ウォッチャー金丸のNEWS Watch
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1997年8月1日


HEADLINE 2 articles

家庭向けCS衛星データ通信/放送事業2題
BIGLOBEとInfoWebのサービスそれぞれ
余談3題:Webphone/今日のネーミング/夏期休刊連絡


[衛星データ通信/放送](レベルA'96年11月27日のINTERNET Watch記事も参照のこと
ダイレクトインターネットのCS衛星インターネット高速伝送サービス開始/ハミングバードネットワークのCS衛星データ放送事業


 日刊工業新聞9面には、ダイレクトインターネットが8月から、通信衛星(CS)を使ったインターネット高速伝送サービスを始めるという記事が掲載されている。米PanAmSat社の通信衛星「PAS-2」を使って、サンフランシスコにあるアップリンクセンターから衛星に向ってデータを衛星に送信し、衛星から各家庭/企業などにデータが配信されるシステムで、日本を含むアジアやオセアニア全域がサービス対象になるらしい。
 ダイレクトインターネットのリリースにも、DirecPCサービス(米Hughes Network Systems社がライセンス)を提供すると掲載されている。サービスメニューも3種類で、ターボ・インターネット(TI)・サービスは、下り情報が最速400Kbpsで通信衛星を経由して直接PCに配信し、上りはモデムなどを使って電話回線を利用するインターネット接続サービスで、主に企業からSOHO、各家庭などを対象としている。パッケージ・デリバリー(PD)・サービスは、データの一斉同報が可能な標準3Mbps伝送の超高速パケットサービスで、データを指定時刻や指定宛先に一括配信出来る。従って、海外や遠距離に支店や工場を持っているような企業などが対象である。もうひとつのマルチメディア・パイプライン(MP)・サービスは、3~6Mbpsでリアルタイム再生が可能な超高速データ・ストリーム伝送で、例えば企業内TVとして、ビジネスニュースや気象情報、株価情報などをPC上でリアルタイムに見ることができるなど、これも企業ユースを対象としている。
 これらのサービスが、 DirecPC Access Kit(DAK)という、アンテナ(60cm×80cm)と PCアダプターカード、ソフト(TI、PD、MP用)など一式で、147,500円の機器を用意すれば受けられる。料金もTIサービスでは、基本受信料金(月額)が、1クライアントの場合、5,500円で月64MBまで受信でき、それを越えると1MBにつき100円づつ加算されていく。
 これまで、日本でのDirecPCサービスは企業向けがほとんどであった為に、料金が専用線接続並に高かったのだが、今回は個人でも充分手が届く通信価格になっている。

 これとは別に日刊工業新聞9面には、エフエム東京系のCS衛星デジタルデータ放送サービス会社のハミングバードネットワークが今秋から、家庭のPCユーザーを対象にしたデータ放送事業に乗り出すという記事が掲載されている。CS衛星ラジオのミュージックバードの音声信号の隙間にデータを乗せて、高速・一斉同報配信が可能となるサービスとなるようだ。既に業者(プリクラなど)向けに12万円で販売されている、CSアンテナと専用ボードからなるアクセスキットを個人用にも使うということだが、将来的にはハードを半額以下、利用料金も月数千円程度にするらしい。
 このサービスは、インターネットに限らず、オンデマンドなコンテンツ配信を可能とするもので、ゲームや音楽などのエンターテインメント情報や、FM東京グループと連動した番組関連情報も配信されるということから、より広いユーザーを確保できる可能性がある。

 両システムとも、通信料金的にも個人ユーザーを意識してデータ配信しようとしており、通信インフラとしての衛星がより身近になってくると言えよう。



[プロバイダー][サービス](レベルB
BIGLOBEInfoWebのサービスそれぞれ


 日経産業新聞3面及び日刊工業新聞9面には、NECが8月1日から、BIGLOBE上でイベントや展示会などのライブ映像や音声などを配信する「インターネットイベント放送サービス」を始めるという記事が掲載されている。展示会や販促ビデオ、入社式などの模様を流したい企業からの受注を狙うそうで、利用料金は約80万円(平日の3時間、東京周辺でのイベントのライブ中継)かららしい。
 7月31日のNECのリリースでも、放送方式はNEC開発のNVATを始め、RealVideo、RealAudio、VDOLive、StreamWorksと、メジャーなところは押えてあり、ユーザーの希望にはほぼ応えられそうだ。企業向けビデオ撮影班とサーバー構築班に、インフラ提供まで含めた総合放送制作という大がかりなサービスにも関わらず、80万円とお安く出来るのはインターネットならではと言えよう。
 一方、日経産業新聞2面には、富士通が8月1日から、InfoWebにて56kbpsの電話回線データ伝送接続をサポートするという記事が掲載されている。7月30日のリリースでも、まず東京、横浜、川崎、大阪の4か所を対応させ、今年12月末までに全国150か所以上に順次展開していく予定としている。
 7月28日30日のNEWS WatchにおいてBIGLOBEInfoWebを取り上げた時には、海外ローミングサービスという同じ土俵でもろにぶつかったのだが、今回はコンテンツとインフラという異なる部分でのサービス差別化で、凌ぎを削っているようだ。この様なビッグ・プロバイダー同士のサービス競争は当分続き、体力勝負になって行くのではと危惧される。




余談その1:
 日経産業新聞1面には、仏通信機器最大手のアルカテル・アルストム社が、簡易型インターネット端末「ウェブホン」を開発するという記事が掲載された。現在の仏ミニテル端末の後継機と位置付けており、インターネット接続や電子メールなど多様なサービスが受けられるということで、来年春には全世界で一斉に発売する計画らしい。
 Java対応機でもあるということで、フランス版NCと目されるが、ミニテルでのサービスも継承せざるを得ないため、どこまでオープン性が保てるか、注目だろう。

余談その2:
 日刊工業新聞10面及び日経産業新聞7面には、アステル東京などのアステルグループ5社が8月1日から、通信距離や時間帯に関係なく、13円/分で32kbpsPIAFSデータ通信できるサービス「つなげ太郎」を開始するという記事が掲載された。テレウェイが提供する「データ・オン・デマンド・サービス」に接続されているプロバイダーのAPに接続するもので、今秋には日本テレコム接続のプロバイダーでも同様のサービスを提供するらしい。
 また日刊工業新聞31面には、三重インターネット協議会が8月1日から、三重県内のホームページを検索できるサーチエンジン「三重(みえ)~る」を開設したという記事も掲載されている。県内のホームページを分野別、地域別、キーワード別で分類してあり、掲載公告費で運営するとしているようだ。
 週末の疲れを倍増させてくれるようなネーミングに、私はもう、真面目にNEWS Watchをするのを止めたくなり...

夏期休刊連絡
 
来週1週間は、ちょっと早めの夏休みをいただきますので、NEWS Watchを休刊と致します。(上記が休刊の利用ではありませんが...(^_^;)どうか、ご了承願います。m(__)m



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