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1997年10月28日


HEADLINE 4 articles

インターネットの実効性調査
遠隔医療支援
電子商取引ガイドラインの作成
B to B to Cサービス
余談3題:高速構内モデム/格安反射防止フィルム/ネットで小遣い稼ぎ


[リサーチ][広告](レベルA'
●インターネットの実効性調査


 日経産業新聞2面には、ネット視聴率調査について数件の事例が掲載されている。
 まず米情報ベンチャーのメディア・メトリックス(Media Metrix)社が全米1万世帯(2万8千人)のPCに独自の集計ソフト「PCメーター」を設置して、登録したPC利用者の年齢や性別などを把握し、利用者がどのサイトにどれくらいの時間と頻度でアクセスしたかが分るサービスが紹介されている。またTVの視聴率調査では老舗の米ニールセン・リサーチ(Nielsen Media Research)社も米ベンチャーのインターネット・プロファイルズ(I/PRO)社と共同でネット利用調査ソフトを開発し、そのソフトをWebサーバーに設置することにより、アクセス動向を把握できるサービスを展開中であるともしている。
 加えて日本でも、そのI/PRO社と日本のビデオ・リサーチ社が提携してネット広告の効果測定サービス事業に乗り出しており、ネット視聴率調査サービスの広がりが見られるとしている。

 また日経産業新聞3面には、インターネット利用のリサーチについての数件の事例が掲載されている。
 まずNTTグループ10社が7月に設立したインターネット・リサーチ会社「NTTナビスペース」が、10万人のユーザー会員獲得を目指して、会員へのアンケート等によるリサーチ事業と企業などがネット掲載する広告を連動させるサービス展開が紹介されている。
 これに対して、松下電産今月15日からはじめた「ワンダー・マーケッティング」やネットリサーチとしては国内第1号の富士通の「iMiネット」なども、リサーチの集計スピードやパイ(調査数)を引き上げたりするなどして対抗策を講ずるともしている。

 視聴率調査やリサーチ事業など、インターネットに関する実効性を計るようなサービスが拡大してきているのは、昨年までの日本のインターネットの拡大(ある種のバブル)が落ち着いて、企業ユーザーなども投資に対する効果などの確実な数字を欲するような時期(安定期)にさしかかってきた為だと言えるだろう。




○遠隔医療支援にインターネット
 日経新聞17面には、医療・生活関連情報を提供する任意団体のCOSMOSネット(横浜市)が写真のデジタル化サービスを手掛けるフォトネットジャパンと共同で、インターネットのホームページを介して画像情報をやり取りするシステム(IMECOS)を開発したという記事が掲載された。アトピー性皮膚炎など患者が、症状の写真をデジカメなどで撮ってコメントを付けてPCからホームページ(パスワード有り)に登録し、医師がアドバイスを送り返す医療支援事業の試験運営を11月から始め、98年(2月予定)から有料化する計画としている。

 また日経産業新聞2面には、岐阜県が現行の「岐阜県救急医療情報システム」をインターネットサービス「県民情報システム」へ接続し、(岐阜県のリリースでは22日より)24時間の救急医療所の情報提供を始めるという記事も掲載されている。県内の受診可能な医療機関を、受診の内容や医療場所によって検索できるとしている。

 病院などのホームページも増え続けている現状では、この様な県や組織での取組みの他にも、医院など個別の遠隔医療へとつながるサービス拡大を今後とも期待できそうだ。


○電子商取引ガイドラインの作成
 日経産業新聞2面には、民間企業55社で構成する電子商取引の推進団体コマースネットジャパン(CNJ)が来年3月末までに、電子商取引に対応した新しい法制度や商慣行に関する取引ガイドラインを作成するという記事が掲載された。通産省電子商取引実証推進協議会(ECOM)を通じてガイドライン作りに乗り出しているが、CNJ純民間主導での標準化を目指して、専門の研究組織「EC-LSS(エレクトロニック・コマース・リーガル・システム・ソリューション)プロジェクト」を発足したとしている。

 民主導でも官主導でも、まず早くガイドラインを設定する必要性があることと、官民各々でガイドラインが異なるなどという、多くの標準が林立するような状況を避けるためにも、CNJとECOM相互の情報交換も密にしていただくことを願いたい。


○B to B to Cサービス
 日経新聞17面と日刊工業新聞8面には、システム開発のデジタルウェアが、インターネットを活用し賃貸住宅情報地域情報を組み合わせたネットワークシステム「グランド・ウェア」を開発、来年1月から運営サービスを始めるという記事が掲載された。同時に一般向け地域情報ホームページ「賃太郎」も開設するとしている。特に日刊工業新聞ではこのサービスを、BツーB(企業間)とBツーC(企業と消費者間)を融合させるBツーBツーC型EC事業とも紹介している。

 B (Business)to BとかB to C(Consumer)とか難しく表現しなくても、エクストラネット(企業間)とインターネット(対消費者)を連動させると表現すれば分りやすいだろう。もっと簡単に言うと、賃貸住宅情報に周辺地域情報が連動していれば、新規顧客ばかりでなく、その地域の住民の住み替えなどの需要も掘り起こせるサービスになる、ということだろう。



余談その1:高速構内モデム
 日経産業新聞2面には、富士通が最高通信速度1.5Mbpsの高速構内モデム「AX1.5M」の発売を開始したという記事が掲載された。(富士通の10月20日のリリースに掲載あり)
 光ファイバーなどを使わずに従来の銅線などの内線網を利用して最大5kmまで高速伝送が可能で、12月末より出荷予定としている。

 敷地の広い工場や事業所間など、4線式の電話網等が既設されている所では、長距離LAN間機器としての用途があるだろう。xDSLモデム(これもそうかも知れないが)とともに、ネット高速化に貢献してくれる技術のひとつと言える。

余談その2:格安反射防止フィルム
 日経新聞13面には、凸版印刷がPCのLCDやTVのブラウン管などのディスプレー向けの反射防止用フィルムを開発したという記事が掲載された。蛍光灯や日光などが強い場所でも、光の反射で画面上の画像が見にくくなるケースをほとんど(米社製品比で1/10以下)防げ、従来ある米社製品と比べて半額程度で供給可能としている。

 モバイルユーザーや照明映り込みを気にするオフィスワーカーにとっても、(大きな)朗報だ。太陽の下のネットサーフィンも、より快適になりそうだ。

余談その3:ネットで小遣い稼ぎ
 日経産業新聞19面には、米ベンチャーのサイバーゴールド(CyberGold)社が、インターネットで広告を見るとお小遣いがもらえるサービスを本格始動したという記事が掲載された。米クレジット決済会社のファースト・オブ・オマハ(First of Omaha)と提携(10月13日発表)し、VISAカードにそのお小遣いを貯められるとしている。また同社は、日本法人の設立も計画中であるともしている。

 塵も積もれば何とやらで、たとえ数銭円毎のクレジットでも頑張る気になった方も多いのではないだろうか。日経ネットのホームページランキング「よく利用する」部門で、毎回毎回とくとくページがNo.1になるのも、実はそういう細かいニーズを拾っていった結果とも思われる。



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