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【音楽配信/ソフトウェア】

The Offspringが初期ナンバーを提供、Public Enemyも新曲を公開

RealNetworks、音楽配信の「RealSystem MP」とソフト「RealJukebox」発表

■URL
http://www.real.com/products/realjukebox/ (RealJukebox)
http://realguide.real.com/category.rxml?category_uid=405 (RealGuide for RealJukebox)
http://www.real.com/company/pressroom/pr/99/realsysmp.html (RealSystem MP発表)
http://www.real.com/company/pressroom/pr/99/rj_launch.html (RealJukebox発表)
http://www.real.com/company/pressroom/pr/99/rj_debut.html (RealGuide for RealJukebox発表)

 米RealNetworksは5月3日、インターネット上の音楽配信システム「RealSystem MP」を発表した。また同時に、RealSystem MPの一環となるクライアントソフト「RealJukebox」を発表し、Windows用β版を公開した。さらに、メジャーアーティストなどの音楽ファイルをダウンロードできるコンテンツ「RealGuide for RealJukebox」も開設した。


RealJukebox (Normal Mode)
RealJukebox (Normal Mode)

 RealSystem MPは、同社のRealSystem G2技術や、同社が買収したXing TechnologyのMP3技術などのデジタル音楽技術をベースにした音楽配信システム。著作権管理情報の埋め込みや、CDDBサーバーによるアルバム名・曲名・アーティスト名のデータベースサービス、携帯MP3プレイヤーなどへのデータ格納、ホームネットワークなどが謳われている。RealNetworksではIBMと音楽著作権管理技術について提携を発表しており、そのIBMのEMMSや、AT&Tの「a2b」、LiquidAudioの「LiquidAudio」などに対応していく。また業界団体SDMIのにも関係している。

 RealSystem MPには、各業界の60以上の会社がサポートを表明。レコード会社のRCA、デジタル音楽技術のa2b・Liquid Audio、オンラインCDショップのCDnow・Amazon.com、音楽情報サイトのGoodnoise・MP3.com・UBL、PC/デバイスメーカーのDiamond Multimedia・Adaptec・AIWA・Iomega・Gateway、ホームネットワークを推進するIntelなどが名を連ねている。Intel社Network Communications Group担当副社長兼ゼネラルマネージャーのMark Christensen氏は「RealJukeboxはホームネットワーキングの利点を示す最初のキラーアプリケーションだ」と語っている。


RealJukebox (Compqct Mode)
RealJukebox (Compact Mode)

 RealSystem MPの一環としてリリースされたRealJukeboxは、インターネット上の音楽コンテンツや、ローカルの音楽ファイル、ローカルの音楽CDなどを一括して扱い、管理できるソフト。通常のCDプレイヤーソフトのように音楽CDを再生でき、そこでWindows 98の「デラックスCDプレーヤー」のようにCDDBサーバーから再生中のCDのアルバム名や曲名を引いてくることもできる。

 また、再生時に自動的にバックグラウンドでMP3やRealAudio G2などの音楽ファイルにエンコードできるようにもなっている。エンコードしたデータはCDDBから得た情報を元にデータベースとして管理したりプレイリストを作ったりできるようになっている。音楽データには他の機器で再生できないようなプロテクトをかけられるようにもなっており、EMMSや、SDMIの規格、a2b、LiquidAudioにも対応していく予定。なお、似たソフトウェアに米MusicMatch社の「MusicMatch Jukebox」があり、同社もまた4月29日に米InterTrust社と提携してMP3の著作権情報管理機能を開発することを表明している。

 さらにRealJukeboxでは、インターネット上の音楽ファイルの検索やダウンロード、CDのオンライン購入などができる「Get Music」機能なども備えている。

 RealJukeboxの実行にはRealPlayer G2などの従来のプレイヤーソフトが必要。RealPlayer G2ユーザーは、RealPlayer G2のアップグレード機能から、あるいは上記URLのRealJukeboxページから、RealJukeboxのβ版を入手できる。インストール時には、すべてのエンコーディングでセキュリティをONにするか、他のマシンでも再生できるようデフォルトでOFFにする(個別にONにできる)かなどを尋ねられる。

 ただし、RealJukeboxをインストールすると、デフォルトのCDプレイヤーやデフォルトのMP3プレイヤーが自動的にRealJukeboxになるので注意。編集部で試した限りでは、β版のためか、ディスク上のMP3ファイルをダブルクリックしても、その前に再生していたCDやファイルが再生されてしまうことがあり、結局は関連づけを元のプレイヤーに直した。


 RealJukeboxユーザー向けに開設された新コンテンツ「RealGuide for RealJukebox」は従来のストリーム番組ガイド「RealGuide」の一コーナーの形をとっている。ここでは、メジャーアーティストを含む60以上のアーティストの曲がダウンロードできるようになっている。

 中でも、アルバム「Americana」やシングル「Pretty Fly」が現在大ヒット中のロックバンド「The Offspring」は、初期ナンバー「Behanded」を提供しており、RealGuideからクリックすると、a2b形式のファイルが自動的にRealJukeboxに読み込まれる。このとき、a2b対応のプラグインが組み込まれていなければこれも自動的にダウンロードされる。こうしたヒット中のバンドの曲が最初から提供され、ワンクリックで読みこめるのは、システムとしてもコンテンツとしても強力だ。

 The Offspringのボーカル/ギターのDexter Hollandは「インターネットを使って世界中のキッズに曲を届ける方法がないか考えていた。これでThe Offspringの曲がハードディスクに届く」と語っている。

 ほかにも、MP3関連で活躍するラップのPublic Enemyが新曲「Do You Wanna Go Our Way???」を提供しているほか、Julian LennonやGeorge Clinton & The P-Funk All Starsなどの曲もダウンロードできる。


 いままでストリーム技術で進んできたRealNetworksだが、インターネットでは最近、MP3などダウンロード型が注目されてきている。特に、携帯プレイヤーを考えるとダウンロード型のニーズは大きく、RealNetworksでもダウンロード型の音楽/音声コンテンツも本気で取り込んでいくよう戦略を修正した形だ。なお、この分野での競合会社であるMicrosoftも4月、音楽配信技術「Windows Media Technologies」を発表している。

 RealNetworksでは5日より展示会/カンファレンスの「RealConference」を開催する。そこでもRealSystem MPについて語られる予定。

('99/5/4)

[Reported by masaka@impress.co.jp]


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