ウォッチャー金丸のNEWS Watch
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1997年5月9日版


HEADLINE 3 articles

ジャンクメール(スパム)配信業者「サイバー・プロモーションズ」に関する2つの話題
全世界で使われているソフトの約半分が違法コピー!?
日本オラクルのグループウェア「インターオフィス」出荷、他
余談2題:サイバーキャッシュ(東京)/CEOサミットby Mr.Gates


[ジャンクメール][判決](レベルA')
●ロサンゼルス地裁はスパム大手の
サイバー・プロモーションズに対して、ジャンクメール送付を禁じる判決を下した、他(internetWatch記事参照)


 日経新聞9面には、商品やサービスの広告などを目的とした「ジャンク電子メール」(スパムとも言う)送信業者に対し、米各地の裁判所が送信禁止命令を下している記事が掲載された。ロサンゼルス地裁が6日、スパム大手のサイバー・プロモーションズに対して、プロバイダーのアースリンク・ネットワークの訴えを認め、サイバー・プロモーションズにアースリンクのコンピューターおよび利用者にメールを送ることを禁じる判決を下したようだ。(アースリンクのリリース参照)
 また、同じくサイバー・プロモ社は6日、コンピュサーブとの和解に応じて、コンピュサーブ側の6万5千ドルの訴訟費用も支払うことになったようだ。(コンピュサーブのリリース参照)
 これまでも、サイバー・プロモ社はジャンクメールの送付について、AOLともめたりと、各プロバイダーから嫌われている経緯があり、今回の判決で経営方針が変わるかどうか注目される。
 サイバー・プロモ社側もネチズンの57%はジャンク・メールを嫌ってはいないという調査結果を提示して反論はしているが、その数字をよく見ると、ジャンク・メールを嫌っている方は43%有り、邪魔だと思っている割合も入れると68%となるので、これではジャンクメール送信の正当性は証明できないだろう。
 日本ではこれほど大量にジャンクメールを送り付ける業者はまだいないが、アメリカではジャンクメール業者もある程度の収益を上げていることを考えると、これからは充分にルールを検討することと供に、いつジャンクメールが来ても驚かずに対処できるような各人の心づもりが必要だろう。



[ソフト][違法コピー](レベルA')
●全世界で使われているソフトの約半分が違法コピー


 日刊工業新聞6面には、コンピューターソフトの権利保護団体のビジネス・ソフトウェア・アライアンス(BSA)ソフトウェア・パブリッシャーズ・アソシエーション(SPA)の調査結果で、全世界で使われているソフトの約43%が違法コピーである記事が掲載された。これによる著作権侵害を金額にすると1兆4千億円にも上るらしい。
 5月7日付けのBSAのリリースSPAのリリースでは、最も違法コピーの率が高い国としては、ベトナム(99%)、中国(96%)、オマーン(95%)、ロシア(91%)などとなっており、逆に低い国は、アメリカ(27%)、オーストラリア(32%)、イギリス(34%)、デンマーク(35%)、ニュージーランド(35%)、ドイツ(36%)となっている。日本は41%で、前年より14%も低くなっている。地域別に見ても、東欧地域が金額的には約8億ドルと低いが80%と最高率となっており、被害額が多いのはアジア/太平洋地域が37億ドル(そのうち12億ドルが日本なので、全世界の被害額の内、約11%!)と全世界の33%を占め、次いで25億ドルの西欧地域、24億ドルの北米地域となっている。
 1994年から1996年の3年間の推移表からも、日本の違法コピー率が66%→55%→41%と年々低くなっており、また世界的にも49%→46%→43%と減少傾向にあることも分る。
 年々、違法コピー率が減少傾向にあるにも関わらず、被害総額がそれ程変らないのは、ソフト単価が下がる傾向にあってもそれ以上にソフト市場が拡大していることを示している。日本も世界の違法コピー率より下回って先進国の仲間入りがギリギリ出来そうではあるが、被害総額の多さもアジアのトップであるので、堂々と胸を張れる状態ではないだろう。(この調査のやり方も気になるところだが、もし抜打ち検査で会社訪問などをして行われているとしたら、背中が寒くなる方もいるのでは...(^_^;)



[ソフト][グループウェア][NC](レベルA')
日本オラクルのグループウェア「インターオフィス」出荷、他


 日経産業新聞7面には、日本オラクルが、グループウェア「インターオフィス」の国内出荷を始める記事が掲載されている。リレーショナル・データベース(RDB)のデファクト(!?)であるOracle7と統合し、ネットワーク上で膨大なDBに迅速にデータ処理が出来、スケジュールや日程管理、Eメールなどの機能が付いているようだ。
 「Oracle InterOfficeV.4.0.5」は、既に4月30日にリリースされており、サーバー側がSunSolaris2.4/2.5/2.5.1のOS上で動作し、クライアント側はWindows95上で動作するので、WindowsNT上で動作するMSのバックオフィスとは一線を画しながらも、DBとしての高性能を売りにして、混戦となりつつあるグループウェア市場へ参入してきたと言える。
 日本オラクルは、5月9日付けで「Oracle Web DeveloperSuite」も出荷を開始しており、こちらは開発者向けソフトではあるが、WindowsNT上で動作するトランザクション管理が可能なWebアプリケーション開発と、最小限の変更で既存のクライアント・サーバーのアプリケーションをWeb拡張でき、ネットワーク・コンピューティング・アーキテクチャー(NCA)対応のアプリケーション開発を実現出来るパッケージである。「Oracle Web Developer Suite R1.1 forWindowsNT」の仕様では、サーバー側:WindowsNT、クライアント側:WindowsNT/95(ソフト価格:80万円、保守契約:50万円)となっており、WindowsNT上でのNCサーバー用アプリを実現するための第一歩を踏み出した形となっている。
 MSと激しいシェア争いが起こっているグループウェア市場への参入、そしてMSと論戦の耐えないNCのWindowsNT対応と、今後もオラクルのマイクロソフトに対する挑戦(挑発?)的なソフト戦略は続いていきそうで、大いにその成り行きが注目される。



余談その1:
 日経新聞13面には、米サイバーキャッシュソフトバンクが共同出資して日本法人サイバーキャッシュ(東京)を設立したという記事が掲載さた。機器メーカーやクレジット会社、銀行などの参加を求め、来年中にインターネット上での決済サービスを始めるようだ。
 5月2日のinternetWatch記事では、蘭デジキャッシュ社ecash方式を使った実験が6月から始まると報じられたが、この2大方式が互換性が無いだけに、混乱だけは招かないようにしてもらいたいのだが...
 
余談その2:
 日経新聞9面には、MSのビル・ゲイツ会長兼CEO(本名:William Henry GatesIII)が5月8、9両日、シアトルの(広大な)自宅に世界の企業トップ百人以上を招いて「CEOサミット」を主催する記事が掲載された。ゴア副大統領も出席するようだ。
 彼は、一体21世紀を、地球を、そして彼自身をどうしたいのであろうか..



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