ウォッチャー金丸のNEWS Watch
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1997年9月30日


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ローミングサービスの拡大
双方向TVデータ放送システム開始
余談3題:セキュアード・サービス広がる/やはり漫画/ECの足廻り



[ローミングサービス](レベルA'
ローミングサービスの拡大


 日経新聞11面には、NECが米国3位の長距離通信会社のスプリントと提携し、10月からBIGLOBE上で日米間でのインターネット・ローミング・サービスを始めるという記事が掲載されている。
 また同面の解説では、今回の提携は海外の通信事業者と相互に接続拠点を活用するタイプのもので、同様なサービスとしてはNTTデータ通信米MCIコミュニケーションズ英ブリティッシュテレコム(BT)と組んだ、サービス料金が20円/分となるローミング・サービス(4月11日のNEWS Watch参照)を挙げている。またもう一つのローミング方式として、各国のプロバイダーを束ねる仲介業者を経由する方法を挙げ、米アイパス社やエイムクエスト社などが中心にサービスを行っているものがあるとしている。(5月15日のNEWS Watch参照)

 BIGLOBEのサービスリリースでは、ローミングサービス(タイプA)の対象国を拡大するとして、10月1日よりBIGLOBEローミングサービス・タイプA(ローミングサービス用ID発行方式)においてSprint社のAP(約200ヶ所)からのインターネット接続が可能となり、これで6ヶ国7地域(米国、中国、香港、韓国、台湾、シンガポール、タイ)になるとしている。また現在フランステレコムとの提携を検討中で、早ければ秋頃には欧州でのサービス提供も予定しているらしい。BIGLOBEでのローミング・サービスは、上記解説にあるプロバイダー経由のサービス(タイプB)も8月1日から開始しており(7月30日のNEWS Watch参照)、海外146カ国・地域でインターネットの利用を可能で、こちらは60円/分の料金となっている。

 また上記サービスに対抗するように富士通も9月30日付けで、エイムクエスト社と提携してInfoWeb上で20円/分のローミングサービス(全世界約 40 ケ国 154 社)を10月1日から始めると発表しており、早くもサービス競争の様相を呈し始めているようだ。

 他にも日経産業新聞3面と日刊工業新聞11面には、AT&T Jensが、加入者向けのローミング・サービスの対象地域をこれまでの米国のみから150カ国・地域の約700都市に広げたという記事も掲載されており、9月29日のリリースでも利用料は年内は無料で、98年からは滞在先を問わず1分20円となるとしている。

 今後の展開としてローミング・サービスも、10円~20円/分という低価格利用料金での競争となり、プロバイダーの体力勝負といった感じが出てきている。しかし、独自のインターネット・インフラを持つ通信業者などと提携していくことにより、次世代の通信と放送網を開拓していくという意味からも、現時点では各プロバイダーともこのサバイバル・ゲームから降りそうな気配は無さそうだ。



[DATA-TV放送][GAME][JAVA](レベルA'今日のINTERNET Watch Web記事も参照
双方向TVデータ放送システム


 日経産業新聞3面には、TBSとインターネットコンサルティングのバーチャルコミュニケーションズは共同で、視聴者参加型の新しいゲームシステムを開発したという記事が掲載されている。10月から本放送となる、TV電波のすき間を使ってPCにデータを送るサービス「データパレード(ビットキャスト放送方式)」(8月12日のNEWS Watch参照)と、インターネット技術を組み合わせたのが特徴で、当面1万人に同時配信が可能となるようだ。 また、ゲームシステムはバーチャル社がJavaを使って開発しており、例えばビンゴゲームなどではインターネットを経由して自動的にサーバーにアクセスして結果が登録され、リアルタイムに順位が表示されるシステムとなっている。その他スクラッチ・ゲームなど20種類以上のゲームを10月以降、数種類づつ定期的に実施していくらしい。

 データ放送も、放送局から受信者へデータを送り付けるという一方向性を変えていく為には、ゲームなどの参加型エンターティンメントを応用するのが適しており、その返信経路としてインターネットが使われるのは、PCへの放送という意味ではごく自然な成り行きと言える。ただ、WebTVテレビ朝日のデータ放送「ADAMS」などのTV放送とインターネットを組み合わせたサービスも多数出てきており、インタラクティブTVメディア全体の方式統一にはまだまだ試行錯誤が必要だろう。




余談その1:セキュアード・サービス広がる昨日のNEWS Watch参照
 日経産業新聞11面と日刊工業新聞11面には、昨日の日本テレコムと日本IBMに引き続きNTTと米IBMも、ネットワーク上の安全性を確保した企業向けデータ通信サービスセキュアードIPサービス」を来春から開始すると発表したという記事が掲載された。
 また日経産業新聞1面には、英通信業者のケーブル&ワイヤレスが、日米欧や香港など世界約20ヶ所で仮想通信網(VPN)サービス「グローバル・インテリジェント・バーチャル・ネットワーク(GIVN)」を開始するという記事も掲載されている。
 日本でも世界でも、このところの通信業者によるインターネット・サービス展開を見ていると、一般ユーザー向けについては今日のNEWS Watchの第一項目のように、安い通話料金でグローバルな接続サービスを広げる方向を目指し、一方で企業向けなどについては上記2件の様に、クローズドでセキュリティを上げたネット・サービスを展開していくとする、インターネット利用の2極化が進んでいるようだ。

余談その2:やはり漫画
 日経新聞17面&日経産業新聞3面及び、日刊工業新聞7面には、ソフトバンクが11月7日から、オンライン雑誌「ZDネットジャパン」で漫画の連載を始めるという記事が掲載された。。週に一度更新し、10カ月程度で単行本1冊の分量を掲載し、日本コロムビアが提供する音楽も聞けるようだ。利用者は無料で一度に5~7作品を見ることができるらしい。
 過去に寺沢武一氏の漫画を掲載した反響が大きかったことがきっかけになってコンテンツ充実を図る方針と思われるが、今日のNEWS Watchの第2項目のゲームコンテンツ共々、アクセス数を確保しやすいコンタンツ展開とも言える。

余談その3:ECの足廻り
 日経産業新聞9面には、企業向け情報ネットの設計・構築サービスのエクサが、東京23区内の消費者を対象にインターネット注文をバイク便で商品を即日配送する通信販売システムを開発したという記事が掲載された。第一弾として格安チケット販売の高速商会とシステム導入契約を結び、商品はオートバイ宅配のダット・ジャパンが商品販売会社である荷主を巡回して定時に回収し、消費者に届けるシステムとなっているらしい。
 バイク宅急便の機動性も動員した足廻り強化も必要とするくらい、ネットを使ったECには即応性が必要ということだろうか。

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