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【特集】

ホームページでアンケートをとってみよう

 自分のホームページを訪れる人に、アンケートをとってみたいと思ったことはないだろうか?たとえば、「ホームページにどのような情報を入れて欲しいか?」といったことや、「あなたは2000年問題対策をしていますか?」、「今一番面白いドラマは?」といったことなど、読者がなにを求めているか、どんなものに興味を持っているかなどが得られれば、さらに読者がおもしろいと思うホームページが作れたり、新たなコンテンツ作りの手助けになるかもしれない。

 そこで今回はホームページでアンケートをとる方法を紹介したい。


●アンケートにはどのようなものがあるか?

 アンケートと一口にいっても、アンケート対象、回答方法、アンケート結果の扱いなど、さまざまなことを考える必要がある。

 回答方法をあげても「あなたは2000年問題対策をしていますか?」という調査に対して、「YES」「NO」の“ニ者択一"のもの、「すでに完了」「現在対策作業中」「対策予定」「対策はしない」などの“多者単数回答"のもの。または、「くだものの中で好きな物はどれですか?」という調査に対して「メロン」「みかん」「ぶどう」「りんご」の中から好きな物を選ぶ“多者複数回答"や、好きな物を自分で書き込む“自由回答"などが考えられる。

 アンケートシステムには、レンタルなどの外部のアンケートシステムを利用するものと、CGIが動作するサーバーにアンケートCGIを設置する方法がある。どちらを選ぶかは、調査後のデータの扱い方や回答方法によって決まってくるだろう。

 外部のアンケートシステムの場合、1項目しか質問をすることができなかったり、自分の望む回答方法がない場合もある。「YES」「NO」だけ答えさせるだけで良いといった場合には、無料のアンケートシステムなども利用できるので、適したものを見つけていくとよい。だが、1つのアンケートで複数の質問をしたい場合や、細かい処理をしたい場合には、自分でアンケートCGIを設置する方がよいだろう。

 また、ホームページに訪れる人に限定してアンケートをする場合や、名前やメールアドレスなども入力してもらう場合など、データの一部または全部を公表したくない場合には、アンケートCGIを自分のサーバーに設置するほうがよい。

 外部のアンケートシステムのほとんどは、一般の人からアンケートを入力してもらい、集計したデータを公表して、閲覧してもらうことを目的としている。そのため、公表したくないデータがある場合には適さない。なお、有料でアンケートを代行してくれるサービスなどを利用すれば、集計したデータを未公開のまま扱うこともできる。とはいっても、情報の漏洩の可能性をつぶしたい人は、やはり自分のサイトで行なうのが一番だ。

 逆に世間の意見調査をしたい場合には、自分のホームページに訪れる人だけでなく一般的に意見を募集したほうがより多くの意見を集められる。そんな場合には、外部のアンケートシステムを利用するのがいいだろう。ちなみに、日記やホームページの感想を得る場合にも、データを公表してもよいのであれば同様に外部のアンケートシステムを利用する手もある。ただし、個人的なアンケートを認めないところもあるので、利用条件をよく読んでおこう。

●外部のアンケートシステムを利用する

 一般の人を対象にアンケートを行なえるサイトには、以下のようなものがある。それぞれに特徴があるので、実際にサイトにいって投票などをしてみよう。

■アンケート100人に聞きました!
http://www.enquete.ne.jp/hundred/

100人までのアンケートを無料で行なえる。多項目のアンケートがとれ、100人が答えたところでアンケートが終了して結果が公表される。Webから簡単にアンケートを作成でき、アンケート作成者のみ、100人以内でも調査内容を見ることができる。

■デジタルパッド
http://www.d-pad.co.jp/enquete/make/

1カ月以内の期間限定アンケートを無料で行なえる。項目は1つのみで、結果はリアルタイムに公開される。Webから簡単にアンケートを作成できる。

■サクサクアンケート
http://www.ankei.to/sakusaku/

5日間限定のアンケートを無料で行なえる。設問は、性別、年齢の固定項目と、自分で入力する項目最大8問。Webから簡単にアンケートを作成できるが、アンケートの開始日は指定され、自分で決められない。その他、設問数の増加、日時の指定・延長を選べる有料サービスもある。

■Public Talk Research
http://www.talk.factory.to/

リアルタイム世論調査を無料で行なえるサービス。調査項目は、YESとNOのみで答えられるもののみ。調査結果はリアルタイムに表示される。アンケートの作成は、メールで調査項目を送る。

