掲示板は、開設者を含めてホームページの閲覧者全員が交流できる、非常に便利なシステムだ。
最近では、プロバイダーが会員向けに掲示板を用意していたり、掲示板をレンタルしているサイトも出てきたため、掲示板を設置しやすくなってきた。掲示板を利用して、開設者や閲覧者がうまくコミュニケーションを取っているホームページも多い。そのようなホームページを訪れたとき、「自分のホームページに掲示板を設置したい」と思うこともあるだろう。
そこで、今回は掲示板の設置方法を紹介したい。
●掲示板ってなんだろう?
●レンタル掲示板と自分で設置する掲示板CGIどっちがいい?
●実際にレンタルで掲示板を作成してみよう
●ホームページも掲示板も無料で作成できる「GeoCities」
●掲示板CGIについて
●掲示板CGIを設置しよう
掲示板は「BBS(Bulletin Board System)」とも呼ばれる。駅の伝言板と同様に、そのホームページを訪れた人が読み書きできるシステムだ。掲示板は、WWWサーバーとCGIによって構成される。
用途はさまざまで、特定のテーマに絞って話をする掲示板もあれば、友人知人などの特定の人間だけでフリートークをすることもあるだろう。
まずは、どんな掲示板があるのか、どのように運営されているかを、既存の掲示板を例に見てみよう。以下のページ以外にも、「Tea Cup Communication」などの掲示板レンタルを行なうサービスサイトで掲示板リンク集があるところもある。
■teleparcマルチ掲示板
http://teleparc.com/board/
富士通が運営する「teleparc」。掲示板は、ゲーム、テレビ、トレンド、トラベル、グルメ、プレゼント、Otherの7つのカテゴリに分かれている。すべてのジャンルを一度に閲覧することもできるが、慣れないとわかりにくいかもしれない。投稿するには、ユーザー登録が必要。
■Yahoo!掲示板
http://messages.yahoo.co.jp/
Yahoo!Japanが運営する「Yahoo!掲示板」。ファッション、健康、インターネットといったカテゴリに分かれている。掲示板に投稿もしくは新たに作成する場合は、ユーザー登録する必要がある。
掲示板を設置する方法は、主に2種類ある。無料または有料でレンタルできる「レンタル掲示板」を利用する方法と、CGIが動作するサーバーに自分で「掲示板CGI」を設置する方法だ。
まず、掲示板を設置したいプロバイダー(サーバー)がCGIの使用を許可しているかどうかが問題だ。CGIを許可しないところでは、掲示板CGIの設置はできない。
多くのプロバイダーは、ホームページのサービスを提供しているが、CGIはHTMLファイルのみを公開する場合に比べてサーバーに負荷がかかることから、許可していないところもある。しかし、掲示板サービスを望むユーザーも多いため、プロバイダーが用意した掲示板やカウンターであれば利用できるところもある。
よく「レンタル掲示板と掲示板CGIを設置するのと、どっちがいい?」と相談されることがある。どちらも読める/書けるという掲示板の基本機能は同じだ。そのうち、ホームページを作り始めたばかりの初心者は、やはり「レンタル掲示板」を借りることをお勧めする。一方、ある程度知識があり、CGIを動作するWWWサーバーを所有している人は、「掲示板CGI」を自分で設置してみるのもいいだろう。
「レンタル掲示板」の大きなメリットは、知識がなくても簡単に作れるところだ。新たにWWWサーバーを借りる手間もなく、気軽に運用できる。無料で借りられる掲示板も多いが、その場合は掲示板に広告が入ったりし、また自分で掲示板を設置するような細かいカスタマイズは難しい。
一方、「掲示板CGI」は自分で設置する苦労はあるものの、掲示板CGIを自分でカスタマイズ(改造)することが可能で、画面構成を好きなように変更したり、掲示板でさまざまなサービスを連動させることもできる。
ただし、最近は「レンタル掲示板」サービスも多種多様になってきており、有料のものでは細かいカスタマイズができるところもある。
レンタルで掲示板を作成するのは非常に簡単だ。WWW上の作成フォームから、掲示板の配色や背景の指定や名前やメールアドレスなどを登録するだけで済むところが多い。
ここでは、「Tea Cup Communication」を例に、実際にレンタル掲示板を利用してみることにする。
まず、「Tea Cup Communication」のサイトにアクセスし「無料掲示板作成」ページにジャンプする。ここで、掲示板の背景色や背景の画像、掲示板のタイトル、「ホームページへ」ボタンを押されたときのジャンプ先、ユーザーID、パスワード、名前、メールアドレスなどを指定し「掲示板・伝言板を新規に作成する」を押すと即時に掲示板が作成される。数十分もあればできてしまう手軽さだ。
