロンも、現在のようにJava、Javaと騒がれる前からサン・マイクロシステムズとJavaのライセンス等で協力体制にある日本企業の一つであり（1年以上前からのJava参入組として、新聞記事にも登場している）、その成果がじわじわと製品として出てきているのだろう。
　このような言語ソフトは、単にパソコンなどのクロス・プラットフォーム化を促進するばかりでなく、クロス・メディアからクロス・カルチャー（異文化融合）までも導く、大きなツールともなる可能性も秘めているので、より使えるものの開発を期待したい。