■eグループ
http://www.egroups.co.jp/

メーリングリスト、掲示板などをグループで使用できる無料コミュニケーションサービス。このサービスには投票(アンケート)機能もあり、グループ同士でのアンケートを簡単に行なえる。

●アンケートCGIについて

 続いて、アンケートCGIについて紹介しよう。CGIはWebサーバーと連動して動作するプログラムなので、あらかじめCGIが動作するWebサーバーを用意しておく必要がある。

 アンケートCGIは投票された内容をファイルに保存し、それを効率よく表示できればいいので、プログラミングしやすい。また、自分でプログラミングすると、必須項目をチェックしたり、複数ページにわけて回答状況によって質問を変えていくなどの細かい処理ができるようになる。だが、そのためには、C言語やPerlなどの知識も必要となるので、初心者には難しいかもしれない。

 そこでまずは、自分でイチからプログラミングするのではなく、フリーソフトやシェアウェアなどの形態で配布されているアンケートCGIを利用していこう。これを利用すればプログラミングの知識がなくても、アンケートを設置ができる。また、それをたよりに改造していっても細かい処理が可能だ。

 以下にアンケートCGIのプログラムを配布しているサイトを紹介する。アンケートCGIを配布しているサイトでは、デモを用意しているところも多いので、デモを試して自分のアンケートにあったものを見つけよう。これらのアンケートCGIのほか、Webからメールを出せるCGIを改造して投票をメールで受け付ける方法もある。下記のサイト以外にも、掲示板CGIの解説(本誌6月21日号参照)の際に紹介したサイトなども参考にするとよいだろう。

■ネットサーフレスキュー
http://www.rescue.ne.jp/

http://www.rescue.ne.jp/cgi-rescue/cgi?weban (WebAN)

http://www.rescue.ne.jp/cgi-rescue/cgi?webvote (WebVOTE)

各種の有名なCGIがダウンロードできる。回答が固定されている「アンケートを採る(WebAN)」と、自由回答が可能な「投票フォーム(WebVOTE)」がある。設置情報も掲載されているので、安心して設置できるだろう。

■CJ Club
http://www2u.biglobe.ne.jp/~ryu_1/cj_c/
http://www2u.biglobe.ne.jp/~ryu_1/cj_c/cgi_s/p_vote.htm (PluralVote)
http://www2u.biglobe.ne.jp/~ryu_1/cj_c/cgi_s/mvote.htm (MultiVote)

各種のCGIをダウンロードできる。固定回答と自由回答のどちらにも対応できる。質問や回答項目はWebから入力できるので、ファイルを書き換えることが少なく、またサイトにも設置方法が解説されているので、初心者にも利用しやすい。1項目のみ質問できる「PluralVote」のほか、多項目の質問ができるシェアウェア版の「MultiVote」がある。

■Tacky's Room
http://www.eva.hi-ho.ne.jp/takeuchi/
http://www.eva.hi-ho.ne.jp/takeuchi/cgi_tackyvote.htm (Tackyvote)

各種のCGIをダウンロードできる。多項目の質問ができる「Tackyvote」がアンケートにあたる。アンケートを荒らされたときに対策できる投票制限機能も搭載している。

■MyTools.NET
http://www.mytools.net/
http://www.mytools.net/cgitools/vote7.html (T-Vote 7)

各種のCGIをダウンロードできる。細かい質問方法を設定できる「T-Vote 7」と旧バージョンの「T-Vote 6」がアンケートにあたる。アンケートを荒らされたときに対策できる投票制限機能も搭載している。

■WEBアンケート
http://www2q.biglobe.ne.jp/~terra/cgi/voting.htm

多項目(固定回答)のアンケート。「投票」ボタンを押すだけで投票ができるシステム。また、アンケートページに管理者宛のメッセージを書き込むフォームも備わっている。プログラムはWeb経由でなくメールで送られてくる。

●アンケートCGIを設置しよう

 では、実際に自分で「MyTools.NET」に掲載されている「T-Vote 7」をサーバーに設置する方法を紹介しよう。CGIの設置には環境を調査する必要があるが、それについては掲示板CGIの解説(本誌6月21日号参照)などを参考にしていただければよいので省略する。

 この「T-Vote 7」は、CGIの知識がなくとも設置できるものだが、運用の際にHTMLファイルを書き換える技術があるほど良いアンケートページが作れるので、ある程度HTMLの勉強しておこう。これ以外のアンケートCGIの場合も似たような手順になるだろう。アンケートCGIのサイトには非常にわかりやすい説明がされているので、それらを見れば設置できると思われる。