なお、指定内容は、ユーザーID、パスワード、交付されるシーケンスナンバー(4桁の番号)があれば後で変更可能なので、わからない部分は後で指定すればよいだろう。また、設定結果もメールで配送されるので、パスワードさえ覚えておけばよい。
作成できたら、自分のホームページを持っている人はリンクを貼ってみよう。思った以上に簡単に、レンタル掲示板を作ることができる。
■Tea Cup Communication
http://www.tcup.com/
http://www.tcup.com/town.html (掲示板タウン)
掲示板レンタルの大手「Tea Cup」。無料掲示板のほか、セキュリティ機能などを付加した月々200円~の有料の高機能掲示板もある。「掲示板タウン」に登録すれば、自分の掲示板を多くの人に宣伝できるので、書き込みが少なくて困っている人や仲間作りをしたい場合はぜひ利用しよう。
■CGIセンター
http://www.simple-j.com/cgi-center/ccmenu.cgi
Tea Cupと同様に、掲示板レンタルを行なっている「CGIセンター」。個人の無料掲示板(2つめ以上は有料)ほか、企業向けの有料掲示板(月額10,000円~)もある。背景や配色を自由に変えられるほか、書き込みの際に画像を貼り付けることもでき、いたずらな書き込みをする訪問者を拒否できるなど、細かい設定が行なえる。掲示板に広告が入らないのもポイント。
読者の中には、ホームページを持っていないという人もいるだろう。そんな人に朗報なのが「GeoCities」だ。ここでは、無料で4MB~8Mのホームページスペースが得られ、電子メールが利用できるほか、掲示板やカウンターも設置できる。
ただし、広告主やスポンサーからの広告料収入によって運営されているため、設置したページにはすべて広告が付く。人気があるため、サーバーが重いなどの不具合もある。
GeoCitiesを利用するのは簡単だ。ホームページにアクセスして「今すぐ参加」ページに行くと、どのコミュニティスペースに住みたいかを選ぶようになっている。空きスペースがあれば、そこに自分のホームページが作れるというもの。後は、必要事項やアンケートに答えるだけで、メールでパスワードが送られてくる。
「GeoCities」で利用できる掲示板は「ゲストブック」と呼ばれるもの。実際に「ゲストブック」を作るには、WWW上からメニューに従って進めていくだけで作成できる。
なお、現在「ジオボード」という新型の掲示板もテスト中だ。こちらは細かいカスタマイズもできる。正式サービスを期待しよう。
■ジオシティーズ ジャパン
http://www.geocities.co.jp/
日本最大の無料ホームページサービスサイト。日本を中心に約20万人以上のユーザーが利用している。ホームページには、掲示板、カウンター、チャットなど数多くのツールが用意されている。
続いて、掲示板CGIについて紹介しよう。CGIは正式には「Common Gateway Interface」と呼ばれ、WWWサーバーと連動して動作するプログラムだ。
プログラムを自分でプログラミングすれば、自分の好きなように動作する掲示板を作ることができるのだが、そのためには、C言語やPerlなどの知識も必要となる。
最近では自分でイチからプログラミングをしなくても、フリーソフトやシェアウェアなどの形態で配布されている掲示板CGIもある。これを利用すればプログラミングの知識がなくても、掲示板CGIが設置できる。今後プログラミングしてみたい人も、CGIを理解する上でまずはこのような掲示板CGIから始めてみてはいかがだろう。
掲示板CGIのメリットは、レンタル掲示板と違い、オリジナルの掲示板や多種多様の掲示板プログラムの中から気に入ったものをダウンロードして使ったり、掲示板CGIをプログラムレベルで少しずつ改造していき、自分の好みに近づけていったりできることだ。
以下に掲示板CGIを配布しているサイト、作成に参考になるサイトを紹介する。掲示板CGIを配布しているサイトでは、デモを用意しているところも多いので、デモを試して気に入ったものを見つけよう。
■ネットサーフレスキュー[Web裏技]
http://www.rescue.ne.jp/
各種の有名なCGIがダウンロードできる。掲示板設置情報も数々掲載されており、自分のサーバー用の情報があれば悩むことなく掲載できる。自分のサーバーの情報がなくてもヒントになる。
■カスタム掲示板
http://www2.inforyoma.or.jp/~terra/cgi/custom/index.htm
Perlの場所や背景、配色などを指定すると、自分用にカスタマイズされた掲示板CGIをダウンロードできるサイト。作成中にプレビューしながらカスタマイズできるので、とてもわかりやすい。カスタマイズがわからない人にオススメ。
■TryTheHomePage
http://www2.inforyoma.or.jp/~terra/
各種のCGIがダウンロードできる。プログラムはWeb経由でなくメールで送られるので、ダウンロードを知らない初心者に最適。
■KENT WEB
http://www.lemon.ne.jp/~kent/
各種のCGIがダウンロードできる。掲示板を設置するための情報のほか、自宅マシンでテスト環境を作成するための情報もある。
■Japan Famous CGI Server
http://japan.cgiserver.net/
フリーから商用まで幅広く取り扱っている。かなり気合の入った「CWE98PE2」など、有料でも使いたい掲示板もある。
■Perlで作るCGI入門
http://www.st.rim.or.jp/~hyuki/cgibook/
http://www.st.rim.or.jp/~hyuki/cgibook2/
結城浩著の「Perlで作るCGI入門」(ソフトバンク刊)および「~応用編」について、補足やバグ報告などを著者自らサポートするサイト。掲示板CGIなどをダウンロードすることもできる。
■とほほのWWW入門
http://wakusei.cplaza.ne.jp/twn/www.htm
ホームページ構築のためのいろいろな情報を解説している。掲示板CGIの説明ページでダウンロードすることも可能。数多くのプロバイダーでの動作確認についても書かれている。
■MASHI's PLACE
http://www.m-kato.com/mashi/
Matt's Script Archiveの「WWWBOARD」などのCGIを日本語対応にして配布している。ただし、Matt's
Script Archiveがバージョンアップしてもすぐに更新されない。中級者には海外の掲示板CGIを日本語対応させる方法の勉強にも使える。
■Matt's Script Archive
http://www.worldwidemart.com/scripts/
各種の世界的に有名なCGIがダウンロードできる。「GUESTBOOK」や「WWWBOARD」が掲示板CGIにあたる。海外のサイトであるため説明はすべて英語。CGIの設置は世界共通で、英語がわからなくても問題はないが、漢字を使うことを前提としていないため、設置したサーバーによっては文字化けに悩むこともある。
では、実際に掲示板CGIを設置する方法を紹介しよう。
ここでは「ネットサーフレスキュー[Web裏技]」に掲載されている簡易電子掲示板スクリプト「簡易BBS」を例に紹介する。これ以外の掲示板CGIの場合も似たような手順になると思うので、掲示板CGIに付属されている説明書やホームページを見て作業しよう。
【掲示板を設置する手順】
WindowsのソフトがWindowsでなければ動作しないように、掲示板CGIも想定された環境でなければ動作しない。
「簡易BBS」はUNIX上の「Perl」をターゲットにして作られたものなので、これを設置する場合はUNIXサーバーでかつPerlがインストールされている必要がある。
自分のプロバイダー(あるいは自分のサーバー)が掲示板CGIの動作する動作する環境かどうかを調べるには、プロバイダーなどが用意している説明書を確認する方法が良いだろう。ここで、サーバーOSの種類やPerlの有無、Perlのバージョンなどが「簡易BBS」の動作環境に合うかどうかを確認しよう。
また、プロバイダーによってはCGIの機能の一部が制限されていることもあるので、それも確認しよう。「簡易BBS」は多くの環境で動作するよう作られているが、プロバイダーの制限によって動作しなかったり、一部の機能が使えなかったりすることもあるようだ。
なお、掲示板CGIのドキュメントや配布サイトに、プロバイダー別の動作確認について書かれていることもある。その場合は確認は簡単だ。
どう調べても環境がわからない場合は、プロバイダーなどに質問して確かめる方法もある。ただし、「このCGIは動作するのでしょうか?」といきなり尋ねられても、プロバイダー側では困ってしまう。あくまでも「CGIは動作するのか?
