【特集】

ホームページのCGIと2000年問題

　西暦を下2桁で扱った時、「99」年から「00」年に変わった瞬間に、コンピュータが異常動作をするのではないかと言われる2000年問題。この問題はもちろんホームページに設置した掲示板やカウンターなどのCGIでも起こる可能性がある。そこで、この特集では、ホームページのCGIと2000年問題、そしてその対応方法について解説する。また、フリーソフトやシェアウェアなどの形態で配布されているCGIの2000年対応状況も紹介しよう。

　なお、今回は「Perl」で書かれたものに限定して解説する。他の言語ではそれぞれ状況は異なるが、今回解説するポイントを参考にしてほしい。

●正しい2000年問題対応

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　Perlを使用してプログラムを作成するとき、時刻を求めるために、

($sec,$min,$hour,$mday,$mon,$year,$wday,$yday,$isdst) = localtime(time); $mon = $mon+1;

と組むことが多い。このプログラムを実行すると「$year」には、1999年ならば「99」が代入される。そのため、下2桁を扱っていると思って作られているプログラムも見受けられる。

　しかし、実際には$yearには1900年からカウントした年数が代入されるので、2000年には「00年」ではなく「100年」となる。

　よって、正しく2000年に対応するには、単に1900年を足せば正しい4桁の値となる。

($sec,$min,$hour,$mday,$mon,$year,$wday,$yday,$isdst) = localtime(time); $mon = $mon+1; $year= $year+1900;

　ただし、現在利用しているCGIで考えもせずに、上記の2000年問題対応を行なうと、対応以前のデータと以後のデータが混在しトラブルになることもある。プログラム全体とデータについてよく考えて対応をするか、すべてのデータを一度リセットしよう。

●どのようなことが起こりうるか

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　では、2000年に対応していないCGIを利用したとき、どのようなことが起こりうるかを紹介する。

(1)すでに問題が起きているクッキーの有効期限

　掲示板の名前欄の記憶などでクッキーを使用している場合、1ヶ月～2ヶ月のクッキー有効期限を設定していることがある。この場合には、1999年11月や12月に入った頃から問題が発生しているのだ。クッキー有効期限の設定では、過去には年数2桁を使っていたが、現状では年数4桁を使用するようにされている。ここに2000年に対応しないCGIプログラムから「100年」という年数を設定した場合の動作は保証されない。詳しくは、Netscape社の「PERSISTENT CLIENT STATE HTTP COOKIES」を参照してほしい。

■Netscape、PERSISTENT CLIENT STATE HTTP COOKIES
http://www.netscape.com/newsref/std/cookie_spec.html

(2)一番多くあるのは年数表示

　掲示板CGIなどで、書き込み時間として「99年」などそのまま年数を使用している場合には、2000年になった時には「100年」の書き込みとして表示されてしまう。とはいえ、表示が「100年」と表示されるだけでも2000年問題だが、年数の表示だけなら大きな問題はないだろう。自動巡回プログラムなどで表示された年号を処理している場合には注意が必要だ。

(3)データベースなどでの問題

　掲示板CGIの多くは追加型書き込みを行なっているので、書き込み年数が「100年」となっても、そのまま新しい書き込みとして表示するようだ。しかし、「書き込み順」や「新しい順」に並べる機能があるものでは、データ管理に問題が発生することがある。

　「年月日時分秒」順の1つのデータとして書き込み時間を表現した場合、1999年12月31日12時34分56秒に書き込んだものは「991231123456」となる。そして2000年01月02日03時04分05秒に書き込んだものは「1000102030405」となる。これを単に数値として比較して並べた場合は、2000年に書き込んだもののほうが大きいので問題にならない。

991231123456	1999年12月31日12時34分56秒
991231235959	1999年12月31日23時59分59秒
1000101000000	2000年01月01日00時00分00秒
1000102030405	2000年01月02日03時04分05秒

　しかし、文字列として頭から比較したり、ファイル名に使いディレクトリのファイル一覧として使用した場合（UNIXコマンドのlsも同じ）は「1」が頭にある2000年に書き込んだものが先になるので、問題となってしまう。

1000101000000	2000年01月01日00時00分00秒
1000102030405	2000年01月02日03時04分05秒
991231123456	1999年12月31日12時34分56秒
991231235959	1999年12月31日23時59分59秒

(4)間違った2000年問題対応

　もう1つ「2000年問題に対応したつもり」という場合がある。1999年が「99」となっているので、それを年数下2桁だと誤解したまま2000年問題対応したときだ。

　「70」以降の数字なら頭に「19」を付け1900年代、「70」以前数字なら頭に「20」を付け2000年代、という対応をした場合、2000年では「100」となるので、「19100」となってしまう。これは、4桁表示のためにただ頭に「19」を付けたときも同様となる。

($sec,$min,$hour,$mday,$mon,$year,$wday,$yday,$isdst) = localtime(time); $mon = $mon+1; if ($year < 70) { $year = "20$year"; } else { $year = "19$year"; }

19991231123456	1999年12月31日12時34分56秒
19991231235959	1999年12月31日23時59分59秒
191000101000000	2000年01月01日00時00分00秒
191000102030405	2000年01月02日03時04分05秒

●フリーソフトやシェアウェアなどで配布されているCGIの2000年対応状況

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　CGIをプログラミングできない人にとっては、自分が使用しているCGIが2000年になっても正常に動作するのか気になるものだろう。そこで、フリーソフトやシェアウェアなどの形態で配布されているCGIの2000年対応状況を紹介しよう。なお、コンピュータ、OS、Perlや外部プログラム、ネットワークなどが2000年対応していない場合は、これとは別の問題がおこりうるので、それについては別に確認しておこう。

　この中には、時刻を取得しているが年数を使用していないので問題が発生しないというものもある。こうしたプログラムで、年数も表示させるなどの改造を行なう場合には、自分で2000年対応しておこう。

【１】掲示板

【２】カウンター

【３】Webチャット

【４】サイト内検索

【５】アンケート

【６】フォームメール

【７】日記帳

(1999/12/20)

[Reported by ymasa@wizvax.net]

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