■URL
http://www.autostrade.co.jp/products/rps.htm
大分県のベンチャー企業アウストラーダが、インターネットの中にある3次元データを簡単に実物化する技術を開発、製品化した「E-DARTSインターネットプリンタ」を9月からサンプル出荷しはじめた。
3次元データ(VRML、STL)を元に比較的短い時間、低コストで光造形法(積層造形法)を用いプラスティックモデルを作ることができる。光造形法とは、光に当てると固まる特性をもった樹脂による成形法のひとつ。E-DARTSは、本体がちょうど電子レンジの大きさ、かたちで、内部は樹脂層、駆動装置、造形ベース(昇降ステージ)で構成される。樹脂層は底が透明になっており、下から半導体レーザー光を照射し硬化させる。硬化された樹脂は造形ベースとともに引き上げられ、繰り返し作業することで完成していく。
アウストラーダは、文章を送るようにFAXで立体モデルを送れないか、インターネットで製品を送れないか、飛行機よりも早く製品を送れないか、などの発想から開発に着手した。従来のような音や画像の移動に加え、モノを移動させる手段として開発したわけだ。ただし、念のため断っておくが、まったく同じモノが転送されるわけではない。あくまでもそのモノの立体モデルである。つまり、郵便物では実物が到着するがFAXではトナー等によって実物らしいものを描写しているわけで、E-DARTSもトナーの代わりが樹脂という理屈。
光造形法を利用した同様の立体モデル化は、すでに米国3D Systemsなどが自動車メーカーなど大企業向けに5千万円以上する大型の製造装置を手掛けているが、アウストラーダの装置、システムはインターネット端末の用途としての視野も含め個人をターゲットとしている。よって、システム価格も298万円と低価格化に成功している。分野としては、個人ならフィギュアやオブジェなどが考えられよう。もちろん、部品・金型の試作や医療のCTスキャン装置データからの立体モデルなど、これまで光造形法で用いられてきた分野でも低コストで使える。平成12年度は200台の生産を予定。
('99/9/13)
[Reported by betsui@impress.co.jp]