どのような制限がなされているのか?」など動作環境の必要項目を具体的に確認して、後は自分で掲示板CGIの説明書と照らし合わせよう。
「簡易BBS」では、v10.30、v9.06、v8.92など複数のバージョンが用意されている。v8.92はHTMLタグの書き込みの制限を細かく設定できるバージョン、v9.06はHTMLタグの書き込みが禁止されているバージョン、v10.30は検索機能がついているバージョンだ。ほか、上位バージョンが動作しないサーバーのためにv8.8以下も用意されている。
ここではHTMLタグを書き込め細かく制限設定ができるv8.92をダウンロードすることにする。
また、CGIをダウンロードするときには、先に必要なファイルをチェックしておこう。CGIによって、本体さえダウンロードすればいいものや、データファイルなども別にダウンロードする必要があるもの、他のサイトなどから必要な外部プログラムをダウンロードする必要があるものなどがある。
「簡易BBS v8.92」の場合、ダウンロードするファイルは「minibbs.cgi」だが、別途、漢字コード変換プログラム「jcode.pl」もダウンロードする必要がある。ただし、jcode.plがすでにサーバーで用意されている場合は必要ない(後述)。また「v8.92設置の手引き」もファイルにセーブして、いつでも読めるようにしておこう。
■ネットサーフレスキュー - 簡易BBS
http://www.rescue.ne.jp/cgi-rescue/cgi?minibbs1
http://www.ask.ne.jp/~rescue/cgi/minibbs/8.92/minibbs.cgi(簡易BBSv8.92)
http://www.ask.ne.jp/~rescue/cgi/minibbs/8.92/setup.txt(v8.92設置の手引き)
■漢字コードコンバートPerlライブラリ「jcode.pl」
ftp://ftp.iij.ad.jp/pub/IIJ/dist/utashiro/perl/
ダウンロードした掲示板CGIを動作させるには、プログラムの一部をサーバーに合わせて、テキストエディターで書き換えなければならない。難しい作業ではあるが、掲示板CGIの中に「ここを書き換える」といった説明があるので安心してほしい。
「簡易BBS」の「minibbs.cgi」の場合は、以下のとおりだ。
Perlで組まれた掲示板CGIは、一番先頭の行に「Perl」の場所が書かれている。これをインストールするサーバーに合わせる必要がある。
「簡易BBS」はオリジナルでは「#!/usr/local/bin/perl」となっている。/usr/local/bin/perl以外ににPerlがある場合は、「#!」以降を書き換えよう。
「簡易BBS」など多くのCGIでは、漢字コードを変換する外部プログラム「jcode.pl」が必要となる。jcode.plが用意されていないサーバーでは、「3:」でダウンロードしたものがそのまま使える。この場合、何も書きかえる必要はない。
サーバーにすでに「jcode.pl」が用意されている場合は、そちらを使うこともできる。この場合、minibbs.cgiの中でjcode.plを呼び出している部分を書き換える必要がある。オリジナルでは「require
'./jcode.pl';」となっている。これを、サーバーに用意されている場所に合わせて、「require
'/usr/local/bin/jcode.pl';」などのように変更する。
「簡易BBS」などいくつかの掲示板CGIでは、掲示板に書き込みがあるとメールで知らせる機能がある。オリジナルではメール機能を使わないようになっているが、「sendmail」を呼び出せる環境であれば、使うように設定することもできる。それには、「$s_mail
= 0;」の箇所を「$s_mail = 1;」とすればよい。そして、「$sendmail = '/usr/lib/sendmail';」の箇所を、自分のサーバーのsendmailの場所に合わせる。最後に、「$mailto
