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【業界動向】

CMGIがインスタントメッセージ「PowWow」のTribal Voiceを買収

■URL
http://www.cmgi.com/press/99/tribal.htm
http://www.tribal.com/about_tv/pr12_1_99.cfm

 インターネット投資会社CMGIは1日、インスタントメッセージ製品で知られる米Tribal Voice社の買収を発表した。買収金額などの詳細は明らかになっていない。

 Tribal Voiceはインスタントメッセージの「PowWow」で知られている。PowWowを使うと、通常のインスタントメッセージ機能のほかに、ボイスチャットを利用したり、同じWebサイトを見ながらチャットしたり、ファイル交換をすることができる。もともとはコンシューマー向けの製品として知られていたが、最近ではイントラネット用にセキュリティーを向上させた製品や、文書の交換を効率よく行なうためのソフトを組み込むなど、工夫を重ねてきている。

 CMGIでは、Tribal Voiceを、最近同じく傘下におさめたインスタントメッセージ企業のActiverse社と合併させたい考えを明らかにした。Activerseのインスタントメッセージ製品「Ding!」は、どちらかというと企業向けの製品で、イントラネットの中のワークグループで効率よく情報をやりとりするための機能を網羅している。両社が合併することによって、PowWowはコンシューマー向け、Ding!は企業向けなどというようにインスタントメッセージ製品のラインアップを揃えることができるようになる。

 PowWowには現在500万人の登録ユーザーと18,000のコミュニティーが存在するが、この分野で先頭を走っているAOLのAIMやICQと比べるとまだ人数的には見劣りするのが現状だ。しかし、今回の発表では「PowWowは公開されたプロトコルを用いてAOLのAIMとMicrosoftのMSN Messengerと通信できるようになっている」との興味深いコメントがあった。AIMとの通信機能を巡っては、AOLとMicrosoftとの間で激しいやりとりがあったことはまだ記憶に新しい。ちなみに、CMGIは、Lycosの筆頭株主でもあるが、LycosはAOLからAIMと通信するためのライセンスを取得し、12月1日付けで共同ブランドのAIMを発表している。このこととの関連性はまだ分からない状態だ。

 インターネット投資会社CMGIは、AltaVistaを含む多数のインターネット企業を保有している。そうした企業と今回の買収の関連性について同社のDavid Andonian氏は、「CMGI企業のうち何社かはすぐにでもこのテクノロジーの恩恵を受けられるだろう。それらの企業にはMyWay.com、AltaVista、1stUp.comが含まれる」と述べ、共同のサービス展開を考えていることを明らかにした。

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('99/12/2)

[Reported by taiga@scientist.com]


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