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■URL
http://www.gtri.gatech.edu/res-news/TGAME.html
http://www.cc.gatech.edu/elc/turing/
オンラインでの「あなた」がどのような人であるかを見極めるのはそう簡単なことではない。例えば、実際は男性であるのにオンラインでは女性であるかのように振る舞う「ネットおかま」の存在はよく知られている。ではオンラインでのその人のアイデンティティを決めるのは一体どのような要素なのか。ジョージア工科大学の大学院生Josyua Berman氏は「The Turing Game」と名付けたオンラインゲームによってその答えを見いだそうとしている。
このゲームの名前はチューリングテストという人工知能を見極める試験方法を考え出した英国の数学者Alan Turingに基づいている。チューリングテストではブラックボックスの中にいる人物が男性か女性であるかを書かれた内容によってのみ識別することが出来るかを試すというものだ。
「The Turing Game」ではこのテストをオンラインで行ない、チャットの内容から誰が嘘をついているのかを見分けようとする。その過程を観察することで、オンラインでその人のアイデンティティを定めるのがどのような要素なのか、性別、年齢、人種、宗教、国籍、その他の文化的な要因を分析する。
例えば、たった一人男性がいるグループに対してその男性を識別できるような質問を投げかけてみる。「最後の恋人の一番嫌だったところはどんなことですか。」これにたいしてBobは「彼女はいつも僕に一緒にいて欲しかったんだ」、Davidは「彼女はどんなことについてもあれこれ言うんだ」、Joeは「彼女は『ねちっこい』タイプだったんだ。一時間置きに報告を入れないといけない気分だったよ」と答えた。この中で本当に男性だったのはDavidだった。
こうした研究の意義についてBerman氏は「私はオンラインコミュニティーのメンバーに、どんな行動が彼らのオンラインでのアイデンティティを造り上げるか理解できるように助けたいし、またオンラインコミュニティーのデザイナーには彼らの作るコミュニティーが文化的にまた社会的にどの程度受け入れられる物なのかを知る助けにもなりたいと思っている」と述べた。また結果として「性別のない教室」「人種のない法廷」といった新しい種類のオンラインコミュニティーを作れないかどうかも探っている。
現在このゲームには18歳から89歳まで、また6大陸から1,200人以上の人が参加している。
('99/9/14)
[Reported by taiga@scientist.com]