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1997年11月14日


HEADLINE 3 articles

米MSと米ネットスケープ社幹部の発言等
平面ディスプレー「FED」
電源線ネットワーク
余談3題:電子小包/市場調査サービス/意匠法改正/休刊連絡


○米MSと米ネットスケープ社幹部の発言など--米司法省の提訴に関連する話題3件

 このところ、MSやブラウザー・ソフトに関連する件を新聞社が取材するときには、いっしょに米司法省が米MSを独禁法違反で提訴した問題も話題にするのがお約束のようだ。

 日経新聞11面と日経産業新聞5面には、米MSのポール・マリッツ上級副社長が13日、日経新聞記者とのインタビューに答えた中で、Windows98来年6月にも日本語版を発売し、WindowsNTサーバー5.0も来年末に出荷することを明らかにした記事が掲載されている。このインタビューでは、上記提訴に関しても「OSに新しい機能を取り込むことは米司法省とも合意しているので法的な問題はなく、一般ユーザーも機能更新を求めている」というコメントも載せられている。

 また同じく日経新聞11面と日経産業新聞5面には、13日の日本ネットスケープ社・杉山社長の就任会見(13日のINTERNET Watch Web記事参照)において、同席した米ネットスケープ社のマイク・ホーマ副社長が、同問題について「我々もMSが非合法的な行為をしたと見ている。米コンパック幹部もそう証言しているし、公正な競争環境を取り戻すためにも提訴を歓迎する」と発言した件も掲載されている。

 上記の様な当事者同士の発言に加えて、本日の日経新聞夕刊3面には、米消費者運動家のラルフ・ネーダー氏が主催するワシントンでの反MS集会が、サンのマクニーリー会長などが参加して13~14日に渡って行われているという記事も掲載されている。この件に対して米MSの反論書簡が公開されている。当分MSサイドとその周りを取り囲むサイドの対決は続きそうだ。


○平面ディスプレー「FED」
 日経新聞13面には、住友商事が米ベンチャーのピクステック(PixTech)が独占使用権を持つ超薄型表示装置「フィールド・エミッション・ディスプレー(FED)パネル」について、国内独占販売権とアジア向け販売権を獲得したという記事が掲載された。13日のPixTechのリリースでも、住商はPixTech社に1千万ドルを融資するとなっており、パネル厚:約3mm自ら発光機能を持ち、画質はブラウン管並、来春からLCD並みの価格で市場投入し、反応スピードもLCDより速く大型化も容易でプラズマ・ディスプレー・パネル(PDP)よりも省電力であるとしている。

 これだけ良い点ばかりが挙げてあれば、直ぐにでもLCDやPDPに換わって、PCやTVなどの(特に壁掛け)表示器やモバイル機器への応用を期待してしまうのだが、まずは来春出てくる製品がその判断基準となるだろう。


○電源線ネットワーク
 日刊工業新聞35面には、八光オートメーション(福岡県)が、電灯・電力線を通信線として利用した多点遠隔・制御・監視システム「パイロン」を開発し本格販売を開始したという記事が掲載された。米エシュロン社の通信プロトコルを採用して、基本ユニットとしては設備監視やPCとの接続用などの11種類が有り、電線のみならず電話線でも2kmまで接続が可能(それ以上はルーターなど必要)としている。

 電線を使ったネットワークとしては、カナダの通信機器会社Northern Telecomなどによる家庭への電力供給線を使ったインターネット接続(10月13日のINTERNET Watch記事参照)や、ビジコン社の電源線モデム製品'96年11月21日のINTERNET Watchダイジェスト参照)などがある。電話線と同じくほとんどの家庭にコンセントがあるものであり、家庭への応用も芽がありそうだ。




余談その1:電子小包
 日刊工業新聞8面には、豊田通商が98年4月から、インターネット上で大量のデータを配信する電子小包サービスを開始するという記事が掲載さた。これは、米三菱電機の子会社であるイーパーセル社のソフトを使ったサービスで、「ベーシックサービス」は、ユーザー間でデータ送信を行うときに回線が途中で切断しても次回接続時に残りのデータを自動的に継続送信出来るという。そのため、CD-ROMなどのデータすべてをそのまま通信で送ることが可能だとしている。また「アドバンストサービス」では、これらの機能に加え、他のインターネットサービスを利用中に回線やマシンの負荷によって転送速度を自動的に落としたり、データが配信出来る配送日時の指定や送り先の最適なサイズの選定などができるという。

 従来からインターネットで利用しているファイル転送の機能に加えて、商用のデータ転送サービスには欠かせないデータ伝送保証もされているとは予想されるが、業務用となれば利用料金がどの程度になるものなのかも、気にかかる部分ではある。

余談その2:市場調査サービス
 日経産業新聞22面には、販売促進支援のギガジャパンが12月から、インターネットを利用した市場調査サービスを始めるという記事が掲載された。約4千人の会員を組織し、女性の契約社員約3百人をモニターに加えることで、より精度の高い調査を実施するとしている。調査対象者にEメールを送り、文章部分をクリックするだけで調査専用ホームページにつながる仕組みにしており、回答率を上げるためにポイント制を導入して、点数がたまったら商品をもらえる様な特典を設けるともしている。

 ネットでのマーケット調査は、安価で迅速性があるということで、各種企業での導入が試みられているが、調査のマス(男女比年齢層の片寄など)をどう調整するかが、今後の調査サービスを差別化する要因となりそうだ。

余談その3:意匠法改正
 日経新聞7面には、通産省が次期通常国会に提出する意匠法(工業製品のデザインを知的所有権として保護する制度)の改正の骨格を固め、コンピューターで作製した図面や立体図法による出願を容認するという記事が掲載された。意匠法の抜本改正は1959年以来で、現行では図面の代用として写真は利用できるが、コンピューターで出力した設計図は認められていなかったという。

 情報化がここまで進んだ日本社会においては、今ごろという感が否めない。これまではメーカーなどの意匠出願者の負荷を軽減せずに、世界市場で(知的所有権についても)競争しろと言っていた様にも感じられる。

休刊連絡:
 17日のNEWS Watchは、新聞休刊日のためお休みされていただきます。ご了承のほどを、お願い致します。m(__)m



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