愛知県警生活経済課と愛知署などは27日までに、音声圧縮技術「MP3」を使って国内のヒット曲を無断複製しインターネットのホームページに載せたとして、著作権法違反(公衆送信権の侵害)の疑いで札幌市豊平区の会社員の少年(18)の自宅を家宅捜索し、パソコン2台と音楽CD十数枚などを押収した。
日本音楽著作権協会(JASRAC)は近く少年を愛知県警に告訴する方針。県警は告訴を受け少年を書類送検する。
調べによると、少年はGLAYや宇多田ヒカルら国内の人気歌手のヒット曲数十曲を、別のホームページから取り込んだり、音楽CDから複製したりするなどして、JASRACの承諾を得ずにMP3を使って圧縮し自分のホームページに掲載。3月ごろ、インターネットを通じて利用者が無料で曲を取り込めるようにし、著作権者の権利を侵害した疑い。
愛知県警の捜査員が2月24日、インターネットを検索していて少年のページを発見、捜査していた。
昨年1月に施行された改正著作権法は、音楽などをインターネットで送信可能な状態にすることを著作権者の権利として明記している。さらに今国会には、複製できないようにする措置を解除する装置の製造・販売などを禁じる改正案も提出されている。
MP3による著作権法違反事件を警察が摘発するのは全国初。MP3による違法データはインターネット上で数多く置かれているが、それに対して取り締まっていく姿勢を見せた形だ。
('99/5/27)
[Reported by masaka@impress.co.jp]