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写真左から、 Nicolas Darveau-Garneau氏、Michael Robertson氏、Steve Rennie氏、Aman Somers氏 |
RealNetworks Conferenceの2日目にあたる6日には、セッションの一つとして「Emerging Business Models for Music Distribution」(音楽配信のビジネスモデルが現れる)と題するパネルディスカッションが開かれた。パネリストとして、Custom Disc.comのNicolas Darveau-Garneau氏MP3.comのMichael Robertson氏、Ultimate Band List(UBL)のSteve Rennie氏、Dreamworks RecordsのAman Somers氏という、この分野の先端を行くメンバーが集まった。
まずは、RealJukeboxのインパクトについて会話がなされ、UBLのRennie氏は「個人的な音楽コレクションをPC上に作れる凄いツール」と語った。それに対し、MP3.comのRobertson氏は「似たツールは以前からあった。しかし、使いやすく、またメジャーなソフトメーカーから出た点にインパクトがある」と反論した。
デジタル配信は、アーティストにはよく、レーベルには辛い、という意見もあった。特に充分な宣伝の機会が少ないマイナーなアーティストにとって、Webでの宣伝や、販売についての情報がダイレクトに得られることは大きいという意見だ。一方で、メジャーなアーティストについては契約の束縛が大きく、それが足かせとなってデジタルには手を出しづらいという。
また、現在のCDの代金のうち、純粋にCDを作るための費用は2/3程度で、残りはパッケージや宣伝費だということで、これがデジタル配信になればその分安くなるという意見もあった。「従来は“Phisical Rights”(物の権利)を買っていたのだが、これからは“Digital Rights”(デジタルの権利)を買うことになる。小さなレーベルでもビジネスできる」というわけだ。その一方で、「現在ではアルバムを10万枚以上売らないと儲けが出ない」と実状も語られ、一同を驚かせた。
その他、アルバムを切り売りすると全曲は売れないのではないか、デジタル配信で限定版は存在しうるか、海賊版の問題は、そもそも彼ら自身はビジネスとして成り立っているのか、などについての議論がなされた。
基本的には4人とも、インターネットによる音楽配信がこれから音楽業界を変革するという認識を持ち、それが少なくとも長期的には新しいビジネスチャンスになると考えている。しかし、それが具体的にどんな影響をもたらすか、またどんな障害があるか、どのようなビジネスモデルが成功するか、といったことについては、音楽サイトや音楽レーベルなどそれぞれの視点から見た違いが現れたパネルディスカッションだった。
('99/5/7)
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[Reported by masaka@impress.co.jp]