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【業界動向】

RykodiscとGoodNoiseが提携を発表

メジャーアーティストの音源が「合法MP3ファイル」で販売される

■URL
http://www.goodnoise.com/music/ryko/index.html
http://www.nmpa.org/pr/goodnoise.html(HFA)

 インターネット上のレコードレーベル「GoodNoise」が大手インディペンデントレーベル「Rykodisc」との提携を発表した。これによりRykodiscの持つ音源が、GoodNoiseにより「合法的なMP3ファイル」でダウンロード販売される。

 Rykodiscは、CD専門のレーベルとして'83年に設立された。インディペンデント系とは言え、抱えるアーティストの作品は、David BowieやElvis Costelloといった大御所からFrank Zappa、Bootsy Collinsなど幅広い。薄緑色が特徴的なRykoのCDケースを輸入盤ショップで見かけたことのある人も多いだろう。今回は、Rykoのカタログ全てのアーティストではないが、Frank Zappa、Morphineなど50アーティストの175曲以上がMP3ファイルとしてGoodNoiseから買えるようになった。1曲の価格は一律99セント。例えば、Morphineのアルバム「Yes」は「CDnow」で購入すると14.99ドル。12曲入りなので、単純に割ると1曲あたり1.2ドルの計算になり、送料も加えると単価はもう少々上がる。もちろん同価格で収録曲数が20曲以上になるとCDのほうが単価が安くなる場合もあるだろう。しかし、平均的に見て、ダウンロード販売の価格は割安と言えそうだ。

 今回の提携は、音楽のダウンロード販売において「品揃え」の面で大きく進歩したと言えそう。しかし、ダウンロード後のファイルのコピーについては依然として何の対策も立てられていない。つまり、ダウンロードしたファイルをサイト上で公開することも可能で「違法MP3ファイル」の流通に対する解決策にはなっていない。

 GoodNoiseは、今月、米国の音楽著作権管理団体「Harry Fox Agency(HFA)」との間で、ダウンロード可能な音楽データの著作権に関するライセンス「Mechanical Licenses」を取得した。これにより、ダウンロードされたファイル数に基づいて、著作権者に対し適正に使用料を分配できるという。先頃発表された、IBMと大手レコード会社5社との音楽配信実験(本誌別記事参照)も含め、こうした、音楽配信、また、使用料の分配システムは着々と整備されつつあるが、やはり今後のダウンロード販売で最大の課題は「違法コピー対策」と言えそうだ。

('99/2/9)

[Reported by okiyama@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp