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Priceline.comは13日、Microsoftとその子会社であるExpediaを、Priceline.comの保有する特許を侵害しているとして訴えた事を発表した。
同社によると、両社はNDA契約のもとに、提携関係、priceline.comの知的所有権のライセンスなどを視野に、幹部同士のミーティングを行なっていた時期がある。そのときにMicrosoft幹部の求めに応じてpriceline.comの保有する知的所有権に関する機密情報を明らかにしたことがあるという。この話し合いはpriceline.comの副会長Jay Walker氏とMicrosoftのCFO、Greg Maffei氏(現在Expediaの会長職にある)の会談を含めて続けられたが、Microsoftがpriceline.comに投資をする際に、priceline.com側が株式をIPO価格以下では提供できないことを明らかにした結果、両者の関係は決裂したと言う。
その後、priceline.comのWalker氏とMicrosoft会長のBill Gates氏が会談の機会を持ったが、Walker氏によると、その際Gates氏は、Microsoftが同社の特許権をそのままにはしておかないこと、そしてMicrosoftを特許権侵害で訴えている会社はたくさんあり、priceline.comもそのうちの1つに過ぎないとの内容のことを話したという。その話し合いの数週間後、Microsoftはpriceline.comの特許を直接に侵害すると思われるExpediaのHotel Price Matcher Serviceを開始した。
priceline.comは旅券やホテル予約などのシステムに関して従来とは異なるサービスを開始したことで広く知られている。通常は旅行会社やホテル側が提示した価格を元に利用者が切符を購入するが、同社の方法では利用者の側が価格を提示し、それに応じられる旅行業者やホテルがその権利を落札する。その結果利用者は納得のいく安い値段で切符を手に入れることが出来、また業者側も空いている座席や部屋を有効利用することが出来るというメリットがある。priceline.comではこうした「ビジネスモデル」を現在の所3件特許として保有しており、さらに17の特許を出願している。
米国ではビジネスモデル特許が広く認められており、多くの企業、個人が多数のビジネスモデル特許を出願している。しかしインターネット上では提供するサービスを国境で遮れないために、ビジネスモデル特許が認められていない他の国で提供されるサービスでも米国の特許に抵触する可能性がある。またビジネスモデル特許そのものの存在理由、有効性に疑問を投げかける人もおり、今回priceline.comが特許の権利行使に出たことでそうした議論に一層拍車がかかりそうだ。
('99/10/15)
[Reported by taiga@scientist.com]