Amazon.comは22日、barnesandnoble.comが同社の「1-Click」テクノロジーに関する特許を侵害したとして、木曜日にシアトル地裁に提訴したことを明らかにした。Amazon.comはbarnesandnoble.comに対してこの技術使用の即時停止と損害賠償を求めている。
この「1-Click」テクノロジーは、一度Amazon.comで買い物をした顧客が何度もクレジットカード番号や出荷宛先、出荷方法などを入力しないでもすむように、顧客情報をAmazon.comのデータベースに蓄えておくもの。顧客が再度買い物に来たときにはユーザーネームとパスワードだけで「ワンクリック」で買い物ができる。
Amazon.comによると、この技術は1997年の9月に特許申請がなされ、今年9月28日に米国特許庁より特許権が認められたと言う。
Amazon.comのCEO、Jeff Bezos氏は「我々は1-Clickプロセスを開発するために何千時間も費やしており、この国に特許システムがあるのは人々がこのようなリスクを負ってでも顧客のためにこの種の投資が出来るようにするためだ」と感想を述べている。
この件で取り上げられるようなソフトウェア特許、ビジネスモデル特許に関わる訴訟はインターネットビジネスの繁栄と共に増えてきていると言われている。例えば、最近ではインターネット上のコンピュータシステムを利用した新しい種類の購買、販売方法を開発して特許を取得したPriceline.comがMicrosoftを相手取って特許侵害の訴訟を起こしている。
また、Amazon.comとbarnesandnoble.comはかつて「世界一の書店」の称号を巡って裁判を戦ったこともあった。
('99/10/24)
[Reported by taiga@scientist.com]