= 'user@mail.host';」の部分を自分のメールアドレスに設定する。ここを間違うとプロバイダーや管理者に迷惑がかかるので十分に注意しよう。
なお、不正なメール送信を避けるために、CGIからのsendmailの使用を禁止しているプロバイダーも多い。そのため、あらかじめsendmailが使えるか確かめておく必要がある。また、この設定が元で掲示板CGIが動作しないことも考えられるため、この設定を使うとしても、一通り動作することが確認できてからで十分だろう。
その他、説明書をよく読むか、掲示板CGIの中で「必ず設定してください」などのように書いてある部分を探すかして、必要事項を書き換えよう。
「簡易BBS」の場合は、「$title = 」、「$reload = 」、「$modoru = 」が書き換え必須項目となっている。書き換える場合には、「=」の後が「'」で始まり、最後が「';」で終わるという条件を崩してはいけない。
また、海外のWWWサーバーを使用する場合、書き込み時間を日本時間に合わせるために時間を処理する部分を設定変更する必要がある。これは、一度動かして書き込みテストをしてから時間のズレを調整したほうが、正確に時間を調整できるだろう。設定場所は、($sec,$min,$hour,$mday,$mon,$year,$wday,$yday,$isdst)
= localtime($times);の部分だ。
掲示板の配色など自分の好みにカスタマイズして、楽しい掲示板にすることができるのが掲示板CGIを使う特徴だ。ただし、この設定を間違うと動作しなくなることがある。カスタマイズする場合は、一度、動作を確認してからにしよう。
「簡易BBS」の場合は、カスタマイズしやすいようになっており、背景の色を決める「$body
= 」「$title_back = 」、書き込みの量を決める「$max_size = 」「$def = 」などをカスタマイズできる。例えば、背景の色はオリジナルでは、「$body
= '<body bgcolor="#ffeedd">';」となっているが、画像ファイルなどを使用して
「$body = '<body background="back.gif">';」とするのもいいだろう。
掲示板CGIによっては本体以外のファイルが必要になることがある。「簡易BBS」の場合は、サイズが0バイトの「data.cgi」というファイルを作成する必要がある。メモ帳などでなにも入力せずにdata.cgiというファイルに保存すれば0バイトのファイルができる。
掲示板CGIの設定や本体以外ファイルの設定が済んだら、サーバー側のために掲示板CGIを設置する準備をする。
WWWサーバーやプロバイダーによっては、掲示板CGIを動作させるために、「.htaccess」というファイルを作成する必要がある。必要かどうかは「2:」で説明したとおり、サーバーやプロバイダーの説明書を確認すること。サーバーによっては不要であったり、逆にこのファイルがあると動作しなくなることもある。
このファイルを作るには、「.htaccess」というファイルを新規で作成し、「AddType application/x-httpd-cgi
.cgi」と書いてセーブする。これを、掲示板CGIをアップロードするときに一緒に転送すればよい。
管理しやすいように、掲示板CGIはトップページと同じディレクトリではなく別のディレクトリを作成して、そこに置くようにしよう。また、「簡易BBS」の場合は、そのディレクトリに「data」というディレクトリが必要になるので、それも作成する。
なお、プロバイダーやサーバーによって、CGIを置くディレクトリの指定は、主に2種類に分かれる。
比較的簡単なのは、cgi-binなどのCGI専用ディレクトリを用意しておらず、自分のディレクトリの下の好きなところにCGIを設置してもよい場合だ。この場合は上に説明したとおり、掲示板CGI用ディレクトリを作り、そのディレクトリに「data」ディレクトリを作成する。