1:アンケートCGIをダウンロードする

 設置する予定のサーバーに検索CGIが設置できることがわかったら、CGIや関連ファイルをダウンロードしよう。「T-Vote 7」の場合は、「tvote.cgi」「tp.html」「tvadmin.tp」をダウンロードする。これらのファイルは「tvote-cgi.txt」「tp-html.txt」「tvadmin-tp.txt」というファイル名でダウンロードすることになるので、ダウンロードする際にファイル名を書き換えてダウンロードしよう。なお、これらのファイルは書き換えることもあるので、そのままの名前でダウンロードし、バックアップとして保存しておき、ファイル名を書き換えてコピーするという方法をおすすめする。また、「jcode.pl」もダウンロードすることになるが、すでにサーバーに用意されている場合は、そちらを使えばよい。

■MyTools.NET - T-Vote 7
http://www.mytools.net/cgitools/vote7.html
http://www.mytools.net/cgitools/source/vote700/tvote-cgi.txt
http://www.mytools.net/cgitools/source/vote700/tp-html.txt
http://www.mytools.net/cgitools/source/vote700/tvadmin-tp.txt

■漢字コードコンバートPerlライブラリ「jcode.pl」
ftp://ftp.iij.ad.jp/pub/IIJ/dist/utashiro/perl/

2:アンケートCGIをサーバーに合わせる

 ダウンロードしたアンケートCGIを動作させるには、プログラムの一部をサーバーに合わせて、テキストエディターで書き換えなければならない。難しい作業ではあるが、アンケートCGIの中に「ここを書き換える」といった説明があるので安心してほしい。また、壊れてしまったらやりなおせばよいので、進んでやってみよう。

 「T-Vote 7」の場合は、「tvote.cgi」を書き換える。

 (1) Perlの設定をサーバーに合わせる

 Perlで組まれた検索CGIは、一番先頭の行に「Perl」の場所が書かれている。これをインストールするサーバーに合わせる必要がある。

 「T-Vote 7」の場合は、のオリジナルでは「#!/usr/local/bin/perl」となっている。「/usr/local/bin/perl」以外にPerlがある場合は、「#!」以降を書き換えよう。例えば、「/usr/bin/perl」の場合は「#!/usr/bin/perl」となる。

 (2) jcode.plの設定をサーバーに合わせる

 「jcode.pl」が用意されていないサーバーでは、ダウンロードしたものをそのまま使うこととなる。この場合、何も書きかえる必要はない。

 サーバーにすでに「jcode.pl」が用意されている場合は、そちらを使うように「tvote.cgi」を書き換える。オリジナルでは「require "./jcode.pl";」となっているので、これを「require '/usr/local/bin/jcode.pl';」などのように変更する。

 (3) その他の変更点、カスタマイズ

 その他、説明書をよく読むか、検索CGIの中で「必ず設定してください」などのように書いてある部分を探して、必要事項を書き換えよう。また、アンケートによっては「最終投票時間」などを表示するものがあるが、海外のサーバーに設置する場合には、日本時間を取得できるように変更する必要がある。また、アンケートCGIとHTMLファイルを別の場所に置くサーバーを使用する場合には、ディレクトリ構造やアンケートCGIの呼び出し方を変えたりなどの変更項目もある。

 「tvote.cgi」の場合、一番重要なのは、パスワードを指定する「$password =」だ。これが「$password = "TVoteV7";」のままだと同じアンケートCGIを利用している人にパスワードがわかってしまい回答項目などを書き換えられてしまう恐れがあるので、必ず書き換えること。また、複数のユーザーがサーバーを利用している環境では、このパスワードをサーバー上で見られてしまうことを予め知っておく必要がある。

 次に、「$admin_email =」を自分のアドレスの書き換える。このアドレスはオリジナルでも「@」の前に「\」が付いているが、それは変えてはいけない。例えば、ymasa@wizvax.netなら「ymasa\@wizvax.net」する。

 その他の部分は特別のことがない限り書き換える必要はない。しかし、アンケートCGIが「tvote.pl」としなければ動作しないサーバーの場合には「$ext =」を「$ext = "pl";」にする。CGIが「POST」では動作しない場合は「$method =」を「$method = "get"」とする。先にも述べたアンケートCGIとHTMLファイルを別の場所に置く場合は「$basedir =」を書き換える必要がある。

