スマホでWi-Fi自動接続・課金を実現する標準規格、携帯事業者団体が策定へ


 大手携帯事業者が加盟する業界団体が、スマートフォンなどのモバイル端末をWi-Fiホットスポットに自動接続できるようにするための標準規格やガイドラインを策定することで基本合意に達し、作業が開始されたことが発表された。

 この新しいイニシアチブを発足させたのは、世界の主要携帯電話事業者が加盟するGSMAと、次世代Wi-Fiに関する業界団体のWireless Broadband Alliance(WBA)である。

 両団体は、モバイル端末のSIMカードを使い、Wi-Fiホットスポットに自動接続・課金を行う「Wi-Fiローミング」を実現するための技術的・商業的な仕組みや規格を策定することを目指している。

 これまでWi-Fiホットスポットを利用するためには、ホットスポットをユーザーが探し、端末の設定を行い、課金のためにパスワードを入力するなどの煩雑な手続きが必要で、不便を強いられていた。一方、携帯電話事業者は、スマートフォンの普及に伴いデータ通信量が大幅に増大し、ネットワーク負荷が大きな問題となっている。そのため世界各国で料金プランが定額制から従量制に移る傾向も見られつつある。

 携帯回線からWi-Fiホットスポットへ、またWi-Fiホットスポットから携帯回線へとシームレスに接続を変更できれば、この問題は解決できる。また、認証にSIMカードを使用することで、携帯電話事業者は、ユーザーが利用している回線の識別を行うことも可能だ。

 このWi-Fiローミングの標準規格は、WBAの「Next Generation Hotspot Programme」とWi-Fi Allianceの「Passport Certification」技術を使用するとしている。

 現在、基本的な合意に達していることから、今後はセキュリティや課金、データオフロード、端末実装、GSMA/WBA会員にとって最適なネットワーク選択のためのガイドラインを策定することになる。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2012/3/21 11:43