■URL
http://www.w3.org/1999/05/P3P-PatentPressRelease
W3Cは、プライバシー保護技術の標準化を進める中、ある企業が保有する特許に進路を阻まれ、ネット上の人々に協力を呼びかけている。
問題となっているのは、現在標準化を進めているプライバシー保護技術「P3P」。P3Pは、XMLを利用した技術で、利用者がどこまで自分のプライバシー情報をWebサイト側に対して開示するかを制御することができるというもの。
ところが、この標準化作業を進める中で、同じ内容の技術に対する特許が米国特許庁からIntermind社に対して与えられてしまい、P3Pをオープンスタンダードとすることが難しくなってしまった。
これに対してW3Cは、特許はその技術に新規性、つまり、これまでの歴史の中で同じ技術を発案、利用していた人物が1人もいないという前提がなければ与えられないことに注目。ネット上の人々に対して、このIntermind社の特許がどこかで使われていなかったかどうか調べてほしい、と呼びかけている。もしそのような事実が見つかれば、この技術は「公知の物」として誰でも自由に使うことができるようになる。
W3CのDaniel J. Weitzner氏は「特許とオープンスタンダードは近年ますます両立しづらくなってきている」と述べ、今後も同様の問題が起こる危険性を指摘している。
('99/5/6)
[Reported by taiga@scientist.com / Hiroyuki Et-OH]