 (4) 本体以外のファイルの作成、カスタマイズ

 アンケートCGIによっては、本体以外のファイルが必要になることがある。説明書を確認しよう。アンケートCGIはログを残すことになるので、ほとんどの場合は、それ以外のファイルを作成することになる。また、必ずアンケートには質問と回答を用意する必要があるので、それらのファイルも用意する。「T-Vote 7」の場合も同様にファイルを用意する必要がある。この説明は「7:アンケートをつくる」で説明する。

3:サーバー側を設定する

 アンケートCGIの設定や本体以外ファイルの設定が済んだら、サーバー側にアンケートCGIを設置する準備をする。

 (1) 「.htaccess」を作成する

 WWWサーバーやプロバイダーによっては、CGIを動作させるために、「.htaccess」というファイルを作成する必要がある。必要かどうかはサーバーやプロバイダーの説明書を確認すること。サーバーによっては不要であったり、逆にこのファイルがあると動作しなくなることもある。

 このファイルを作るには、「.htaccess」というファイルを新規で作成し、「AddType application/x-httpd-cgi .cgi」と書いてセーブする。これをCGI本体や関連ファイルをアップロードするときに一緒に転送すればよい。

 (2) サーバーにディレクトリを作成する

 アンケートCGIによっては、一時ファイルやログを作成するためにディレクトリを用意するものもあるので、ディレクトリを用意しておかなければならない。また、アンケートCGIが複数ファイルで構成されている場合は、管理しやすいように1つのディレクトリにまとめておいたほうがよいだろう。

 「T-Vote 7」の場合は、一時ファイルを作成するディレクトリとして「lockdir」というディレクトリを用意しておく必要がある。「T-Vote 7」は1つのCGIで複数のアンケートページを作ることが可能なCGIであるが、ページごとに別のディレクトリに置くようにはなっていないので、すべて同一ディレクトリに置く必要がある。よって、「T-Vote 7」用のディレクトリのみを作成することとなる。ここでは「T-Vote 7」用のディレクトリとして「tvote」というディレクトリを例にする。

 今の説明のままの場合は下記のようになる。

/home/user/public_html/

(このディレクトリが、Webサイトhttp://<provider>/~<user>/と見える)

/home/user/public_html/tvote/
/home/user/public_html/tvote/lockdir/
/home/user/public_html/tvote/tvote.cgi
/home/user/public_html/tvote/tvadmin.tp

アンケートページ1を作ると

/home/user/public_html/tvote/enquete1.html

アンケートページ2を作ると

/home/user/public_html/tvote/enquete2.html

 「T-Vote 7」では、複数のアンケートページを1つのディレクトリに置くことも可能だ。「tvote」ディレクトリがファイルでいっぱいになって、CGIとその他の関連ファイルが同一ディレクトリにあると管理が混乱する場合は、関連ファイル用のディレクトリを作って管理することができる。

 その場合には、「tvote.cgi」の「$basedir =」を「$basedir = "."」から

「$basedir = "page"」と書き換えれば次のようになる。

アンケートページ1が

/home/user/public_html/tvote/page/enquete1.html

アンケートページ2が

/home/user/public_html/tvote/page/enquete2.html

4:ファイルをアップロードする

 いよいよ、用意したアンケートCGIやデータファイルと「jcode.pl」、「.htaccess」などの関連ファイルをサーバーにアップロードする。「T-Vote 7」の場合は、この時点では「tvote.cgi」と「tvadmin.tp」と必要に応じて「jcode.pl」と「.htaccess」をアップロードする。

 アップロードにはFTPクライアントを使用する。このとき注意するのは、いままで説明したファイルはすべてアスキーファイルなので、「アスキーモード」で転送するのを忘れないことだ。ただし、壁紙やグラフに使う画像などは、「バイナリーモード」で転送する。

 FTPクライアントによっては、「.txt」のファイルはアスキーモードで、「.cgi」や「.pl」のファイルはバイナリーモードで転送されることがある。FTPクライアントの設定をよく確かめよう。

5:ファイルのパーミッションの変更

 ファイルを転送したら、転送したファイルや作成したディレクトリのパーミッション(権限)を、アンケートCGIが動作するために設定する必要がある。パーミッションを設定するには、UNIXとそのサーバーのシステムを学んでおく必要がある。

