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3日の夕方からは、昨年にひき続いて「ローカルプロバイダー大集合!」と題した無料セッションが開催された。日本インターネット協会の高橋徹会長、日本地域プロバイダー協会の福田晃氏らが参加し、地域プロバイダーの抱える問題や将来の展望について語った。
セッションでは、深刻な問題となっているセキュリティー対策や、図書館や学校向けのフィルタリングサービスなどがテーマに挙げられたが、最も印象的だったのは「地域IX構想」だ。
福田氏は、「数年先にエンドユーザーの回線が高速化し、家庭で1.5Mbpsから3Mbps使うようになれば、プロバイダーのバックボーンには100Mbpsから1Gbpsの回線が必要になる」とし、NSPIXP2から100Mbpsの回線を引くのに現時点でどれだけのコストがかかるのか実例を挙げた。これによると、東京都内では回線代が月額75万円で済むのに対し、群馬県の高崎では480万円、大阪では720万円、札幌や福岡では960万円になるという。さらにこの他にインターネットへの接続料なども必要になるので、一月に支払う合計額は高崎で730万円、札幌や福岡では1,200万円になるとしている。もちろん、この金額は、地域プロバイダーや地方自治体では負担不可能な額だ。
そこで福田氏は、イニシャルコストを国が負担し、運営を地域プロバイダーなどが担当するという「地域IX」のモデルを提示した。「かつて高速道路や新幹線がそうだったように、地域間の格差を埋めるためのインフラとして、インターネットも整備する必要がある」としている。
('99/6/3)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]