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【金融サービス】

ソフトバンク・ファイナンスグループが事業戦略を発表
アコムと合弁会社設立、イー・トレードは新手数料

■URL
http://www.softbank.co.jp/sbadmin/sbprofj3.htm

 インターネット利用の金融サービス事業を展開するソフトバンク・ファイナンスグループは1日、新事業展開や今後の戦略について説明した。

 ソフトバンク・ファイナンス(ソフトバンクの100%子会社)は、消費者ローン大手のアコムとインターネット上で消費者ローンやクレジットカードの顧客開拓、申し込み受け付けの取次ぎサービスを手がける合弁会社「イー・ネットカード」を設立することで合意したと発表した。本年10月に設立、資本金は3億円、出資比率はアコムが51%、ソフトバンク・ファイナンスが49%となる予定。サービスの開始は本年12月の見込み。

 一方、イー・トレード証券は手数料完全自由化となる10月へ向けて新手数料体系を発表した。インターネット取引の場合、指値、成行注文ともに約定代金100万円以下は2,500円、同100万円超は約定代金の0.25%。ただし、上限は75,000円、約定代金3,000万円以上は一律75,000円。電話取引(コールセンター、現在はこの取引のみで営業)の場合、指値、成行ともに約定代金100万円以下は4,000円、同100万円超は約定代金の0.4%。ただし、上限は120,000円、約定代金3,000万円以上は一律120,000円。なお、この手数料は売買回数に応じてさらにディスカウントするプログラムを今後検討する予定となっている。また、日本航空との提携により手数料に応じてマイルを提供するJALマイレージプログラムも10月1日からスタートさせる。

 北尾吉孝ソフトバンク・ファイナンス代表取締役社長は「インターネットを駆使し、金融の次世代に向けた流れを的確につかみWeb上のワンストップ総合金融サービスの実現へ向け、最強の金融グループを形成していく」と述べた。グループ各社のシナジー効果をいっそう追求していく上で、今後の課題としては、リース業の展開(すでに合弁会社を設立することが決まっている)、流動性の低い社債のための市場創立、米国ファニーメイのような住宅ローン市場の創立、ネットバンキング(銀行業務)、既存のものよりインパクトが大きい未公開企業の株式を取り扱う証券会社とその流通市場の創立を挙げた。そして、同グループ各社の今後の展開等については以下の説明があった。

 ■フォレックスバンク:1998年10月に設立されたが、本年5月にアイルランドCOGNOTECが42%出資(ソフトバンク・ファイナンス56%)して合弁会社になった。法人や個人がインターネットを利用して外国為替の売買を実行できるCOGNOTECの「AutoDeal LITE」(外国為替ディーリングをインターネットを使うことでリアルタイムに行うためのソリューション)を金融機関に提供する。営業はすでに5月から開始されており、数社の金融機関と具体的な交渉が進行中。本年中のサービス開始を目指したが、2000年問題もあり遅くとも来年前半には複数の金融機関にてサービスを開始してもらうよう検討中。Webは http://www.forexbank.co.jp/ だが準備中。

 ■イー・ローン:ソフトバンク・ファイナンス60%、米国E-Loan(Nasdaq:EELN)40%の合弁で本年5月に資本金5億円で設立された。金融機関と消費者(住宅や自動車などローン借入希望者)がインターネットを通じて一堂に集う「ローン商品の比較・検索市場」を提供する。自分が選択したローン商品の申し込みも可能にする。Webは http://www.eloan.co.jp/ で9月10日前後に開設予定。来年3月には本格営業開始。

 ■インズウェブ:1998年12月に設立。出資比率は、ソフトバンク・ファイナンス55%、米国InsWeb(Nasdaq:INSW)25%、Marsh & McLennan Companies(NYSE:MMC)20%で、最終出資社としてMicrosoft(Nasdaq:MSFT)が2%程度の参画を予定している。インターネットを通じた生命・損害保険にかかわる技術・情報提供サービス、いわゆる保険のポータルを展開していく。Webは本年末に開設し2000年春に自動車保険を取扱商品第1号として見積もり提供サービスを開始する予定。その後順次、海外旅行傷害保険や定期生命保険等その他の商品を提供していく。

 ■モーニングスター:昨年3月に設立され、同12月からWebサービスを開始している。株主構成は、ワラント行使後ベースでソフトバンク・ファイナンス53.4%、米国Morningstar42.7%、東洋経済新報社3.9%。国内外の投資信託を中心とした投資情報サービスを提供している。Webは http://www.morningstar.co.jp/ で、ページビューは本年1-3月期100万ページだったのが7-8月の2ヶ月だけで193万ページ、同ユーザー数は累計5万人だったのが17万5,000人。

 ■イー・アドバイザー:本年6月に設立。株主は、ソフトバンク・ファイナンスが67%、米国ファイナンシャルプランニング(FP)の先駆者DirectAdviceが22%、マイクロソフトが5%、日本のFPのパイオニアでプランナー8万人を抱えるきんざいが2%、富士銀行が2%、電通が2%。インターネットを通じたFPを最新技術を使って提供する。2000年1月初旬にサービス開始予定。

 ■サイバーキャッシュ:1997年4月に設立。株主は、米国CyberCash(Nasdaq:CYCH)が39.4%、ソフトバンク・コンテンツ・パートナーズが22.8%、ソフトバンク・ファイナンスが16.6%、三井物産が10.4%、オムロンが8.3%、オリックスが2.5%。オンライン電子決済サービスを提供しており、EC店舗(顧客)状況は現在91店舗。月間100から200の顧客獲得を狙い、2000年3月末には1,000店舗獲得を目指している。ワンクリックショッピングが可能な新サービスInstaBuyも導入していく。Webは http://www.cybercash.co.jp/

 ■ソフトバンク・インベストメント:本年7月にソフトバンク・ファイナンス100%で設立。会員制による株式公開コンサルティング、ベンチャーキャピタルの運営管理を行ない、10月1日からサービスを開始する予定となっている。

('99/9/1)

[Reported by betsui@impress.co.jp]


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