少し難しいのは、CGI用の専用ディレクトリが用意されており、そのディレクトリでのみCGIが動作する場合だ。この場合、CGIとデータファイルを別々のディレクトリに置く必要があり、minibbs.cgiの中のデータファイルの場所も書きかえる必要がある。dataディレクトリを「/home/user/public_html/bbs/data」に作った場合なら、「$tmp_dir
= './data';」とある部分を「$tmp_dir = '/home/user/public_html/bbs/data';」と書き換える。
いよいよ、用意した掲示板CGI本体とデータファイル、jcode.pl、.htaccessなどの関連ファイルをサーバーにアップロードする。掲示板CGI用に作成したディレクトリ(CGI専用ディレクトリがある場合はそのディレクトリ)にminibbs.cgiとjcode.plを(必要に応じて.htaccessも)転送し、dataディレクトリにdata.cgiを転送する。
アップロードにはFTPクライアントを使用する。このとき注意するのは、いままで説明したファイルはすべてアスキーファイルなので、「アスキーモード」で転送するのを忘れないことだ。ただし、壁紙などの画像もアップロードする場合には「バイナリーモード」で転送する。
FTPクライアントによっては、.txtのファイルはアスキーモードで、.cgiや.plのファイルはバイナリーモードで転送されることがある。FTPクライアントの設定をよく確かめよう。
ファイルを転送したら、転送したファイルや作成したディレクトリのパーミッション(権限)を、掲示板CGIが動作するために設定する必要がある。パーミッションを設定するには、UNIXとそのサーバーのシステムを学んでおく必要がある。
「簡易BBS」の場合は、作成したディレクトリとminibbs.cgiは「755」、jcode.plや.htaccessは「644」に設定するのが基本となる。
パーミッションをどう設定するかは、CGIやサーバーによって設定が異なるので、説明書を参考にしよう。また、設定をしっかりしておかないと、同じプロバイダーの別のユーザーによってファイルを消されたり、書きかえられたりするという可能性もあるので、十分に注意しよう。
この時点でほとんどの場合は動作すると思われるので、実際に掲示板にアクセスしてみよう。アクセスできたら書き込みをして、書き込み内容や書き込み時刻に問題がないか確認しよう。
この時点で動作しない場合には、設定が足りないこともある。
エラーの確認で一番基本なのは、WWWサーバーのerror_logファイルを確認することだ。ただし、プロバイダーなどでerror_logを含むログが見られないサーバーもある。そのような時はエラーを推測する必要がある。次の箇所を点検してほしい。
掲示板CGIや関連ファイルはすべてアスキーファイルであるため、アスキーモードでアップロードしなければならない。これを間違えれば動作はしない。また、アップロードの時にファイルが途中で切れてしまっていることもあるので、ファイルサイズを確認するなどして、もう一度アップロードしてみよう。
本体の実行権や、ディレクトリやファイルの書込権がなければ、動作に失敗しエラーになってしまう。これを間違えると動作はしない。
自分用のメッセージを表示するためにいろいろと文字を変更した場合、余分な文字まで消してしまったりして掲示板CGIを壊してしまうことがある。また、サーバーによっては漢字コードをJISやEUCに変更するなどの注意をしなければならない場合もある。
もともとその掲示板CGIがそのサーバーに対応していないということもある。どう
しても動作しない場合には、相談することによって作者が対応してくれることもある。