 「T-Vote 7」の場合は、「tvote.cgi」は「755」、「tvadmin.tp」や「jcode.pl」「.htaccess」は「604」、「lockdir」は「707」に設定するのが基本だ。

 パーミッションをどう設定するかは、CGIやサーバーによって設定が異なるので、説明書を参考にしよう。また、設定をしっかりしておかないと、同じプロバイダーの別のユーザーによってファイルを消されたり、書きかえられたりするという可能性もあるので、十分に注意しよう。

6:動作確認をする

 この時点でほとんどの場合は動作すると思われるので、実際にアンケートCGIにアクセスしてみよう。この時点で動作しない場合には、設定が足りないこともある。

 「T-Vote 7」の場合は、「tvote.cgi」にアクセスしてみよう。「!! ERROR !!eventが指定されていません」と出力されれば問題はない。なぜ、エラーなのに問題はないのか?それはこの文章は「まだアンケートを作っていない」というエラーをCGIが出力しているのだ。

 動作しない理由を知るためには、まずWebサーバーのerror_logファイルを確認するのが基本だ。ただし、プロバイダーなどによっては、error_logを含むログが見られないサーバーもある。そのような時はエラーを推測する必要がある。例えば、ディレクトリ、データファイル、HTMLファイル、jcode.plなどの関連ファイルの名前やパーミッション設定を間違えたり、それらをCGI内で指定する時にミスタイプしていたり、アップロードに失敗するなどが考えられる。推測する方法は掲示板CGIの解説(本誌6月21日号参照)の「8:動作確認をする」を参考にしてほしい。

7:アンケートのページをつくる

 アンケートは、掲示板やチャットなどのようなCGIが動作すればサービスを開始できるものとは違って、アンケートの質問、回答項目などを設定しなければ意味がない。

 アンケートCGIには、外部のアンケートシステムと同様にWebから質問や回答項目を設定できるものもあれば、CGIのファイルを書き換えるものや、HTMLファイルやデータファイルを作成するものなどがある。よって、知識のない人はアンケートにあったCGIを使うという前にこのアンケートの作り方についても考慮する必要があるだろう。

 さて、「T-Vote 7」でのアンケート作りだが、HTMLのアンケートページと関連ファイルを作成していく。

 まず、HTMLのアンケートページであるが、ダウンロードした「tp.html」(「tp-html.txt」)がテンプレートとなっているので、これをアンケートに合わせてファイル名を変更し、編集して利用する。ここでは「INTERNET Watchについて」という質問を例にするので、「iw.html」としよう。

 最低限書き換えるところは「<TITLE>~</TITLE>」、戻るのボタンを押したときジャンプするURLを指定する「[<A HREF="http://~">戻る</A>]」、見出しやアンケートの説明の「<H3>~</H3>」とその下の文章だけでよいだろう。例えば、次のようにする。

<TITLE>INTERNET Watchについて</TITLE></HEAD>

[<A HREF="/">戻る</A>]

<H3>INTERNET Watchについて</H3>

 INTERNET Watchを毎日欠かさず読んでいますか?

 次に、関連ファイルを作成する。「T-Vote 7」は、アンケート名.txt、アンケート名.com、アンケート名.rgt、アンケート名.log、allcom_アンケート名.htmlの5つの空ファイルを作成する必要がある。「iw.html」に対して作るものは、次の5つ。

iw.txt、iw.com、iw.rgt、iw.log、allcom_iw.html

メモ帳などで、なにも書かずにこれらのファイル名で保存すると空のファイルを作成できる。UNIXならtouchコマンドでいいだろう。

 ここまでの6ファイルをFTPでアップロードし、パーミッション(権限)を「606」にすればよい。試しに「tvote.cgi?event=iw」にアクセスして問題がないことを確認しよう。なお、Webサーバー上でこれらのファイルを直接用意している場合はアップロードは不要で、パーミッション(権限)のみ変更する。

 実は「tvote.cgi?event=iw」がアンケートページなのだ。ここで、「項目追加」に「読んでます」と入力し投票すると「読んでます」に1票、「読んでません」と入力し投票すると「読んでません」に1票が入ることが確認できるだろう。あとの投票は選んで投票するだけとなっていることも確認できるだろう。

 「これだと誰にでも項目が追加されてしまう」とユーザーからの項目の追加を止めたい場合などは、パスワード欄にパスワードを入れて、「設定変更」をアクセスして設定を変更すればよい。ユーザーからの項目の追加を止めた場合、「項目変更」でパスワードを知っている人だけが回答項目を追加できるようになる。「設定変更」「項目変更」に前もってアクセスして、表示方法の変更や背景色の変更など、どんなことが変更できるのかを調べておこう。

