ソフトバンクは10日、アイルランドのCognotec社と外国為替取引のためのジョイントベンチャー「FOREXBANK Co Ltd」を立ち上げることを発表した。同社は日本と韓国においてインターネットを利用した外国為替取引や金融機関向けのトレーディングソリューションを提供していく。ソフトバンクが新会社の58%を、Cognotecが42%を保有する。
両社は、日本で電子商取引が一般化してきたことと、金融の自由化によって外国の株式やミューチュアルファンドを外国の通貨を使って購入したり、企業が物資を外国通貨を使って直接購入することが増えたことで、高度な外国為替取引サービスの需要があると判断した。
Cognotec社の提供している技術は「AutoDealing」(自動取引)と呼ばれている。この技術はこれまで主流だった電話を通しての手動取引をコンピュータに置き換えることによって、一つ一つの取引は数秒で完了し、間違いも減らし、決済とその確認も自動的に行なわれる。
こうした技術は、世界規模で業務を展開する巨大な金融機関がリアルタイムで財務情報を把握し、業務にかかるコストを削減するのに役立つだけではない。例えば私たちが小口の外国為替取引を銀行の窓口で行なおうとする場合、今までは銀行が定めたその日のレートで購入しなければならなかったが、新しいシステムでは銀行の窓口で、実際のトレーディングルームにいるかのように、リアルタイムの為替レートに基づいて外国の通貨を購入できるようになる。さらに企業が必要な物資の調達を電子商取引で行なおうとする場合でも、手元のパソコンでリアルタイムの為替情報を元に有利な条件で取引できるようになろう。
ソフトバンクはこれまでに、主に米国株のオンライン取引のE*Trade、カーローンのE*Loan、オンラインオークションのOnsaleなどに出資しており、E*Tradeは日本支社のE*Trade Japanを設立してもいる。それで、将来的には外国株取引やオンラインオークションでも手元の外国為替取引データを元に有利な取引をすることが可能になるかもしれない。
('99/6/11)
[Reported by taiga@scientist.com]