Apple、64ビットCPUの「iPhone 5s」と、5色の「iPhone 5c」を発表

　米Appleは日本時間11日午前2時より開催したスペシャルイベントで、新しいiPhoneとなる「iPhone 5s」および「iPhone 5c」の2機種を発表した。日本国内での発売は9月20日から。従来のソフトバンク、KDDIに加え、NTTドコモも取り扱いを開始する。

ホームボタンに指紋センサーが内蔵されたiPhone 5s

　「iPhone 5s」は新しいiOS 7を採用。高品位のアルミ削り出し加工によるボディで、「モバイルでは世界初」とされる64ビットのA7チップを搭載し、iPhone 5の2倍の速度を達成。iPhone 3Gと比べた場合はCPUパフォーマンスで40倍、グラフィックスパフォーマンスで56倍の性能になるという。64ビットアプリだけでなく、従来の32ビットアプリも動作する。

　さらに、A7チップと協調動作する「M7」と呼ばれるモーションコプロセッサーを搭載。連続的に各種モーションデータを計測できるもので、加速度、ジャイロスコープ、コンパスとして機能させることができ、「次世代の健康・フィットネスアプリを実現する」という。

　カメラは800万画素で従来機種と変わらないものの、F2.2の明るいレンズと、1.5ミクロンのピクセルサイズで15％大きくなった裏面照射型センサーにより、高い画質と暗所性能を実現。被写体の色温度を瞬時に判断して1000パターンの色温度で発光できるLEDライト「True Tone flash」により、適切な見映えで撮影できるようになった。

　さらに自動手ブレ補正機能と、従来の2倍高速なオートフォーカス機能を搭載。秒間10コマの連続撮影後、その中から最も鮮明に写っているものだけを自動で選んで保存する機能も備えた。パノラマ撮影機能も従来通り利用可能。動画撮影は1080 30fpsのほか、720p 120fpsのスローモーション撮影にも対応する。

　セキュリティについても強化され、従来の4桁のPINコードに加え、新たに指紋センサーによる認証機能「Touch ID」を提供する。500ppiの認識解像度、170ミクロンの薄さを誇る指紋センサーがホームボタン内に埋め込まれており、ホームボタンに指を置くだけで端末のロック解除ができるのに加え、iTunes Storeでのコンテンツ購入時の認証にも利用できる。

　通信機能については、最大100MbpsのLTEに対応。Wi-FiはIEEE802.11a/b/g/n（nは2.4/5GHzのデュアルバンド。最大150Mbps）に準拠。Bluetooth 4.0にも対応する。

　カラーバリエーションはシルバー、スペースグレイ、ゴールドの3色。ストレージ容量は16GB/32GB/64GBの3種類で、米国における2年契約時の価格はそれぞれ199ドル、299ドル、399ドルとなる。また、Apple純正アクセサリーとして専用レザーケースも39ドルで販売される。

iPhone 5sのカラーバリエーションはシルバー、スペースグレイ、ゴールドの3色

　「iPhone 5c」は、従来のiPhone 5に近い性能をもちながら価格を抑えたモデル。iPhone 5sと同様にiOS 7を採用する。ボディの側面から背面にかけては一体成形された強化ポリカーボネート素材となっており、この部分の色が異なる5つのモデルが用意される。前面はブラックで統一。4インチのRetinaディスプレイで、フロントカメラは800万画素。バッテリー持続時間はiPhone 5と同等かそれ以上としている。

　通信機能については、最大100MbpsのLTEに対応。Wi-FiはIEEE802.11a/b/g/n（nは2.4/5GHzのデュアルバンド。最大150Mbps）に準拠。Bluetooth 4.0にも対応する。

　カラーバリエーションはホワイト、ピンク、イエロー、ブルー、グリーンの5色。ストレージ容量は16GBおよび32GBの2種類。米国における2年契約時の価格は16GBが99ドル、32GBが199ドルとなる。また、Apple純正アクセサリーとして無数の穴が開いた特徴的な専用ケースも29ドルで販売される。

　なお、ストレージ容量8GBのiPhone 4Sも継続して販売することが合わせて発表された。

iPhone 5cのカラーバリエーションはホワイト、ピンク、イエロー、ブルー、グリーンの5色