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昨日(現地時間6月15日)のレポートでも紹介したように、JavaOneディベロッパーズコンファレンスの会場では、Javaバーチャルマシン(KVM)が組み込まれた3Comの「Palm V」を199ドルで販売している。キーノートスピーチを途中で抜け出し、それでも長蛇の列に並ぶこと40分、やっと手にしたスペシャルバージョンの「Palm V」を試してみた。
電源を入れると通常のPalm Vのアイコンとは別のアイコンがいくつか表示される。象徴的なのはJavaのマスコットであるデュークのアイコンと「KJavaVM」の文字(画面左下)。確かにKJavaVMがインストールされているようだ。これをクリックするといくつかのJavaのクラスが入っていることがわかる。
さて、起動画面には「Address」「Calc」「Date Book」など、おなじみのアイコンがあるが、それに加えていくつかのJavaで開発されたゲームがインストールされている。それは「Dragon」「Many Balls」「Missile」「Pong」「Puzzle」「Scribble」「Sun3D」だ(なんとスクロールさせないと全部のアイコンは見られない)。いずれも素朴ながら、退屈なコンファレンスの合間にはつい「はまってしまう」類のゲームだ。これだけでもPalm VでJavaが動くデモンストレーションとしては十分だ。なかでも「Puzzle」は、会場で他の参加者のPalm Vとパズルの部品を交換して、1枚の絵を会期中に完成させるというイベント性もある。
ゲームのアイコンをクリックすると画面の中央にマスコットの「デューク君」が表示され、KVMが起動するが、この時間わずか1秒から2秒。そしてゲームの画面が表示されるという具合だ。
KJavaVMの文字が見える |
ク君が表示される |
Javaクラスライブラリ |
Many Ballsの画面 |
JavaOneのようなコンファレンスに参加したことのある方なら経験があると思うが、たくさんのトラックで数多くのセッションが開催されていると、自分の参加したいセッションのスケジュールを覚えておくのが大変だ。このパームパイロットにはあらかじめJavaOneコンファレンスのスケジュールが記録されていたり、ToDoリストには「参加者アンケートに答える」などとあらかじめ入っていたりする。また、毎朝、会場のマシンで同期することができ、情報をアップデートできるようになっているわけだ。これさえあれば、コンファレンス参加者は分厚いコンファレンスガイドを持ち歩き、スケジュール変更のチェックに奔走しなくてもよいという企画だ。
昨日レポートしたNTTドコモの携帯電話といい、3Comの「Palm V」といい、こうした小型機器にJavaバーチャルマシンが組み込まれ、自ら手にできるというある種のプレゼンテーションは説得力がある。さすがアメリカのプレゼンテーションテクニックだ。
従来はこうした機器は機能が固定されているものだったが、Javaバーチャルマシンが組み込まれていることで、今後は新たな機能を追加できる可能性を感じる。もちろん機能だけではなく、ネットワークとつながることで、新たなサービスを提供できる可能性を感じる。さらにさまざまな機器同士がコミュニケーションを始めたとき、ネットワークコンピューティングは明らかにつぎのステップに入ったことになる。
('99/6/17)
[Reported by IPG Network, Inc.]