 実際にアンケートを行なう場合には「tvote.cgi?event=iw」にリンクすればよい。例えば、

<A HREF="http://<provider>/~<user>/tvote/tvote.cgi?event=iw">アンケート</A>

とすれば、アンケートページにジャンプできるようになる。

●アンケートの運用、メンテナンス

 アンケートは、方法や内容によって、運用やメンテナンスは変わってくる。では、どんなことが大事なのだろうか。

1:アンケートをいたずらされることもある

 アンケートによって異なるが、自由回答に意味のないことを書かれたり、重複して投票し続けるなどの問題が出てくることもある。掲示板と同じような悩みだが、やはり対応は同じで、意味のないデータは削除したり、一定時間は同一のIPアドレスからは投票できないようにするなどの投票制限をしよう。Proxy経由の投票を制限したり、同一のIPアドレスから投票を制限するという手段も考えられるが、企業からの投票はProxy経由であることが多かったり、ダイヤルアップではIPアドレスを複数のユーザーで共有するといった問題があるので注意が必要だ。自由回答に意味のないことを書かれる問題があるならば、自由回答は止めるというのも1つの手となる。

 くれぐれもいたずらに対して騒いだりしないようにしよう。また、重複して投票をし続ける事に関しては、いっそテレビと電話のアンケートシステム「テレゴング」のように「重複して投票も受け付ける」「重複投票歓迎」としてしまうのも手かもしれない。また、重複投票は受け付けておいて、データを処理する際に同一IPアドレスからの投票は削除するという方法もある。

2:データの漏洩について

 YES、NOだけのアンケートや、すべての項目を公開アンケートの場合はいいのだが、公開するべきではない名前やメールアドレス、住所、電話番号とか、プライバシーに関わるものをアンケートしたときには、そのデータが他人に漏れないように細心の注意を払わなければならない。定期メールを発行するなど、故意に利用することが前もってわかっているアンケートなら“その目的を前もって投票者に同意”を得ておいたほうがいい。アンケートの前もしくはアンケートの中にその同意を得るための項目を追加しておく必要がある。決して勝手に送るようなことはするべきではない。

 そのアンケートのデータを漏洩しないように細心の注意をし、できれば「データをアンケートのためにしか使わず、細心の注意を払って管理する。」という表明をしておいてもいいだろう。なお、アンケートのデータファイルは、ドキュメントディレクトリには絶対に置かないように注意しよう。

 プレゼントのために住所や電話番号まで聞くものが多いが、名前とメールアドレスだけ聞いておいて、当選者には後日住所や電話番号を聞くという方法をとると投票者には好感を与える。

3:アンケート運用のコツ

 アンケートを自分のホームページに設置しても、アクセス数が見込めない場合は、アンケートに投票してくれる人が少なくて意味のないものになってしまう。よって、アクセス数がなかったり、もともとホームページを持っていない場合は、外部のアンケートシステムを利用してアンケートをするとよいだろう。外部のアンケートシステムを閲覧する人はアンケートに投票するためにそのシステムに訪れるので、投票数も見込めると思われる。または、広告を出してアンケートをしていることを知らせたり、アンケートに関連したメーリングリストの管理者、メールマガジンの発行者に協力を得てアンケートをしていることを購読者に伝えるという方法もある。

 次にアンケートの目的をハッキリさせておこう。「みなさんの意見を集めて今後のホームページの更新に役立てたい」とか「みんながどんなふうに考えているのかを知りたい」などさまざまな目的は考えられるが、その目的にそぐわず名前やメールアドレス、住所、電話番号またはプライバシーに関わることなどあまり関係ない項目まで答えさせてしまうと、アンケートに投票してくれる人は減ってしまう。アンケートは項目はできるだけ少なくし、簡単に投票できるようにすることで、投票率は増加していくだろう。

 そして、アンケート結果はリアルタイムでも締切後でも、できれば公開したほうがよいだろう。そのアンケートに興味を持ってアンケートしている人の多くは、他の人の意見にも興味があることが多いからだ。ただし、プライバシー問題になることまで公開しないように注意する事も大事である。

 以上のように目的がはっきりしたアンケートをし、その結果を有用に役立てよう。

('99/10/25)

[Reported by ymasa@wizvax.net]


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