株式会社ネオテニーは、米国の投資会社2社からの投資を受け、インターネット関連のベンチャー企業を支援・育成するインキュベーション事業の開始を18日に発表した。
インキュベーションとは卵を孵化することを意味し、アイディアや技術を持った個人やグループに対して、創業及び初期段階に必要な資金をはじめ戦略コンサルティングや人材など、さまざまな有形・無形のリソースを総合的に提供していく活動を指す。米国ではインターネットビジネスに対してインキュベーター企業が積極的に支援を行い、ネットベンチャーの育成に大きな役割を果たしている。
今回の発表でネオテニー代表取締役社長の伊藤穣一氏は、「自分のこれまでのネットベンチャーの経験からみても、企業家にとって設立・運営資金はもちろん、初期段階での有用なアドバイスやノウハウを得る機会が非常に少ない」と述べ、また「投資家にとっては起業家からの一貫性あるビジョンが得られないことや、リスクの集中が起こりやすいことへの不安がある」点も指摘。「日本型インキュベーションの成功には投資家と起業家の円滑なコミュニケーションと双方への教育が不可欠」な点から、今回の新事業では人材の育成に最も重点を置くことを表明した。
具体的には育成企業社員やネオテニーの社員が、企業に必要な知識とスキルなどを3カ月ほどの実務を通じて修得するシステムを実施。その人材を育成企業に派遣し、軌道に乗ればネオテニーに復帰し新たな育成企業に派遣する、というサイクルの実現を目指す。
今回の増資は米国J.H.Whitney&Co.と、PSInet出資のベンチャーファンドPSI Venturesから行なわれ、金額は総額20億円。このうち約3分の1を企業支援のためのオペレーション費用、約3分の2を投資とし、育成対象企業からは株式供与を受けることでサービスを提供する形をとる。1月からインターネット関連企業4社のインキュベーションを開始し、2002年までの3年間で90社程度の企業・育成を目指す。
◎1月からインキュベーションを開始する企業は以下の通り。
・リナックスプローブ株式会社
Linuxに冠するハードウェア検証、及び関連情報サイトの運営
・バックテクノロジーズ株式会社
コミュニティメンバーによるモバイル関連製品検証・情報サイトの運営
・カージェネレーション
自動車教習所に関する情報提供・仲介サイトの運営
・ギフティギフティ(2000年3月設立予定)
ギフト専用のECサービスサイトの運営
(2000/1/18)
[Reported by aoki-m@impress.co.jp]