■URL
http://www.cisco.com/jp/
http://www.nasdaq.co.jp/
本年6月末までの取引開始を目指しているベンチャー企業向け証券市場ナスダック・ジャパンについて20日、株式の取引開始第1号が日本シスコシステムズになると一部で報道された。
日本シスコは、以前から株式公開を行なう計画であることは明言してきたが、取引市場をどこにするかなど詳細については触れてこなかった。今回の件も、取引市場を特定するまでには至ってなく、「具体的なことはまだ何も決まっていない」としている。
今回のニュースの発端は、NHKの19日のニュースで米国Cisco Systemsの最高経営責任者John Chambersのインタビューが放映され、このなかで「今年日本シスコを上場・公開させる」旨を発言したことによる。しかし、これ以上詳しい内容は述べなかった。米国のトップがこのように発言したこともあって、今年の上場・公開はありそうだが、市場がナスダック・ジャパンになるかどうかは、これらを担当する日本シスコの財務担当者が米国に出張中ということもあって、会社側も公式なコメントを出しにくい状況のようだ。まして、ナスダック・ジャパンの公開基準など詳細がまだ決定していない現段階で、上場・公開市場を同市場に決定してしまう企業のほうがおかしいかもしれない。
ただし、やはり同社はナスダック・ジャパンに公開(公開という言葉を便宜上使うが、公開か上場かどちらの表現が適切か現時点では分からない)、しかも第一号となる可能性が極めて高いといえよう。同社の株主をみると、米国Ciscoの出資比率が73.2%、ほか、伊藤忠テクノサイエンス、NTTデータ、沖電気工業、コンパック、CSK、セガ、ソフトバンク、東芝、日本電気、ネットワンシステムズ、富士通エフ・アイ・ピー、日立製作所、三菱電機が合計で同26.8%となっている。ソフトバンクがどの程度出資しているかは非公開だが、ソフトバンクが出資している企業のなかで公開して最も脚光や人気を集めそうな企業は日本シスコといえる。市場スタートを盛り上げるには、最適な企業といってもよいだろう。今回の件に関して、ナスダック・ジャパン広報代理のソフトバンクIR室では「コメントはない」としている。
こう考えると、ソフトバンクグループが出資している企業は既上場・公開も含めて(ダブルリスティングも導入する方針のため)、すべてがナスダック・ジャパン公開予備軍といっても過言ではない。市場関係者の中には「こうなると、ナスダックジャパン市場がより一層ソフトバンク色の強い市場となるため、これを避けるために是が非でも例えば東証1部上場の日本を代表するような企業にダブルリスティングしてもらうよう交渉するのでは」と見る向きもある。
なお、日本シスコシステムズは本年3月1日をもって社名をシスコシステムズに変更する。
(2000/1/20)
[Reported by betsui@impress.co.jp]