リクルートに聞く「Pocket ISIZE」

　リクルートは、今年の1月、WWW上のサービスをリニューアルし「ISIZE」として統一したが、今度はiモードやEZweb/EZaccess向けのサービス「Pocket ISIZE」を9月1日より開始した。

　今回は、「IPocket ISIZE」の利用状況や、今後の展開などについて、株式会社リクルート ISIZE局　広報宣伝担当の吉田氏にお話を伺った。

■Pocket ISIZE
http://www.isize.com/top/pocket/

IW編：9月1日からサービスが開始されましたが、まずは利用状況について教えてください。

吉田：おかげさまでかなり好調です。サービス開始から一週間で、12万人のユニークユーザーからのアクセスがありました。Pocket ISIZEは、閲覧ページ数ではなく、利用者数の記録がとれるんです。iモードの利用ユーザーは、8月に100万台を突破して、1万件／日の加入があるという発表がありましたが、それを考えると、だいたいiモードユーザーの1割が、Pocket ISIZEを利用していただいてる計算になります。

吉田：予想以上の反響で、問い合わせも日に300件ぐらいあります。iモードには、オンライン上のブックマークのような、iモードのサーバーへの登録の機能（マイメニュー）があるのですが、それに13%の方が登録してくださっています。

IW編：どんなコンテンツが人気がありますか？

吉田：「割引グルメガイド」や「マル得メールマガジン」などが人気です。メールマガジンは、音楽やプレゼント、サッカー情報、シネマと4つのジャンルがありますが、一番人気があるのがプレゼント情報で、次に音楽情報なんです。

IW編：どちらも有料サービスですが（グルメガイドの検索のみは無料）、有料サービスを利用しているユーザーはどのくらいいるのでしょうか。

吉田：現在、ご契約いただいている方が約5千人います。メルマガサービスは、3回のお試し利用ができるのですが、有料利用者の予備軍ともいえるお試し利用者がさらに1万1千人います。試してから有料申し込み、というパターンよりも、いきなり有料申し込みをする人が思った以上に多いですね。今まで、Webで課金するのにかなり苦労してきましたが、まだ始めて一週間でこの数字になるなんて、これまではなんだろうと思っちゃいますね(笑)。

IW編：ビジネス展開としては、有料購読の収入と広告で行なっていくのですか？

吉田：現在、基本的に広告は入れられませんので、読者からの購読料のみで運用していきます。

IW編：iモードのほかに、EZweb/EZaccessでもサービスを行なっていらっしゃいますね。

吉田：EZweb/EZaccessでは、現在課金システムがないので、現在iモード向けに行なっているような有料サービスはありませんが、それ以外は同じです。もちろん、課金システムができれば、同じようにサービス展開していきます。もし、iモードやEZweb/EZaccessのほかに、新たにサービスが出てきた場合は、順次それにも対応していきたいと思っています。

IW編：さまざまま端末に対応していくのは大変なのではないかと思うのですが、そのあたりはどうでしょう。

吉田：元になるデータベースはすでにできていますので、後はそれをどう見せるか、どう吐き出すかというところですから、それほど大変ではないですね。

IW編：なるほど。ところで、グルメガイドに出てくる地図はどのようにして作っているのでしょうか。

吉田：これは、ひとつひとつ手で書いています(笑)。でも、専用のアプリケーションを作りまして、それを作ってからは楽になりました。現在、1,600件のグルメ情報があるんですが、そのうち1,000件ぐらいの地図があります。10月1日からは関西の賃貸情報で間取りが見られるようになります。また順次地域を拡大していく予定です。

IW編：このPocket ISIZEを作るまでの時間というのは、どのくらいかかったんですか？

吉田：：今年の6月ぐらいから本格的に開始したので、およそ2～3カ月ぐらいです。もちろん、ISIZEを立ち上げた（'99年1月11日開始）ときから、すでに携帯端末でのサービスを予定してはいましたから、しばらくはiモードなどを実際に使ってみて、どういうふうに作り込むかなどを考えていました。

IW編：実際に、Pocket ISIZEを利用してみたのですが、過去に検索したものをシステム側で覚えていて、ボタン一つですぐに再検索できるのは、非常に便利ですね。

吉田：これまでリクルートがWWW上で使ってきた技術を使っていまして、これは大きな特徴だと思っています。リクルートでは、スタートページ、マイイサイズなどのカスタマイズページの研究を'96年から行なっているんです。

IW編：全体的にかなり便利だと思ったのですが、グルメ検索のところで、駅名から検索ができるといいなと思いました。では、最後に、今後のPocket ISIZEの展開についてお聞かせください。

吉田：まずは、10月1日にフロムエーのサービスが始まります。その後、音楽アーティスト別のメールマガジンなどメルマガコンテンツを追加し、12月には「リクナビ」をスタートさせる予定です。これは、就職のセミナースケジュールが携帯端末でチェックできるだけでなく、セミナーの予約までできてしまうというものです。携帯端末ユーザーの年齢層からいっても、これは、かなり話題になるんじゃないかと思っています。

IW編：ありがとうございました。

('99/9/10)

[Reported by junko@impress.co.jp]