■URL
http://interop.zdnet.co.jp/ (NetWorld+Interop
99 Tokyo)
http://www.isoc.org/ (ISOC)
幕張で開催されているネットワーク関連の展示会/カンファレンス「NetWorld+Interop 99 Tokyo」、初日の基調講演には、Internet Society(ISOC)会長Donald M. Heath氏が登場した。
Donald M. Heath氏は、MCI、BTなど大手キャリアで上級取締役を歴任した後、ISOCの会長に就任、インターネット関連技術の開発や発展に力を注いでいる。また、従来からDNS管理業務を行なっていた「IANA(Internet Assigned Numbers Authority)」に替わり、新たに同業務を担当する「ICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)」でも活躍している。同氏の講演は「これからのインターネット:ユニバーサルデモクラシー」をテーマに進められた。
Donald M. Heath氏は「この5年でインターネットは爆発的に普及した。今はいよいよ実践する時。今後ますますインターネットのインパクトは大きくなる」と語った。また、「今後、インターネットと呼んでいるものは、あまりにも生活に入ってくるので、今までのように意識的に接することはなくなるかもしれない」として「従来の電話とインターネットを比較するのは無意味。今後見分けがつかないくらい普遍的なネットワークとなるだろう」としている。今後の通信業界については「従来からのキャリアが、例えばMicrosoftなどにその座を渡すことはないだろう。しかし、他業種の企業の参入や吸収/合併で、その存在は変わっていくだろう」としている。
講演のテーマである“これからのインターネット”について同氏は、「Self-governance(自己抑制型)」が鍵となるとしている。インターネットの成功の基盤はラフ・コンセンサスにあるとしており、自分達で管理することと、共通のゴールに向かって働いている人達の「協調」が大切だとしている。「IETF(Internet Engineering Task Force)」においても「協力」がキーワードになっており「これがなくては今のインターネットはなくなってしまう」と語った。
最後にDonald M. Heath氏は、「多くの人にとってフェアな形にするというのは大変難しいことだ。本当にSelf-governanceが実現できれば、インターネットは未曾有の発展を遂げる。ICANNに与えられた役割を果たしたい」と講演を締めた。
なお、講演中、インターネットに関する国際会議「INET 2000」が、2000年7月18日からパシフィコ横浜で開催されることが明らかにされた。
('99/6/2)
[Reported by okiyama@impress.co.jp]