1997年4月24日版
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●日立と松下のDVD-RAMドライブ装置出荷
●松下電産のビデオCDインターネット用連動ソフト
○日本IBMのインターネット・コンサルティング情報ネットワーク
余談:2題
[DVD-RAM](レベルA')
●日立と松下のDVD-RAMドライブ装置出荷へ
日経産業新聞10面と日刊工業新聞13面には、日立がPC用のDVD-RAMドライブ装置のサンプル出荷を始めると発表した記事が掲載されている。
また、同じく日経産業新聞10面と日刊工業新聞13面には、松下電産もDVD-RAMドライブの開発に成功した記事が、そして日経新聞13面では、DVDの普及の条件に関する解説記事も掲載されている。
日立のリリースでは、「GEF-1000」シリーズをとして6月20日よりサンプル出荷を開始するようで、内蔵/外付(GF-1050/1055)のSCSIインターフェース対応版がまず10万/12万円で出すようだ。
松下のリリースでは、実用化は年内で、PDの記録・再生も出来る互換機となっている。双方とも、4月2日のNEWSWatchで報告したDVD-RAM規格に準拠しており、片面2.6GB(両面5.2GB)の記憶容量となっている。
また、4月11日のNEWSWatchでDVD-RAM規格の「ウォーブル・ランド・グルーブ方式」が、松下と東芝連合の方式とソニーとフィリップス連合の方式との折衷案的なものを日立が提案して決まったことも報告したが、当然その折衷案を出すにしても技術的な裏付けがなければ提案は出来ないことからも、日立がこの様に早くサンプル出荷にこぎつけたことにも充分頷ける。
私は、インターネットやPC、通信関連の規格決定などの記事に関して、ユーザー本位の汎用性のある規格作りをお願いすることが多いのだが、各社バラバラな状態で規格のすり合わせに時間を割くよりも、今回の日立のように、こうあるべき規格というものをいち早く提案して行けば、その分、先んずる事が出来るのも事実である。ユーザー重視で時間をかけるか、デファクト規格狙いで急いで見切発車するか、このあたりのバランスが一番難しいところだろう。
[ビデオCD][ソフト](レベルA')
●松下電産の、ビデオCDインターネット用連動ソフトを開発
日経産業新聞2面には、松下がビデオCDで動画などを再生しながら、インターネットのホームページを見ることもできる連動ソフト「スートアイ・フォー・ビデオCDインターネット」を開発した記事が掲載された。従来、ビデオCDをパソコン上で見るためのソフト「MediaView」に、インターネットとの連動性などを取る機能を組み込んだようで、ライセンス販売も行うようだ。
先週、NEWSWatch(4月18日)で、ビデオCDインターネットの標準規格を、松下、ソニー、日本ビクター、フィリップス、日立の5社が策定したニュースを取り上げたばかりだが、松下が一歩リードして行く形となったようだ。前回も話したのだが、こういった個々に膨大なデータを渡しておいて、ネットではその更新や関連情報などの軽いデータを送るサービスは、日本などの現状のインフラにはマッチしていると考えられる。つまり、TVなどの画質をPC上でも求める考え方から生まれてきていると思われる。
今後も放送型プッシュ技術はアメリカのソフト技術が大きくリードしていく事が考えられるが、このビデオCDインターネットの様な家電的な(現状技術を生かす)視点からの、インタラクティブ放送技術などで、日本のメーカーも対抗して行く道もあるのだろう。
[サービス][コンサルティング](レベルB)
○日本IBMは、世界各国の現地法人を結んだ経営コンサルティング情報ネットワーク開始
日経産業新聞8面には、日本IBMが、「アセット・ウェブ」という世界各国の現地法人を結んだ経営コンサルティング支援用の情報ネットワークを開始する記事が掲載された。
既に日本IBMでは、「IBMグロ-バル・サービス」の一環として、コンピュータやデータベースに関する国内外でのコンサルティング・サービスを行っているようだが、今回はインターネット経由の情報システムやデータベース活用に関する事業のようだ。米IBMのノウハウをそのまま導入してくるわけだが、データ・マイニング(掘り下げ)技術と全世界的なネットワークを持つIBMならではのサービスといえ、日本企業においてワールド・コンサルティング・サービスのノウハウがある会社はほとんど無い現状では、この分野ではIBMの独壇場になる可能性が高い。
今後、ますます先行き不透明ながらも迅速な経営判断が迫られれてくる社会において、リスク回避と経営効率を上げるためには、日本企業もこういったネットサービスを有効活用すべきなのだろう。(かなりお高いだろうが...)
余談:その1
今日の日経新聞13面&日経産業新聞9面、及び日刊工業新聞10面には、マルチメディア総研調べの96年度国内パソコン出荷概況で、出荷台数が前年比約3割増しとなった報告が掲載された。
伸び率自体は年々鈍化しているらしいが、総数(マス)が増えているから、致しかたないところではないだろうか。
余談:その2
日経産業新聞2面に、情報通信事業関連のベンチャー:ティー・ヴィー・エス(TVS)が、インターネット国内長距離電話サービスを始める記事が掲載されている。このところ新聞紙上でインターネット電話ソフトの新発売やインターネット電話サービスをプロバイダーが始めるなどの話題の数が増えてきたが、今回のように一部フレームリレー網(日本テレコム)を使用するにいたっては、ますます一般電話との差がなくなりつつあるのを感じてしまう。
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