ただし、作者に問い合わせる場合は、上の条件などを全てクリアし、メッセージの変更や改造などをしていない状態で動作しないことがはっきりわかってからにしよう。
それでもどうしても動作しなければ、レンタル掲示板を利用する方法をとろう。
レンタル掲示板を設置した場合も、掲示板CGIを設置した場合も、運用やメンテナン
スに関しては同じような悩みがつきまとう。では、どんなことが大事なのだろうか。
掲示板を設置しただけでは、なかなか書き込みはないだろう。まず、ホームページに掲示板へのリンクを追加して、ホームページを訪れる人が掲示板に来れるようにしよう。また、友達や知人にメールで知らせたり、検索エンジンに登録するなどして、掲示板を人に知らせよう。もちろん、友達だけで連絡を取り合うための掲示板ならば、ホームページへリンクを追加するのも、検索エンジンへ登録するのも不要だ。
掲示板に書き込みがあったら、できるだけ早く返事を書き込もう。書き込みをした人は返事を期待して再び掲示板へ訪れるが、返事がなければ読みにも来なくなり、書き込みもなくなってしまう。また、書き込みがないと読みに来る人がいなくなるため、開設者は誰の書き込みがなくてもなにか話題を提供しよう。
一部のレンタル掲示板や掲示板CGIに備わっている書き込みがあったことを知らせてくれる「メール機能」は非常に便利だ。ただ、メールで書き込み内容が知らされるために掲示板に行かなくなる場合もあるが、それはやめて、メールで来た内容を掲示板に行って確認するようにしよう。それ以外の方法としてはホームページの更新をチェックするソフトを利用する方法がある。IEのお気に入りの更新チェックや、Windowsの「WWWC」というホームページ更新チェックソフトなどを利用しよう。
掲示板は公開すると、駅の伝言板のように誰でも訪れることができるため、意味のない書き込みをしたり、大量に書き込みを行なったり、HTMLタグを書き込んで掲示板にいたずらする人が現れることがある。
これらの書き込みは開設者にとって非常にショックなことであると同時に、掲示板の閲覧者も非常に不愉快になる。不正な書き込み内容は、すぐに削除しよう。削除は、ホームページ上から1つ1つ消すか、掲示板CGIならばデーターファイルを更新してしまえばよい。
場合によっては保存メッセージ数を越えるほどの大量の書き込みをし、すべてのメッセージを消そうとすることもあるだろう。そのような場合は掲示板を一旦停止して対策を考えよう。
その後、再び同じような被害がある場合は、レンタル掲示板を借りている場合は管理者に相談したほうがよい。掲示板CGIを使っている場合は、同一のユーザーからは時間を置かなければ書き込みができないようにする方法が考えられる。
特定のアドレスからの書き込みを禁止する方法もあるが、ダイヤルアップユーザーは毎回アドレスがかわるので意味がない。また、書き込んだユーザーを特定できないようにするProxy経由の書き込みを禁止する方法もあるが、企業ユーザーはProxy経由で参加することが多いため注意しなければならない。
不正なHTMLタグを書き込んで、アダルトな画像を表示させたり、自動で別のページにジャンプさせたり、フォントを変更して閉じないといったいたずらをされることもある。この被害が絶えない場合は、すべてのタグを禁止することも考えた方がよい。すべてのタグを禁止すると掲示板を楽しめないといった場合は、必要なタグだけ許可をするようにする。
ちなみに「簡易BBS」は書き込まれたくないタグのみ禁止する仕組みをとっている。このように書き込まれたくないタグを禁止する仕組みでは、できるだけすべてのタグを禁止し、必要なタグだけ許可をするようにしよう。
その他、公序良俗に反する書き込みも放置せず、すぐに削除をしよう。
掲示板を開くことによって、被害を受けることもあることを頭にいれておいたほうがよい。もちろん、それ以上に掲示板を設置して楽しいこともたくさんあるので、うまく掲示板を設置/運用して楽んでほしい。
('99/6/21)
[Reported by ymasa@wizvax.net]