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グーグルとNTTドコモがモバイルネット分野で提携

YouTubeやPicasaのiモード対応も

左からNTTドコモの夏野剛氏、米Googleのオミッド・コーデスタニ氏、NTTドコモの辻村清行氏、グーグルの村上憲郎氏

業務提携の概要
 NTTドコモとグーグルは24日、モバイルインターネット分野で業務提携した。2008年春をめどにiモード上でグーグルの検索エンジンを採用するほか、地図サイト「Google マップ」をはじめとするグーグルの各種アプリケーションを利用可能とする。

 提携の概要としては、1)新たな検索サービスの提供、2)グーグルのアプリケーションのiモード対応、3)プラットフォームに関する検討、4)新たなモバイルマーケティングサービスの検討――の4分野を挙げている。

 1)検索サービスの連携強化では、2008年春をめどに「iMenu」トップにグーグルの検索ボックスを設置。これにより、従来のiモードメニューサイト検索機能に加え、一般サイトおよびPCサイトも検索できるようになる。また、グーグルの広告配信プラットフォーム「Google Adwords」を採用し、検索キーワードに関連する広告を表示する検索連動型広告を提供する。今後発表されるフルブラウザ搭載の新端末については、グーグルをフルブラウザのスタートページに標準設定し、PCサイトにアクセスしやすくする。

 2)グーグルのアプリケーションのiモード対応では、Google マップをiモード端末に順次標準搭載する。このほか、Webメール「Gmail」やオンラインアルバムサービス「Picasa ウェブ アルバム」、動画共有サイト「YouTube」などグーグルの各種サービスについてもiモードに対応させるという。なお、NEC製の「N905」と富士通製の「F905」についてはGoogle マップがすでに搭載されているほか、「904」「905」の一部機種では24日からYouTubeにアクセスできるようになった。

 3)プラットフォームに関する検討では、米GoogleやNTTドコモを含む34社が設立した「Open Handset Alliance」が提唱する携帯デバイス向けのオープンプラットフォーム「Android」について、NTTドコモ向け端末の商用化を検討する。会見でAndroidの印象を質問された同社執行役員マルチメディアサービス部長の夏野剛氏は、「プロトタイプを拝見すると、貧弱なハードでもよく動く。我々も学ぶところが多いと感じた」と述べ、Androidの利点を積極的に取り入れていきたいとした。

 4)新たなモバイルマーケティングサービスの検討では、NTTドコモ、電通、NTTアドの3社で設立した、iモード向けの広告事業を手がけるディーツーコミュニケーションズ(D2C)とグーグルが連携。今後は、共同でiモードにおけるマーケティングサービスを検討する。


提携前のイメージ 提携後のイメージ

提携の狙いは「インターネットのさらなるモバイル化」

iモード端末でグーグルのアプリケーションが利用可能に
 今回の提携の狙いについて、NTTドコモ取締役常務執行役員プロダクト&サービス本部長の辻村清行氏は会見で、「インターネットのさらなるモバイル化」というキーワードを何度も強調した。

 「グーグルの検索エンジンを採用したことで、リアルとサイバーの距離が短くなった。また、ドコモではHSDPAやHSUPAなどブロードバンド化を進めている。携帯電話に搭載されるCPU能力やメモリサイズも大きくなり、動画のやりとりが自由になる。携帯電話はPC並みの能力を付け、今までPCで起こってきたことが、モバイルで起こることになる。これまで、モバイルのインターネット化は実現されたが、今後はインターネットのモバイル化を促進していきたい。」(辻村氏)

 米Googleの業務開発兼国際営業担当上級副社長であるオミッド・コーデスタニ氏も「PCとモバイルデバイスの境界線がなくなってきている」として、インターネットのモバイル化が進んでいると語る。「モバイルインターネットの発祥地である日本は、ユーザーも洗練されている。最近では、主にモバイルからインターネットを使う人も増えていることを考えると、今回の提携は絶好の機会といえる」。

 また、グーグル代表取締役社長で米国本社の副社長も務める村上憲郎氏は、今回の提携について「日本におけるモバイルビジネス展開は、Google全体にとって重要な位置を占める」と述べ、NTTドコモとの提携はGoogleのグローバルなモバイル戦略で極めて重要であると説明。日本向けの戦略としては、「PC分野では数多くのパートナーと組んできたが、携帯電話分野でもグーグルを普及させるには、パートナーが大きな役割を果たす」と話した。

 なお、グーグルでは2006年5月、KDDIと業務提携を締結。この提携によりKDDIは、EZWeb上でグーグルの検索エンジンを採用したり、Gmailの技術を採用したWebメール「au one メール」を提供している。KDDIとの違いについて夏野氏は、「検索エンジンやGoogle マップに限らず、グーグルが持つあらゆるサービスと連携すること」と説明している。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/page/080124_00.html

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KDDIとGoogleが提携、EZwebにGoogleの検索エンジン採用(2006/05/18)


( 増田 覚 )
2008/01/24 19:23

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