[業界動向/フィルタリング]
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02:電子ネットワーク協議会がWWWのフィルタリングの実験を開始。ソフトを公開
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http://www.nmda.or.jp/enc/rating/ratingdb-press.html
http://www.nmda.or.jp/enc/rating/

 通信事業者やパソコンメーカー、ソフトハウスらなどが作る「電子ネットワーク協
議会」は、8月1日、インターネット上のWWWコンテンツを受信側で選別したりアクセ
スできなくしたりする「フィルタリング」の実験を開始し、フィルタリングソフトを
公開した。
 今回の実験で構築するフィルタリングのシステムは、W3C(WWW Consortium)の提
唱するフィルタリングの企画「PICS」に準拠。フィルタリングのもととなるレイティ
ング(ページへのラベルづけ)は、米RSACが提唱する「RSACi」をベースに「フォト
CDパブリケイション制作における倫理基準」など日本独自の基準を参照しながら構築
した。
 実験開始にあたり、Windows 95用のクライアントソフトも公開された。ページ自体
に埋め込まれた情報から判定する機能やデータベースの情報から判断する機能、管理
者による設定機能などを持つ。ただし、WWWブラウザーのキャッシュ機能を無効にす
るなど、やや不自然とも思われる設定も必要になる。
 なお、6月に米国で「通信品位法」が最高裁で違憲判決を受けた際にも(本誌6月27
号参照)、見る側でのフィルタリングの技術が実用化されていることが一つの根拠と
なり、法によって発信側を規制することが否定された。一方、フィルタリングについ
てはレイティングの正当性に疑問を投げかける声もあり、フィルタリングはインター
ネットの規制に関する動向を追う人達の関心をさまざまなポイントで呼んでいる。
[Reported by masaka@impress.co.jp / tatekawa@planet.club.or.jp]

(97年8月5日)