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楽天、「個人情報をダウンロード販売」報道を否定


楽天が5月28日に公表した告知文
 一部のブログで「楽天が利用者のメールアドレスを含む個人情報を1件10円でダウンロード販売している」と報じられた件について楽天は5月28日、「全くの事実誤認」とするコメントを発表した。

 この一部のブログとは、ニュースサイト「GIGAZINE」のこと。Yahoo!ニュースやmixiニュースに記事提供している。同誌5月27日付記事では、楽天市場の出店店舗向けに提供されている機能「新CSVデータダウンロード」において、楽天市場に登録されている個人情報を有償でダウンロード販売していると報じていた。

 「新CSVデータダウンロード」は、出店店舗が受注情報などをCSV形式ファイルで入手できるというもの。出店店舗が受注した情報のみが入手可能で、サービスの月額利用料は受注情報100件までが1000円、100件を超える場合は1件10円となっている。

 取得可能な受注情報は、配送に必要な住所、氏名、電話番号など。メールアドレスとクレジットカード情報は含まれない。ただし、月間売り上げ1000万円以上または月間受注件数1000件以上の店舗であれば、メールアドレスについては、楽天の審査に通過した上で、メールアドレスを外部に提供しない旨などを記した誓約書を提出すれば取得できる。

 この点について同誌記事では、「審査が通ればこのCSVデータダウンロードサービスによって、メールアドレスも一気にゲットできる」「基準に満たない場合も別途相談すれば何とかなるらしいことが書いてあり、はっきり言ってめちゃくちゃ」などと報じている。

 楽天では2005年8月、楽天市場の利用者の個人情報が流出した事件を受けて、個人情報の管理体制を変更すると発表。その際、利用者の個人情報のうち、クレジットカード情報とメールアドレスについては、店舗側に提供しない仕組みを導入するとしていた。

 「GIGAZINE」の指摘が事実とすれば、その仕組みが機能していないことになるが、楽天はINTERNET Watchの取材に対して、「現在もクレジットカード情報とメールアドレスを店舗に渡していない」と説明する。

 また、楽天が審査をした上で利用者のメールアドレスを提供していること関しては、「個人情報保護方針に沿ったかたちで、正当な理由と判断された場合は提供することもある」とコメント。ただし、楽天が認める「正当な理由」については、機密なので明かせないという。

 「GIGAZINE」ではこのほか、楽天市場で購入するためだけに使っているメールアドレスにスパム業者から利用者の実名入りのスパムメールが届いている事例があるとし、楽天に登録した個人情報がスパム業者に流れた可能性を指摘している。この点についてもINTERNET Watchで楽天に問い合わせたところ、「適宜社内で調査している状況」との回答だった。


関連情報

URL
  一部ブログによる掲載情報の事実誤認について
  http://www.rakuten.co.jp/help/whatsnew/

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楽天市場が個人情報の管理体制を変更、カード番号を店舗側に非開示へ(2005/08/01)


( 増田 覚 )
2009/05/28 18:05

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