ウォッチャー金丸のNEWS Watch
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1997年6月27日版


HEADLINE 3 articles

米TIのDSP内蔵デジタルTVシステム提案
世界携帯電話関連大手4社の無線データプロトコル統一化合意
デジタル方式の録画装置を使った著作権保護策合意
余談3題:コンビニオンライン通販/ガイサーファー/サミット文案漏れ後日談


[DTV][プロセッサ内蔵](レベルA')
米テキサス・インスツルメンツは、デジタル・シグナル・プロセッサーを内蔵したデジタルTVのシステム概要を日本のTVメーカーなどに提案


 日経産業新聞9面には、米テキサス・インスツルメンツ(TI)が、デジタル信号処理装置(DSP、デジタル・シグナル・プロセッサー)を心臓部に内蔵したデジタルTVのシステム概要をまとめ、日本のTVメーカー各社に提案したという記事が掲載されている。日本のTVメーカーには、松下電器ソニーなどが含まれていると考えられ、インテル等のMPUよりもDSPを使用した方がデジタルTVに向いていると提案しているようだ。
 また、同紙8面には、同社のマイケル・ヘームズ副社長へのインタビュー記事が掲載されており、MPUは家電機器には高価すぎると話している。
 しかし、これに対抗するかのごとく、同紙9面には来日中の米インテルのクレイグ・バレット新社長(写真左)へのインタビュー記事も掲載されており、マルチメディア企業への投資を含めた次の戦略が語られている。
 昨日のPCWatch-Webにおいて報告されたWindows WorldExpoでの基調講演でも、彼は「TVとPCの二つの分野は融合して、大きな新しい市場となるだろう。Intelはその市場の重要なメンバーとして活動していく。」と発言しており、MPUを中心としてデジタルTV市場もリードして行こうとしているインテルの姿勢が伝わってくる。
 半導体大手メーカーが、各々の得意な技術分野にデジタルTVを実際に製造する家電メーカーを引き込んで、98年の秋には本放送が始まるアメリカのデジタルTV市場における主導権を握るために、WintelやTI共々、規格などを提案しあっているわけだが、まだまだ十数種類もあるデジタルTV放送規格がどの様に動いて行くかも分らない現状では、家電メーカーにしても、どの提案に乗ったらいいか決めかねているのではないだろうか。(4月4日付け及び、4月9日のNEWSWatch参照)家電分野では、まだまだ米国企業から数々の誘いを受ける日本メーカーが多い今だからこそ、慎重かつ大胆な動向の見極めが必要となって来るだろう。


 




[インテリジェント携帯電話][無線データ伝送新規格](レベルA')
ノキアエリクソンモトローラアンワイヤド・プラネットは、携帯電話などの無線データ伝送規格統一化で合意


 日経新聞9面には、携帯電話メーカーであるフィンランドのノキア、スウェーデンのエリクソン、米モトローラと、米ソフト会社のアンワイヤド・プラネット(UnwiredPlanet)が、携帯電話網を通じてインターネットに接続したり、電子メールを送受信するための無線データ伝送の規格を統一化することで合意したという記事が掲載されている。4社は開発した統一規格を9月15日にホームページ上で無料公開するらしい。
 ノキアのリリースエリクソンのリリースアンワイヤド・プラネットのリリースと、各6月26日のプレスリリース(モトローラはまだの模様)には、この共通規格が、今年の春のドイツ・ミュンヒェンでのMDI (MobileData Initiative)にて提案されたものがベースとなっていることが記載されている。今まで移動体用の無線伝送プロトコルの開発は、アンワイヤド・プラネットがHDML(Handheld Device Mark-up Language)とHDTP(Handheld Device TransportProtocol)を、ノキアがスマート・メッセージ仕様(Smart Messaging specification)を、エリクソンがITTP(Intelligent Terminal Transfer Protocol)をと、各社ばらばらであったわけだが、それら規格の良いところ(バランスを取ったところ)を取り入れたプロトコルになるようだ。  プロトコルを開発していた3社に、モトローラが乗った形とはなったようだが、世界の携帯電話の製造大手の3社が手を組むことで、一気に移動体インターネット接続の規格が決まりそうな情勢となって来た感じでもある。





[デジタル・コンテンツ][著作権](レベルB)
○デジタル方式の録画装置を使った著作権保護策合


 日経新聞1面トップには、松下電器ソニーなど大手電機9社とNHKや日本映像ソフト協会などソフト著作権関係15団体が、デジタル方式の録画装置を使った私的録画を対象にした著作権保護策で合意したという記事が掲載されている。課金制度を、機器に補償金を上乗せすることに決め、デジタルVTRやDVD機器などでも適用する方針のようだ。他にも、同紙13面に、デジタル録画著作権はデジタル録音の場合に比べて、大手メーカー側がソフト側に歩み寄ったという解説が載っていたり、同じく2面のきょうのことば欄には、「デジタル録画装置」の用語解説まで掲載される大きなニュースとなっている。
 映画やテレビ、ビデオなど、現在のエンターティンメント市場では花形分野に関わることなので、現状のソフト・コンテンツの流通上での著作権料の扱いに関する規定のことが中心なのだが、デジタル・コンテンツならではのネットワーク流通機器についての言及がないのは、いかがなものかと思われる。
 現状のアナログ・コンテンツをそのままデジタルに移し替えるだけで、相当な市場が生まれるのは自明の利で、現在の流通上での課金制度に神経が集中してしまうのも致し方無いことではあるが、デジタル・コンテンツを流通させる情報機器(PCやネット端末を含めて)などへの影響等を考えなければ、また家電だけが先行して情報分野が立ち後れていると言われかねないだろう。




 
余談その1:
   日経産業新聞1面トップには、日本ビクターがローソンとヤマト運輸と組んで、パソ通と宅配、コンビニを一つのネットワークにつなぐ新しい通信販売事業を始めるという記事が掲載された。会員制パソ通で注文した商品を24時間営業の最寄りのコンビニで受け取れるオンライン通販では初の試みで、商品の受け渡しは発注から原則として4日以内となるらしい。
 コンビニとネットを結び付けるサービスは、過去にも色々試されてきたが、単身者が多い都会程、重宝がられるサービスになりそうだ。ゲームソフトの流通も含めて、ヴァーチャルとリアルの境目にあるサービス拠点に、コンビニがなりつつあるのだろう。
 
余談その2:
 日刊工業新聞11面には、ニシデンが、家庭用TVに接続するだけでインターネットに簡単にアクセスできるインターネット専用端末「ガイサーファー」を開発し、8月下旬に発売するという記事が掲載された。同紙1面には、写真もカラーで掲載されている。
 既に英語版を発売しており、米国で月10万台の受注を得ているらしいが、日本ではバンダイのピピンや日本電算機のiBOXがこの市場で苦戦しており、どこまで頑張れるかにも注目が集まるだろうか。

余談その3:
 今週最後に軽い話題で、日経新聞9面には以前NEWSWatchでも触れた、デンバー・サミットの共同宣言の文案が事前にインターネット上に漏れた事件の顛末記が載せらている。
 どうもカナダ・トロント大のチームは、電子メールを覗き見したのではなく、約40人がかりで宣言案を参加国代表団から入手していたという人海戦術を取っていたようだ。日本側からの宣言案入手もあったらしく、インターネットで流したことにも「米国とカナダ政府筋から怒られた」らしいが、怒られた程度ならご愛敬といったところか...(^_^)




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